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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

「男おんな」。

2011年09月03日(Sat) 16:55:29

「男おんな」。
トオルは周囲から、そう呼ばれていた。
だって、半ズボンの下にタイツを履いて登校してくる男の子は、全校でトオルだけだったから。
周りの男女に、白い目をむけられながら。
口やかましい母親がたしなめるのにも、耳を貸さないで。
しなやかなナイロン生地の、あのぴちっとした密着感から離れられなくなっていた彼は、
きょうも黙々と、黒タイツの足取りを、学校に向けていた。
それでもひとりだけ、かれの理解者がいた。
街にひっそりと棲みついている、吸血鬼だった。

ある日の学校帰り、トオルの黒タイツの脚に欲情した彼は、銀髪をふり乱してトオルの太ももに噛みついてきたのだった。
吸血鬼に襲われるのが初めてだった少年は、むろん人なみに抵抗したけれど。
すぐにねじ伏せられて、首すじを咬まれて。
うら若い生き血を、力づくで、むしり取られてしまっていた。
それだけでは飽き足らずに、吸血鬼はトオルの黒タイツの足許にまで、とりついて。
卑猥な感じの口つきで、欲情のたぎった唾液で、真新しいタイツを染めていったのだった。

しつように舐めたり噛みついたりする初老の紳士に。
ボクのタイツを気に入ってくれている―――
トオルはすぐに、直感した。
小父さん・・・小父さん・・・
ボクの血、そんなにおいしいの?
もうちょっとでよければ、大人しく吸わせてあげるから。
生命までは、奪らないでね。
そう願う少年に、吸血鬼はひと言、タイツが似合うね、そう言ったのだ。
少年は深い瞳で、吸血鬼をじっと見る。
理解者の少ないもの同士の連帯が、合わせた目線とおなじくらい熱っぽく、結びついていた。
ボクのタイツ気に入ったんだね。いいよ。もっと咬ませてあげる。
トオルは、いままでだれにも投げなかった優しい声色になって、足許にかがみ込んでくる吸血鬼の頭を抱きかかえながら。
欲情に満ちた唇がしんなりとした厚手のナイロン生地をいたぶるのを、やめさせようとはしなかった。
トオルは彼の襲撃を受け容れて、その場の吸血を許しただけではなく、つぎに逢う約束まで交わしていた。

きょうのタイツは、やけにすべすべしているね。
学校帰りの公園で。
半ズボンの下、タイツに包まれたふくらはぎをべろでなぞりながら、吸血鬼の小父さんはきょうも囁いてくれていた。
トオルはくすぐったそうにうつむいて、笑い返すだけだった。
若い男の子の血だけではなくて。
タイツの舌触りまで愉しまれている―――
ありありと伝わってくる男の劣情に、
トオルはむしろゾクゾクとした快感を覚えずにはいられなくって。
いつも学校に履いていく黒タイツを、吸血鬼のおじさん好みのすべすべした履き心地のものに変えたくらいだった。
もっともさいしょに襲われたときのものには、ふたりとも愛着があって。
時々そのときのとおなじやつを履いていくと。
もう、貧血になるくらい昂ぶりあってしまうことさえあるのだった。
それこそなんの変哲もない、毛玉のつきそうなモサモサのやつたったけど。
アッ!ダメだッ、やめろ!やめろお・・・っ!
わざと抵抗するトオルの演技に、小父さんはまんまと引っかかって。
それは意地汚く、タイツの脚をねぶりまわして。
厚手のナイロンが皺くちゃになって、脚のまわりをよじれるほどに。
トオルの足許に凌辱を加えるのだった。

きょうも、いつもの公園の大きな樹の下で。
トオルは黒タイツの脚をさらして、吸血鬼のおじさんに血を吸わせている。
小父さんのためにわざわざ履いてきた真新しいタイツはもう、びりびりに破かれちゃっていたけれど。
先週彼をからかっている女の子たちが、厭がる彼をふたりがかりで抑えつけて、わざと彼のタイツを破いたときみたいに意地悪ではないことを、彼はよぅく、心得ている。
叔父さん、破っちゃダメっ。いけないよっ。
わざとそんなふうに、拒んでやると、
叔父さんはよけいに、昂奮してしまうのだ

