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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

許婚の親友

2011年04月19日(Tue) 07:17:53

いちどでいいから、彼女の履いているハイソックスを、脚に通してみたいな。
ふと漏らしたひと言に、あいつは愉しげにくいついてきた。
ふん、相も変わらず変態だな。よかったらおすそ分けするぞ。
えっ、どういうことなんだ?
俺は思わず、色をなした。

あいつにヘンタイなどと、言われる筋合いはない。
なにしろあいつは吸血鬼で、自分が血を吸った女の履いている靴下をコレクションしているのだから。
憤然として向けた、問いの矛先を。
あいつは至極、余裕たっぷりに受け流す。
ああ、気が向いたら時々・・・ね。
なんて、うそぶいたものだ。

血を吸った相手の身もちさえ察してしまう。そんなあいつの習性を知りながら。
俺は訊かずには、いられなかった。
かえってきたこたえは、いうまでもない。
超やりまんみたいだぜ~?
冷やかしじゃないか・・・
げっそりとした俺を、慰めるように。
あいつはひどく、柔らかな声色で。
囁いたものだった。
貴様の許嫁も、やりまんにしちまったんだったな。
そう。春に結婚を控えた婚約者の和美さんは、
いまではあいつの、血の奴隷にされていて。
獲物を分かち合う気持ちのつよいあいつのために、
きょうもべつのだれかの相手をしているに違いなかった。

婚約者がいる身で、べつの女の靴下を気にするなんて、感心しないな。
あいつは、もっともらしく肩そびやかしながら。
それでもひと言、呟いたのだった。
まぁ・・・女の靴下を履くくらいだったら、浮気のうちには入らないだろうし。
まだかわいいものだな、和美さんのしていることに比べたら。
あぁ~っ!
ついつい、大声を出してしまった。
はじめてあいつに首すじを噛まれたときと同じくらいに。

男の血は、趣味じゃないんだ。ただ・・・喉が渇いていたんだね。
お母上の血が美味そうだとわかったのだけは、収穫だったかな。
家族どうしの血の味は、けっこう似通うものだからね。
あいつがもの欲しげに、自分の唇を撫でるとき。
俺の肉親は、ひとりまたひとりと、あいつの毒牙にかかっていった。

安心するがいい。和美さんをあんたから、しんそこ奪い取るつもりはないんだ。
あの娘はいまも、あんたの嫁になる気でいるらしいからな。
それで、気になる別の御婦人のことだが。
ほれ。
目のまえにぶら下げられたのは。
たしかに彼女が履いていた、たてじまもようのハイソックス。
黒地のしっかりとした生地に浮き上がる、大小の噛み痕は。
彼女のふくらはぎ、思ったよりも筋ばっていたな。
でも噛み心地は、抜群だ。

俺の唇の奥深く。生え初めた牙が、疼きだす。
そう、俺もひとのことを咎めることのできない半吸血鬼。
日常は人として生きて、血を求めるものたちの相手をし、
そのうえでだれかの血を求める、渇いた存在。
好きにすればいい。あした、連れて来てやろう。
なにしろあの女は、あんたの和美の親友なんだからな。

いけない恋を成就させようとしてくれているのは。
和美についての、罪滅ぼしか。
はたまたなにか、もっといやらしいことをもくろんでいるのか。
おそらくきっと・・・後者だろう。
そうわかっていながら、強く強く頷いてしまっている、いけない俺。
いまの頷きの強さはきっと、
あんたの和美を、襲わせてくれ。
あのいけない囁きのときに応じた、呪わしい頷きとおなじくらい、妖しかった。


あとがき
すこし以前に描いたものですが。
かなり中途半端ですね・・・ (^^ゞ
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