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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

傷口

2011年12月09日(Fri) 07:40:55

三か所、咬傷が認められますな。
初老の医師の事務的な口調が、妻に加えられた犯罪をさらけ出してくれた。
わたしは怒るよりもどういうわけか、ドキドキしてしまっていて。
どんな感じなの?
しきりに羞じらう妻を促して、ロングスカートをたくしあげてもらっていた。

ふくらはぎに、ひとつ。
両方の太ももに、ひとつずつ。
赤黒いあざがふたつ、綺麗に並んでいた。
まるでタトゥーを入れられた女のように。
妻は開き直ったような顔つきをしていて。
そんなもの視て、どうするの?
そう言いたげにしていた。

三人とも、ちがうひとみたい。

妻の言いぐさを、医師が肯定した。

痕が残るのは、さいしょの一回だけなのです。

あの。。。あなたは、吸血鬼の存在を肯定するのですか?

ためらいがちに、言い募るわたし。
医師は、しらっとした顔つきで、うなずいている。

病院の看護婦も全員、経験者ですよ。
夜中のナースステーションは、吸血鬼のたまり場ですからね。
家内も時々呼び寄せられて、相手をしています。
この街では、まぁそんなのは常識なのですよ。
だいたい昼間はふつうに暮らしていて、夜になると本性を見せるのです。
昼間に目をつけた女性に、夜になると挑むといいます。
じっさい、うちの家内の相手も、ほとんどがわたしの古くからの知人や親せきなのですよ。
あなたの奥さんのお相手も・・・たぶんあなた方ご夫婦の顔見知りのひとでしょうね。

顔見知りに妻を、日常的に犯されているなど、耐えられません。。
そういってうなだれるわたしに、妻は気遣わしげな目線を忍ばせて。
医師も気の毒そうに、わたしを見守っていたけれど。
ま・・・うまく折り合いをつけて。がんばってください。
突き放すように、妻の診察を終えた。
ほんとうに診断されたのは、むしろわたし自身のような診察だった。

くっきりとつけられた、三対の傷―――
夫婦のベッドのうえ。
そのひとつひとつに、わたしは唇を這わせていった。
熟れた柔肌が侵されることを、悦ぶようにして・・・
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