FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

処女屋の息子。

2011年04月19日(Tue) 09:09:32

それまでにもなん人となく、
父のところには年ごろの娘が、ひっそりと訪れていた。
いちどきりのひともいれば、何度か訪問をくり返すひともいた。
だれもが、狭い村のなかでは顔見知り。
けれどもだれが来たのかは、決して口外してはならないと、父からも母からも、口止めされていた。

ボクが大きくなるにつれて。
訪問客の娘たちとボクの年齢差は、じょじょに縮まっていって。
やがて、同級生の子が訪ねて来るようになった。
そのころには、ぴったりとざされたふすまの向こうで、なにが起こっているのか察しをつけていたボクは。
勉強部屋のまえを通り過ぎる見慣れた横顔を、
ちょっぴりくすぐったく、のぞき見をしていた。
申し合わせたように、セーラー服に身を包んだ彼女たちは、
ふすまの向こう、黒のストッキングを脱がされていった。

太っちょで色白のゆかりちゃんも、そのなかに含まれていた。
いつもおどおどとしていて、まるきりおぼこ娘だった彼女は、
スケスケの黒のストッキングに、太めの脛を蒼白く滲ませて、
ボクの部屋の前、ひっそりと歩みを進めていった。

いらっしゃい。
母はこっそりと手招きをすると、ふすまをそうっと細めにあけた。
すぐ目のまえで。
横たわる紺のプリーツスカートから、薄いストッキングになまめかしく染まった脚が、
戸惑うように、乱れていった。

なんどめかのときのことだった。
白のニットのカーディガンに、紺と緑のチェック柄のスカートを履いて。
寒がりなゆかりちゃんは、その日は黒のタイツを穿いていた。
視られているよ。
父にそう囁かれたゆかりちゃんは、びくっとして身を起こそうとして。
すぐに力づくで、ねじ伏せられていた。

父が妹の仲良しに手を出して、仲良し三人組を三人ながら、汚したころ。
ボクはゆかりちゃんと、結納を交わすことになっていた。
父の気に入りだった彼女は、なんども招ばれていて。
ボクは何度も、覗いていた。
あの悪戯が、じつは自分の花嫁を目のまえで汚される儀式だったのだと気づいたのは、ちょうどそのころだった。

あなたもしても、かまわないのよ。
花嫁を汚された良家のあるじは、処女を招ぶ事を許される、
ひっそりとした母の告白に、両親の過去まで垣間見させられて。
しばらくのあいだ、ボクのところには。
決まり悪げに頼みごとをしてくる幼馴染が、なん人となく現れた。
だれもがいちように、背中の後ろに庇うようにして。
はにかんで俯いた若い娘を、連れていた。

ボクがその風習を断ったのは。
いつのころだったろう?
妻となったゆかりは、それからもずっと。
父の許にかよいつづけている。
ひとの花嫁の純潔を奪うよりも。
むしろ妻の浮気心の行く先に、気をひかれるようになったころ。
母は静かにほほ笑んで、
そろそろやめどきね。
いかにもさばさばとした口調で、奥の部屋を振り返る。
かすかな声が漏れるのに。
ボクも母も、くすぐったそうに顔見合わせていた。
前の記事
許婚者の行状。
次の記事
おかわり。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/2465-c9ad599a