まあ、こんなところで・・・
訊き慣れた女の声に顔をあげると、そこにはいまの様子をいちばん見られたくないひとがいた。
トオルの母さんは整った目鼻をかるくひそめて、息子の痴態を静かに見おろしていた。

頭ごなしに吸血鬼を叱りつけ、追い払おうとするのだろうか?
トオルのそんな懸念は、無用のものだった。
母さんはまるで学校の先生に話すみたいに、あくまでも礼儀正しかった。
あしたは大事な試験があるんです。この子。
どうしても喉が渇いていると仰るなら、かわりにわたくしの血を―――
え?ママは一体、なにを言っているのだろう?
気づいたときにはもう、上体にのしかかる重圧が消えていて、
吸血鬼のおじさんは、肌色のパンティストッキングを穿いたママの足許に唇を吸いつけていた・・・
しつようにねぶりまわす唇の下。
薄々のパンティストッキングが、くしゃくしゃにねじれて、咬み破られて、チリチリと伝線を広げていった。
母さんのパンティストッキングは、上品な透明感そのままに、母さんの知性であり気品でもあった。
それがトオルのタイツにそうされているように、他愛なくいたぶり尽くされ咬み破られて、ふしだらにずり落ちていくのを。
トオルは息を詰めて、見守っている。


よう、うちの部に入らないか?
立ちふさがった男子は、いちように半ズボンにハイソックス姿。
それが彼らの部活動のユニフォームだということは、運動に疎いトオルもさすがに知っていたけれど。
だれもがおそろいの白のハイソックスに、赤黒いシミを滲ませていた。
みんな、襲われちゃったんだ。
キャプテンがいつになく人懐こく、トオルに話しかけていた。
お前の愉しみ、ちょっぴりだけど分かっちゃったよ。
ハイソックスでよかったら、うちに入ればおおっぴらに履けるけど・・・
身体を動かすのが苦手だったら、マネージャーはどうだい?
もちろんユニフォームは支給するからさ。
マネージャーだったら、短パンの下はタイツでも構わないな。なあ、みんな?

あくまで真顔なキャプテンの首筋には、咬まれた痕がくっきりと。
遠くでおじさんが、ほくそ笑んで。背中を向けてきびすを返していく―――
行先はきっと、我が家―――
パパが許してくれたママとの交際を、彼は今夜もおおっぴらに遂げていくのだろう。
女のひとがスカートを穿くのは、好きな男性がそれを欲したとき、
すぐに仰向けになって脚を開いて。
お尻がまる見えになるまでスカートをめくられて。
腰をひとつにして、息を合わせるためなんだ・・・トオルにもおぼろげに、そんなことがわかってきた。
母さんがパンティストッキングを穿くのは、みだりにいろんな男のひとに、そういうことを許さないためだったのかもしれなかった。
小父さんは母さんのパンティストッキングを咬み破りずり降ろすのが、愉しみみたいだけれど。
これから母さんが襲われるときには、父さんが付き添うからな。
そう言われたトオルは、めったに口を利かない父さんのことを、とても頼もしく感じている。
母さんのことは父さんにまかせて。そうだ、ボクも仲間を作るんだ―――

黒のタイツをその場で脱ぎ捨てて。
おずおずと脚に通してゆくハイソックスの太めのリブが、少年らしいしなやかな肉づきのふくらはぎを、キリリと引き締めていった。
時々はタイツ履いてもいいだろう?
誰も反対するものは、いなかった。

それ以来、トオルのことを「男おんな」とからかう声は、校内から忘れ去られていった。


あとがき
こちらもstibleさまのブログを拝見しているうちに、思い浮かんだお話です。
この生地・・・じゃなかった記事は最高です。↓
「黒タイツに半ズボンの格好で外出」
http://manndokusai.blog77.fc2.com/blog-entry-379.html
陽の光を浴びたナイロンの、しなやかな輝きがなんともいえません。

あわてふためく少年くんの半ズボンの下、いたぶり尽くされてゆく黒タイツ。
気の強いお母さんの足許から噛み剥がれてゆく、肌色のストッキング。
好一対 ですね・・・?^^
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