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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

同族。

2011年10月11日(Tue) 08:06:25

ガマンしろよな。しきたりなんだから。
真奈さんを責めたり、するんじゃないぞ。
うちの加代子だって、新婚初夜に親父に姦られちゃったんだから。
受話器の向こう、兄の声がひっそりと洩れてくる。
家族に聞かれまいとして、ひそめた声だった。

ふすまひとつへだてた、夫婦の寝室で。
妻の真奈は、紺と白の水玉もようのワンピースをくしゃくしゃに着崩れさせながら。
こともあろうに、父に組み敷かれているところだった。

この村に嫁入る女は、だれもが例外なく。
花婿の父親の褥の塵を払わなければならないというしきたりを。
都会育ちの妻に言い聞かせると。
厳格な家庭に育った彼女は、戸惑いながらも。
すべては夫に従うように。
そう教え込まれてきたらしく。
案外と素直に、頷いてくれた。

真奈は、明るく父を迎えてくれて。
気丈に振る舞ってくれたけれど。
いざそのときになって、父とふたり差し向かいなると、
さすがに戸惑いを隠せずに、いちばんしてはいけないことをしてしまっていた。
操を守るために、抗う―――という。
婦人としては当たり前のことを。

ふだんはもの静かでわきまえのあるはずの父が。
わが身を隔てようと突っ張る腕に、不覚にもわれをわすれて。
都会ふうの正装に欲情したかのように、次男の嫁を見境なくねじ伏せていった。
農作業で鍛えられた逞しい猿臂に、か細い肢体を抑えつけられながら、
むせび泣きを隠しつつ、真奈は父を受け容れて、
しまいにはワンピースのすそを揺らしながら、
都会のイケイケギャルのような激しい腰つきで、応えはじめていった。

妊娠、おめでとう。でかしたわね。
なにも知らないらしい母は、真奈とわたしを祝福してくれた。
男の子かな。女の子かな。名前はどうするの?
祖母になる女がふつうに口にする質問攻めを、浴びせてきたけれど。
私と二人きりになったとき。
母はこっそり、囁いたものだった。
いいじゃないの、うちの子であることに代わりはないんだから。
真奈さんにも、そう言っておいたわよ。
哲也との子供は、二人目からでいいじゃないって。
あなたの小さい妹のみどりだって・・・
あなたと母さんの子なんだから。

生まれてきたのは、男の子だった。
名前は父の一字をとって、つけられた。
わたしの名前とは、似ても似つかなかった。
そういえば。
わたしの名前は、母の兄の名前とそっくりだった。
そういうことだったの?
祝いの席でふと母のほうを見返ると。
母はわざとのように、視線をそらしていった・・・
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