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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

外は、雨―――

2011年02月19日(Sat) 06:18:36

外は、雨―――
雨戸のむこう、ばしゃばしゃとあきもせずに、降っている。
目が覚めた・・・?
夜どおしずっとのしかかっていたらしい彼が、耳元でささやく。
柔らかな声色が、じわあんと、ボクの鼓膜をくすぐった。

人けのない、自宅。
母さんは夕べ着飾って、浮気に出かけたし。
父さんは母さんの着替えをもって、あとから出かけて戻ってこない。
見せつけられちゃっているのさ。
秘密を打ち明けるような声で、彼がそう教えてくれたのは、もうどれくらい前だろう?

ボクはけだるげに、眠気を払い落とすように左右に首を振り、のろのろと起きあがる。
夕べから身に着けたままの、濃紺の半ズボンにおなじ色のハイソックスの制服が、
ちょっと着乱れていた。
脛からずり落ちかけたハイソックスを、うんと引っ張ると。
男は嬉しげに、唇を擦りつける。
やだ。裂け目が広がるじゃないか。
しつように噛まれた痕が、あちこちに。
白い脛を露出させていた。

きょうは学校休むよ。
朝ごはんのしたくもないし、だいいち学校の制服でもてあそばれちゃね・・・
勉強に身が入らないや。
ぐちるようにこぼしたボクに、男はスッとすり寄って来て。
ボクの身体から吸い取った血でなま温かくなった唇を、うなじに吸いつけてくる。
母さんの服着て、相手してやろうか?
睨んだ横目を、彼はくすぐったそうに受け流すと。
いんや、きょうはキミのハイソックスにはまっちゃった。
もう一足、噛ませてくれよ。
しょうがないなあ・・・
箪笥の抽斗から取り出した、真新しい一足を。
ボクはつま先へと、通していった。
まるで娼婦が、ストッキングを穿き換えるみたいにして。

いつの日か。
ボクに彼女ができたなら。
たぶん―――
おそろいの紺のハイソックスの脚を並べて、男のためにもてなすのだろう。
けだるい朝。
雨はまだ、降り続いている。


あとがき
昨日の朝、雨音を聞いているうちに思い浮かんだお話です。
時間切れで、あっぷまでこぎつけられませんでした。
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お礼。
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