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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

訪ねてくる少女

2012年01月21日(Sat) 09:39:41

その少女はいつも顔色がわるく、いつも俯きがちで、口数も極端なくらいすくなかった。
無理もないだろう。
都会の密室にかくまわれた俺のところには、
俺をかくまってくれている庇護者が送り込んでくる女たちが、一日一人は訪れる。
彼女もそんななかの、ひとりだった。

女たちの年齢はさまざまで、もう孫のいるという熟女もいれば、年若い未通女(おとめ)もいる。
たいがいが、身許を明らかにしないという条件でメンバーに加わった彼女たちは。
たいがいが口数少なく、それでも礼儀正しく会釈をすると、
自分からじゅうたんの上に仰向けになって、
うなじに吸いつけられてくる飢えた唇を、目を瞑って待ち受ける。
その少女もまた、そんなふうに。
紺のブレザーにチェック柄のプリーツスカート、紺のハイソックスという。
どこでも見かけるような女子学生のなりをしていて。
いつもひっそりと部屋を訪れては、目を伏せたまま。
「はい」とか、「いいえ」とか、「どうぞ」とか。
最低限の言葉だけを発して、じゅうたんのうえに身を横たえていた。

ひどく体調のわるそうなときもあったはずなのに。
俺が遠慮をして、吸いつけた唇を離して、早めに彼女を解放しようとしてやっても。
まだ・・・お気が済んでいないですよね?
俺の気分を見透かすようなことを口にして。
ブラウスのボタンを自分からふたつみっつはずして、胸元をくつろげると。
「もっと」
それ以上は口をききたくない、と言わんばかりに、かたくなに目を瞑って。
俺の欲求を満たしてくれるのだった。

脚を咬みたがる俺のために、ためらいながらハイソックスをずり降ろして、
咬まれた痕を覆い隠すように、ふたたびハイソックスを引き上げてゆく。
そんな彼女の無表情さに、むしょうにそそられるものを覚えて。
たわむれに、紺のハイソックスのふくらはぎに唇を吸いつけて。
たっぷりと唾液をしみ込ませてやったとき。
さすがに屈辱だったのか、ふくらはぎを小刻みに震わせたものの。
とうとう非難のことばひとつ発しないで、
ためらうことなく、咬み破らせてくれていた。
「すまないね」
さすがに洩らしたひと言に。
少女は「いいえ」と応えながら。
感情を押し隠した無表情のまま、礼儀正しくお辞儀をして、立ち去って行った。

人の生き血を吸うときには、きまってむらむらとしてくるものだ。
なかには訪問着を着くずれさせて、スカートの奥を汚してしまった女もいる。
けれども、獲物として十分に美しかったその少女に、
なぜか俺はその種の接し方をしようとはしなかった。
できなかった・・・というのが、正確だったのかもしれない。
か細い身体とくすんだ表情の持ち主は。
裡に毅然としたものを備えていて。
そういう不埒な願望を、寄せつけない雰囲気を持っていたから。

女たちは前触れもなく、顔ぶれを変える。
体調を崩したものもいたけれど、多くが女の側の都合によるものだった。
俺も居所を転々と変えさせられていくうちに。
何度目かの転居をきっかけにするように、少女は俺のもとを訪れなくなった。
きょう来るか、明日来るかと待ちわびながら。
俺はとうとうこらえ切れなくなって、庇護者とコンタクトを取った。
こんなことは。めったにないはずなのに。

そんなにお気に召しましたか?
でも残念ながら、もう彼女は来ません。
結婚しましたから。
そうなるまでのあいだ、たって・・・ということで、お願いした子なのです。
当然しぶりましたよ。
でもいちど承諾をすると、それは熱心にお勤めをしたでしょう?
週に二回は、あなたのところにお邪魔しましたからね。
ええ、あれは私の娘だったのです。

受話器をおいた俺は、なぜか涙していた。
せめてもういちど逢って、お礼というものを・・・言ってみたかった・・・
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