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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

許婚者の行状。

2011年04月19日(Tue) 09:11:08

美しい婚約者の生き血を吸われている という状況は。
あまり気味の好いものではない。
べつに未来の花婿を裏切ってセックスをしているわけではなく、
ただの献血と割り切ってしまえばよさそうなものなのだが。
素肌をあらわにして、唇を這わされる という行為は、どうしてもつきまとうわけで。
それをかりに、家の秘められたしきたりとして割り切って受け容れたとしても。
やはりどうしても、心の落ち着かない、胸騒がしい関係だった。

彼女に会いにいったとき。
ちょうど先方を訪問し帰宅したばかりのところだったときがある。
見慣れたスーツ姿の彼女。
けれども、なにかがちがう。
ブラウスの襟首には、かすかに紅いシミが散っていて、
きちんとセットした髪が、ほんのわずかだが乱れを伴っていて、
本人の態度も、さりげなく不自然さを匂わせている。
ストッキングに走る裂け目が、鮮やかなカーヴを伴って、スカートの奥にまで這い込んでいる光景などは。
もう、芸術的としかいいようがなかった。
まして、着ているスーツが、初対面のお見合いのときのものだと気づいた日には、
お見合い当日に彼女を凌辱されてしまったかのような妖しい錯覚についむらむらとなってしまって。
不覚にも、昂ぶりを覚えてしまったほどだった。

まだ、“ご乱行”の余韻もあらわに漂わせる彼女。
いつもの淑やかで上品なわたしの婚約者とは別人物のようにみえる。
血を吸われるために、嫁入り前の肌を曝しただけではなくて・・・
不埒な妄想が、わたしの理性を毒々しく汚染していった。
そういえばいつも、人知れず招待されて。
彼女はひっそりと、出かけてゆくという。
結婚したら、止しにしますから。
云いにくそうに、そう告げる彼女。
あるいは―――
名字が変わっても、お出かけは自由だからね。
そう囁いてあげるほうが、彼女は救われるのだろうか?
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