FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

試合の後の祝賀会

2011年01月22日(Sat) 08:43:22

さぁ、きょうは祝賀会だ。
キャプテンがそういうと、みんなは目が覚めたようになって。
練習に疲れの残るグランドから、のろのろと腰をあげていった。
祝賀会・・・?
ぼくが首をひねったのは、無理もないはず。
だってきのうの試合は、見事なまでの完敗だったから。
ふしぎそうな顔つきがめについたのか、チームの先輩がぼくの肩を叩いた。
ほら、ぐずぐずしていないで、着替えなくっちゃ。
更衣室に戻ってきたみんなは、泥にまみれたユニフォームを思い思いに脱いで、真新しいのに着かえてゆく。
ユニフォーム着ていくんですか?たずねるぼくに。
ああ。新しいのを一着、きみのぶんも用意してあるからね。
先輩はにこにことして、ロッカーの上に置かれたまだ袋入りのものをひとそろい、ぼくのほうへと放ってくれた。
シャワーを浴びた後の身体に、真新しい服がすがすがしかった。
みんな念入りに、短パンの下のストッキングを引きあげている。
日ごろだらしなく脛の途中までだるんで履いているあいつや、
いつもラインをひん曲げて履いているあいつまで、
まるでモデルさんにでもなったみたいに、脚をくねらせて、ひどく足許を気にしている。
どうして祝賀会なんですか?
思い切って先輩に、訊いてみたら。
意外なこたえが、かえってきた。
相手チームの、祝賀会なんだよ。
え・・・?きのうの連中と?

なんだか顔いろのわるい連中だった。
真っ赤なユニフォームを着ているものだから、顔いろのわるさがいっそう目だっていた。
そのくせ動きはすばしこく、身のこなし脚さばきは的確で、
まるでボールのほうが彼らに向かっていくかのように、彼らの身体から離れなくって、
ぼくのチームは何回も、ゴールを奪われた。
勝ってもあまり嬉しそうな顔をしないで、
試合の終わった後の整列で、冷やかな一礼をしてきびすをかえしていった。
立ち去ろうとするチームの監督に、うちの監督がなにかぼそぼそと囁くと。
彼らの表情がうって変わって明るくなって、
だいぶ離れてしまったのに、こちらをむいてばらばらとお辞儀をして、
無邪気に打ち解けた笑みを投げて来る者さえいるしまつだった。
気がつかなかった?
先輩はさっきから、ずっとにこにこしている。
あいつら、吸血鬼のチームなんだぜ。
きのうの勝利を、オレたちの血を吸って祝う気なんだ。

祝賀会の会場は、あちらの学校の教室だった。
振る舞われたオレンジジュースの代わりに、ぼくたちは全員、血を吸われた。
新入部員のぼく以外は、初めてじゃないらしい。
足許ににじり寄ってくる彼らをまえに、
鮮やかなブルーのストッキングを履いたふくらはぎを差し伸べていって、
痛っ!あんまり強く噛むなよなっ。 とか、
う~ん、目が回るっ、頭がくらくらするぅ・・・ とか、
みんな口ぐちに声をあげながら、真新しいユニフォームに血を撥ねかしていった。
こういうとき、きちっと履いてなくちゃ失礼だろう?
先輩は率先して、相手チームのキャプテンに腕を巻かれていって。
痛くないから、平気だぜ。
終始にこやかに接しながら、相手に首すじを噛まれていった。
ブルーのストッキングは、とりわけ彼らの好餌らしい。
だれもがいちように、脚を噛まれていったから。
先輩が引き合わせてくれた相手チームのメンバーに、
ちょっぴりずり落ちかけていたストッキングを引きあげると、
ぼくもおずおずと、みんなの応対の見よう見まねで、脚を差し伸べていった。

後ろから忍び寄ってきみのボールを奪ったろ?
あのとき首すじにさんざん息遣いを迫らせたの、気がつかなかった?
祝賀会開いてくれるんなら、まっさきにきみを襲おうと思っていたんだ。
ぼくにとりついたやつは、相手チームの主力選手。
こういう会、初めてみたいだね。
きみの先輩からよくいわれているから、痛くないように噛んでやるよ。
そういいながら、もうなん回めだろうか?
お目当ての首すじを、咥えられて。
シャツをめくりあげられて、わき腹を噛まれて。
むき出しの太ももも、ふくらはぎからずり落ちたストッキングにも。
たんねんに食いついてきて。
しまいには短パンごしに、ぼくのお尻に牙を喰い込ませてきた。
血に染まってゆく。ぼくの血に、すべてが染まってゆく。
薄ぼんやりとした意識のなか、彼はぼくのことを、ほかのみんなと同じように床に組み敷いていって。
荒々しく舐りつけてくる唇を、ぼくの唇へと重ねていった。
これからきみん家(ち)へ、連れてって。
まだ喉が渇いているんだ。
きみとはずうっと、仲良くしたいし。
ご家族にもオレのこと良く分かってもらって、協力してもらいたいんだ。
これからみんな、そうするんだから。
きみの先輩も、仲良しのあいつに、妹さんを噛ませているんだぜ?
家にさえ、入れてくれたら・・・
あとはオレが・・・うま~くやってやるからさ・・・
男同士の初めてのキスに、ぼくはひどくむせっ返りながら。
うわ言みたいに、くり返していた。
ウン、招待するよ。よろこんで!
いまなら母さんも姉さんも家にいるはずだから・・・
前の記事
軟弱な新入部員
次の記事
哀切に。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/2404-49d18dfd