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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

宴席の小部屋

2011年01月24日(Mon) 06:36:48

旧正月かなにかの、お祝いの席だったと記憶している―――
親戚の男女が集まって、ホテルの大広間で会食をしていたときのこと。
ぜんぶで数十名ほども、いただろうか?
だれもが正装をしていて、まるで結婚式のような雰囲気だった。
宴たけなわのころ―――
大広間の扉が開かれて、ふらふらとさ迷うようにして入り込んできたいくたりもの男の影に。
だれもが息を呑んでいた。

おやぁ、マチ子さん。すっかり女ぶりをあげたねぇ。
赤ら顔の年配の客人は、OLをしている従姉に慣れ慣れしく声かけて、
テーブルの下にかがみ込むと。
よだれの浮いた唇を、彼女のふくらはぎに吸いつけて。
ねずみ色のストッキングを、遠慮会釈なく、噛み破ってゆく。
すぐ隣では、母をまえにもじもじとする青年を、
父はにこやかに別室に促して。
宴が果てるころようやく表に出てきた母は、ノーストッキングの脚にナマナマしい粘液を光らせていた。

宴席に隣接して、いくつか小部屋がしつらえられていて。
母が入っていったすぐ隣の小部屋のドアが、出し抜けに開かれた。
以前よりも上背の伸びたサチコちゃんは。
真っ白なカーディガンに撥ねた赤黒いシミを気にしぃしぃ、
小父さまといっしょに、小部屋から出てくると。
あの、ちょっと・・・
口ごもりながら、声かけてきた。
背中まで長く伸びた黒髪に、鮮やかに白いヘアバンド。
めっきり大人びた上背と髪の毛の艶とは、裏腹に。
もの慣れない言葉づかいは、以前のままだった。

悪いね、きみ。お嬢ちゃんだけの血じゃあ、足りなくてね・・・
みなまで言わず、もの欲しげに見つめてくる、ボクの足許は。
齢不相応な半ズボンに、濃紺のハイソックス。
冬だというのにまる出しにさらけ出した太ももは、ちょっとまえまで外気にさらされ真っ赤になっていた。
サチコちゃんのハイソックスが、まだ噛まれていないのを横目に見ながら。
ハイソックス好きなんだね。小父さん。男の脚でもかまわないの?
そんなふうにからかうだけの余裕は、なんどか噛まれるうちにしぜんと身についていた。
小父さんは口許についたサチコちゃんの血を、ボクのワイシャツになすりつけて。
困るなぁ。
ボクがいやな顔をすると、照れ笑いをした横顔を、こんどは太ももに圧しつけてくる。
痛ッ―――!
喰い込まされた牙が、皮膚に深々と、痺れるような痛みをしみ込ませてきた。
噛まれることが快感になってしまったのは、サチコちゃんもいっしょらしい。
さっきから、噛まれた首すじにしきりに手をやって、傷口をこすりながら疼きをまぎらわせている。

ひどいなぁ―――
ふくらはぎから引き抜かれた牙にしたたる血を、ボクは苦笑しながら見つめている。
そんなに美味しいの?
あぁ、まあね・・・
小父さんはハンカチで丁寧に口許を拭うと、
破れてたるみ落ちたボクのハイソックスを、器用に引きあげていった。
つぎはお嬢ちゃんの番だね―――
いつの間にか、母のいなくなったあとの席に腰かけたサチコちゃんは、
白のハイソックスでくるんだたっぷりとしたふくらはぎを、
そそのかす声に応じるように、差し伸べていった。
ボクから吸い取ったばかりの血が、サチコちゃんのハイソックスを赤黒く濡らす。
なんだか小父さま、エッチだね―――
声は、傍らで見守るボクにかけられたものだった。

代わる代わる、ふくらはぎに噛みついて。
きちんと引き伸ばされた真新しいハイソックスを、噛み破って。
吸い取った血を、なすりつける。
なんどもくり返し、かがみ込んでくる小父さんに。
ボクはたまらなくなって、貧血を訴えつづけていた―――

あのとき耳にした、囁きは。
だれもがその場の雰囲気を読んでいたのだと、告げていた。
従兄妹どうしだから、お似合いだわよねぇ。

もう、だめぇ。死んじゃいそうっ―――
密室の小部屋のなか、牙を迫らされて。
失血によろけた少女はとっさに、ボクの名前を呼んだという。
それからすぐの、ことだった。
お互いの両親がふたりをさりげなく近づけるようになったのは―――
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