FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

わたしの血を吸った男は、無類の女好きだった。

2011年11月21日(Mon) 07:18:53

首すじにチクリと、かすかな痛みを感じた。
吸いつけられた唇の両端から、尖った異物が皮膚に食い込んできて。
そのままずぶずぶと、根元まで埋め込まれてくる。
血を吸われる…殺されてしまう…
そんな、不吉で危険な自覚とは裏腹に。
淫らな歓びに似たものを。
皮膚の奥までもジワジワと、沁み込まされてゆく。

脳天まで痺れるほどの甘美な毒液と引き換えに、克雄の身体から血潮が抜き取られていった。
働き盛りの四十代の血液が、微かな吸血の音からは想像がつかないほどの貪欲さで、容赦なく搾り摂られてゆく。
克雄は観念したように、眼をつむった。
相手の吸血鬼は、日頃から面識のある男。
そして、無類の女好きで知られていた。
じぶんがこのまま、生命もろとも吸い尽くされてしまったあと。
遺された妻と、年頃の娘たちにどういう運命が待ち受けているのかは、言われなくても察しがついた。
しかし男は田舎者らしい律義さで。
ことばもあらわに、告げてくる。

あんたの女房は、わしのもんだ。
うちの納屋ん中さ、連れ込んで。
たっぷり可愛がってやるからのお。
娘どもも、田楽刺しだ。
嫁入り前の身体、うれしいのお。
いやというほど、慰んでやるでのお。

刺し込まれた牙が。しつように這いまわる唇が。
働き盛りの血潮を、もとめてくる。
克雄のなかで、なにかが入れ替わった。

そうしてくれ。ぜひにも、そうしてくれ。
あんたに味わわれるのなら、家内も娘たちも本望だろう。
女たちの生き血、たんと啖らうがいい。
ほんとうならわたしが生きたまま、あんたに引き合わせるのがすじなのだが。
あー、生命乞いを、受け入れてくれるなら。
あいつらが血を抜き取られるところ、この目で見届けてみたかったな・・・

願いがかなったのは、いうまでもない。
克雄の身体から吸い取った血のりをあやしたままの牙は、
喪服に身を包んだ彼の妻の胸に突き立って。
顔色が悪くなるまで、熟れた血潮を啜り取られていったし。
その場に立ちすくんだまま、悲鳴の漏れそうな口許を両手で抑えながら恐怖に耐えようとした娘たちも。
齢の順に、啖らわれていった。
その豊かな発育ぶりを、節くれだった卑猥な掌で愛でられながら。
前の記事
ライン入りハイソックスの放課後
次の記事
シュールな関係。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/2701-97c8386f