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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ライン入りハイソックスの放課後~2 全部咬み破る約束

2011年11月22日(Tue) 07:54:32

きみのハイソックス、全部咬み破ってもいいかい?
仲良くなった吸血少年の坂尻くんは、つぎの日の放課後、出し抜けに僕に訊いてきました。
クラスのみんながまだおおぜいのこっている教室のなかでのことでした。
ああ、いいよ。いつでもねだれよ。
僕がぞんざいにそう応えると、女子のあいだから拍手がしました。
音を控えて両手をぱたぱたさせるだけの、目だたない拍手。
そういえば健也や幹彦も、おなじ拍手を受けていた時があったっけ。
あのときのあいつらとおなじように、照れくさそうに笑っているんだろうな、俺―――
健也や幹彦も教室に残っていましたが、こちらのほうを見るともなく窺っていました。
ちょっとばつが悪そうにしているのを察すると、坂尻君は、行くぜ、と言って、僕を校舎の裏へと連れて行きました。
学生服の黒のズボンをぶきっちょにたくし上げて、
ハイソックスのふくらはぎのあたりを横切る真っ赤な太いラインまであらわにすると、
教室にいるあいだじゅう、ずうっと陰気な顔をしてうつむいていた彼は、はじめて白い歯を見せて笑いました。
水曜って、体育の後も授業あるだろ。
だから我慢していたんだ。
スポーツの得意でない僕は、その日も体を動かすのをずるけていて、
先生もなんとなく、僕のほうは見て見ぬふりをしていました。
彼に汚れていないハイソックスのまま、脚を差し向けてやりたかったので。

なんか、いやらしいぜ…
はじめて面と向かってそういうと、
それまで僕の足許にうずくまっていた彼は、初めて見上げてきました。
ハイソックスの生地によだれをじくじくとしみ込ませるのに、熱中していたのです。
わるいね。でも愉しいんだ。
愉しいの?
うん、愉しい。
じゃ、いいか…
僕はもう片方の脚も、ズボンをたくし上げて、彼のために差し出してやりました。

ちゅうっ。
血を抜かれる時の、無重力状態みたいな感覚に夢中になりながら。
何度も何度も足許に唇を押し当ててはハイソックスを咬み破ろうとする彼のため、
左右の脚をかわるがわる、差し出していきました。
こんど、父さんにも逢ってくれる?
ああ、悦んで。
うれしいね。父さん若い人の血を最近飲んでいないんだ。でもそのまえに僕が…たっぷりと…
血の付いた牙をわざと目の前でむき出す彼に、僕はわざと、きゃ~♪って、悲鳴をあげてみせました。
それくらい、打ち解けたようすになっていたんです。
ねぇ、僕は死んじゃうの…?
けだるい夢見心地のなかでそう呟くと。
きみの母さん、いつも薄いストッキング穿いているんだよね…?
彼は謎をかけるようにそう呟いて。
僕はあいまいに、うなずき返していました。

ハイソックスを全部咬み破らせてくれ。
その約束を賢明な形で読み解いたのは、母でした。
全部咬み破られちゃうまでは、あなた生かしてもらえるんだろうね。
そういった母はたまに都会に出かけて行っては、ラインの入ったハイソックスをなん足も買い込んできて、
僕の箪笥をいっぱいにしていきます。
さいしょに咬まれた日。
彼にねだられるままに、血の付いたハイソックスに短パン姿で、下校したのです。
周りのひとに、とうとう血を吸われちゃったって、見せつけてほしいんだ。
彼の言いぐさを守ったつぎの日から、村の人たちの僕たち一家に対する態度は、あからさまなくらい打ち解けたものになっていたのです。
赤黒く染まった僕の足許を見た母は、一瞬息を呑んで、かるくため息をして、さいごにあきらめたように微笑みました。
今夜は赤飯にしようか…?
ひっそりと問いかけてくる母に、僕はそうだね…ってうなずいて、
照れ隠しに目線を合わせるのを避けるように、勉強部屋へと向かったのです。
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