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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

古屋敷の女あるじ 1

2011年01月03日(Mon) 06:51:14

自堕落に寝そべったソファが、ひどく心地よい。
うたたねから覚めたちひろは、肩までかかる長髪をだれかに掻き除けられるのを感じた。
節くれだった細い指が、うなじを這って、なぞってゆく。
湿り気のある柔らかいものが圧しつけられて、うなじの上をうねうねとうごめいた。
なまの唇のような卑猥な温もりを帯びたその軟体動物の正体は、血吸いヒルだった。
少年は薄目をあけて、ヒルを押しつけた掌の主を視たが、とがめるようすもなく再び目を瞑る。
ヒルはすぐにじんわりと密着してきて、皮膚に痺れるような疼きをしみ込ませてきた。
少年の口許が一瞬引き締まり、やがて弛緩する。
弛んだ口許からこぼれる白い歯が、ひどく淫らな輝きを秘めていた。

ホホ・・・
向かい合わせの籐椅子に腰かけているのは、和服姿の老女。
よほど旨かったのかぇ。よう膨れおるわ。
一見上品そうに見えるその老女のだみ声は、ひどく下品で淫猥だった。
少年のまえでだけ見せる本性に、彼は薄笑いで応じている。
赤と紺のしま模様のTシャツに、白の半ズボン。ひざから下は、半ズボンとおなじ白のハイソックス。
ちょっと見にはスポーティな装いだったが、運動の苦手らしい少年の皮膚は白く、体格も少女のようにしなやかだった。
ハイソックスにおおわれたふくらはぎの筋肉もなだらかで、ごつごつとした逞しさとは無縁だった。

ヒルに吸わせるだけ?
失血のけだるさに酔いながら、少年は口を尖らせる。
ボクの血は、ヒルの餌にしかならないのかな?
ふ、ふ、ふ・・・
老女はにんまりと下品に笑むと、籐椅子から腰をあげ、
淫らに光る唇を、じわじわとこちらに近寄せてきた。
ぁう・・・
よだれの浮いた唇を圧しつけられて、少年はけだるそうにかぶりを振ったが、
抵抗することを忘れたように、手足はだらりと伸ばしたまま。
あごの下に食いついてきた牙が、首のつけ根に吸いこまれていった。

ゆるやかなカーブを描く細い眉が、一瞬痛そうにきりりと引きつり、やがて弛緩する。
ちゅうっ。
少年の首すじから洩れるのは、押し殺すような吸血の音―――
整った目鼻だちを弛ませて、己の血を吸い取られてゆく音に、少年は陶然となって聞き惚れていた。
引き抜いた牙を、足許にさ迷わされて。
少年は「エッチ」と、初めて抗議を口にした。
よいじゃろう?
ああ・・・かまわないよ。
失血に意識をかすませた少年は、無表情に応えた。
ふくらはぎに吸いつけられた唇が、真っ白なハイソックスに赤黒いシミを広げていった。
なんども噛みついてくる老女のために。
ハイソックスの脚に加えられる凌辱を、愉しむように。
脚の角度を変えて、応じてゆく。

そのままお帰りかえ?
ハイソックスに滲んだ赤黒いまだら模様は、少年がなにをされたのかを雄弁過ぎるほど伝えている。
ああ、もう慣れたから。
夜だし、人に視られたって平気だし。
う、ふ、ふ、ふ・・・
老女の得意そうな含み笑いに、少年は虚ろに嗤って応えている。
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