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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

献血当番。2

2011年09月12日(Mon) 08:13:01

きのうはうちが、献血当番だったんだ。
勤め帰りに、自宅に電話をかけて。
お客さんを連れていくから、おめかししてろって、女房と娘に言い聞かせて。
家に着いたときにはもう、俺はお陀仏さ。
あいつに血を吸われ尽くしてね・・・

枯れ木みたいになってぶっ倒れた俺の目のまえで。
あいつは女房にとびかかった。
アア―――ッて、絶句して、女房は首すじを、咬まれていった。
両手を抑えて悲鳴をこらえていた娘もまた、
細い首すじをがぶりとやられて、おニューのブラウスを真っ赤に浸してしまっていた。
倒れ伏したふたりの足許に這い寄ると、
あいつはもの欲しげに嗤いながら、ふたりの足首をかわるがわるつかまえて。
ストッキングやハイソックスのふくらはぎに、それは嬉しげに唇をねぶりつけていったのさ・・・
今夜はきみのお宅の番だけどね・・・

ごほうびに人妻をひとり、娘をひとり、血をすすることを許可されて。
迷わずきみの奥さんとお嬢さんを指名したというわけさ。
そういう彼の目つきは、尋常ではなかった。
瞳の色が、紅いのだ。
けれどもそのときにわたしが、いったいなにをできたというのだろう?
すでに赤黒い痣を、首筋につけられて。
体内の血をほとんど根こそぎ、奪われてしまったあとだったから。

奥さんも娘さんも、後悔はしていないのだろう?
むしろ夜の素敵な来訪者を、愉しみにしているのだろう?
ああ、そのとおり。ご賢察恐れ入るよ。
妻の柔肌に突き立てるべき牙が、目の前で舌舐めずりをくり返す。
なにも知らない妻の足音が、近づいてきた。
肌色のストッキングのつま先で踏んづけたじゅうたんに、
今夜自分の血潮をたっぷりしみ込まされるなんて、夢にも思わずに。
両手に提げたお盆のうえ、お紅茶を淹れたカップをカチャカチャさせながら・・・
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