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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夕陽のなかで。

2011年12月30日(Fri) 10:32:49

丘のむこうに沈んでゆく、夕陽のなかで。
まるで影絵のように浮びあがる人影が、ふたつ。
少女は照れながら、スカートをたくし上げて。
オレンジ色の輪郭に包まれた脚の線を、むぞうさにさらけ出す。
肉づきのしっかりした足許にかがみ込んだ男は、
両手で押し戴くように、少女のひざを撫でまわして。
紺のハイソックスを、ゆっくりと引き降ろしていって。
ひっそりと、唇を吸いつけてゆく。
なぞるようなしつようさで這いまわる唇に。
少女は髪を揺らして、照れながら。
それでも男の行為を、やめさせようとはしない。
男がひときわ強く、唇を圧しつけたとき。
咬まれた瞬間の、かすかな身じろぎが。
長く垂らした髪を、ゆらりとさせた。

そのままの静止画像が、数秒、いや、数分―――

男は唇を放すと、ふたたび少女のハイソックスを引き上げて。
謝罪をする上目づかいに、少女は「いいのよ」っていうように、
軽く手を振って、制していた。
男は起ち上がると、少女の両肩を支えるように抱いて、
唇が触れ合いそうになるきわどい瞬間を、さりげなく受け流していった。
いつもどおりの無邪気な笑いがはじけ、少女は飛び退くように男から身を離すと。
軽く小手をかざして、男に手を振った。
男がそれに応えると。
少女はきびすを返して、いちもくさんにこちらに向かって丘を駈けおりてきた。

「待った?」
ふっくらとした頬を、ちょっとだけ蒼ざめさせて。
それでも無邪気な笑みは、消えていない。
思わずキスしたい衝動を、かろうじてこらえながら。
もういちど振り返る丘のうえに、男の影はもうなかった。
「怖かったから、振り切って逃げてきちゃったー」
全速力で駈けてきた少女はまだ、肩を息で弾ませている。
半分は嘘。でも半分はほんとうなのだろう。
ボクはあいまいに頷くと、
「帰ろ」って言いながら、さりげなく彼女の足許に目をやった。
ぶきっちょに引き伸ばされた紺のハイソックスが、ちょっぴりねじれている。
しなやかなナイロン生地の向こう側。
ふたつ並んだ綺麗な咬み痕が、さりげなく隠されているはず。
「もう~。なに見てるのよ~」
彼女はふくれ面もあらわにボクに抱きついてきて、
ボクは思い切り、頬ぺたをつねられた。

「手、つなご」
差し出された掌は、ボクの掌のなか、少しずつ体温を取り戻してくる。
無邪気に突き出されたはずの掌は、ボクの掌をせつじつに握り返してくるけれど。
彼女はなにも言わずに、あしたの部活の話なんかしかけてくる。
いつもこの時間に街をゆくお豆腐屋さんが、
―――よっ、仲良さそうだね。おふたりさん。
そう言いたげにして、自転車を揺らして通り過ぎていった。


あとがき
きのうチャットでお話したときに、こんな情景を描いてみました。
記憶を頼りに、リライトしてみます。^^
あ お話し相手は、男性のかたでした。^^
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妹だけは、カンベンしてね。^^;
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