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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

俺の妹あいつの彼女

2011年04月19日(Tue) 08:59:53

そいつは青白い横っ面を、傾けるようにして。
俺の首筋に、唇を吸いつけてきた。
男の唇がなまめかしいと思ったのは、このときが初めてだった。
思いのほかぬらぬらと柔らかい唇のすき間から。
滲むように洩れてきた、尖った牙が。
皮膚の奥まで、遠慮会釈なく食い入ってきた。
じゅわっ。
生温かい血潮が、Tシャツを染め、滴り落ちて。
短パンの下、スポーツ用のハイソックスの足許にまでほとび散った。

ちょっと待て。
尻もちをついた俺に、やつはなおも迫って来て。
御丁寧にわざわざ、ハイソックスをひざ下まできちんと引き伸ばして、
そのうえで、足許に唇を這わせてくる。
痛っ!痛っ!
噛まれるたびに、俺は声をあげ、
ハイソックスには、ぬるぬるとした血潮が、しみ込んでゆく。
すまないね。長い靴下に、目がないのだよ。男ものでも、構わない。
やつはそう呟きながら、ハイソックスごしにじわじわと唇をなすりつけてきて。
歪みかかった太めのリブに、赤黒いシミを、たんねんに広げていった。

脳みそが真っ白になるほどの失血に喘ぎながら、
俺は草地に寝転んでいて。
抵抗が緩慢になったのを、良いことに。
やつはなんどもなんども、そこかしこへと、噛みついてきた。
殺す気かよ?
俺がそう口走るほど、やつの襲撃はしつようだった。
まさか・・・愉しんでいるんだよ。オレなりに。
やつはぬけぬけと、そういうと。
またも足許に、唇を吸いつけて来る。
あんたを侮辱する気は、ないんだ。
あんたの好きなハイソックスを、オレはオレなりに好んでいるのさ。
また週末・・・ここを通りかかるときには。
きょうみたいなかっこ、して来てくれないか?
さいごの語尾は、ひどくまじめで。
手前勝手な希望のせつじつさだけが、瞳を染めていた。

向こうから、おなじチームのタケシが歩いて来る。
薄闇に透ける、彼の足許は。
俺とおなじ柄のハイソックス。そして・・・赤黒いシミ。
お前も、やられちゃったのか?
ああ、女の吸血鬼にね。
そいつはラッキーだったな。
さあ、どうかな?こんどは彼女も誘ってくれってさ。
タケシの彼女のまゆみは、俺の妹だった。
あいつの悪友で、男の吸血鬼で。処女の血を欲しがってるのがいるんだってさ。
カップルで、男ふたりを襲ったのか。
おなじ公園のなか、俺たちは黙って歩みを進めた。
おそろいのハイソックスに、赤黒いシミをつけたまま。

向こうから来た、濃紺の制服を着た妹は。
ふたりの足許を見て、何が起きたのかを察すると。
じぶんの両腕を取るふたりの男を、いぶかしげに見比べて。
あっ?そういうことなのっ!?
さすがに声をあげるはずだった。
あちらのカップルさんに、まゆみの血を分け獲りさせてやろうと。
悪友どうし、おなじことを考えていたのだから。
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