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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

異装届。

2012年03月13日(Tue) 08:12:43

                 異  装  届

                                 二年B組 三好 ケンジ

下記理由により、右の者当分の間女子制服を着用して通学することを届けます。

                    記

理由  婚約者宝井華絵の代理人として献血行為を行うため。

                                       以  上
                        
                          保護者  三好 清江  印


ほら、華絵ちゃんのセーラー服だよ。きょうからこれを着て、学校に行きなさい。
母さんが差し出したセーラー服は、ぴっちりとアイロンがけされていて、きちんと折り畳まれていた。
アイロンがけをして折り畳んだのは、華絵さん本人なのだろうか?それとも評判の美人のお母さんなのだろうか?
ちょっと着古されているところが、かえって華絵さんの知的な風貌を彷彿とさせる。
華絵さんのあの華奢な身体つきに、自分の身体で輪郭を添わせる・・・
思わずドキドキしてきたボクは、セーラー服の襟首に三本走る白のラインに目が行くと、あわてて目をそらしていた。
羞ずかしいのかい?でも、お隣のオトヤくんも、あなたと仲良しのタカオカくんも、みんな経験していることだからね。
母さんは僕が目にしたものが目に入らなかったのか、見当違いのことを口にする。

ふぁさ・・・
目の前でそよぐ濃紺のプリーツスカートが、重たいひだを広げた。
僕はそのなかに恐る恐る片足を突っ込んで、すぐにもう片方の足も、スカートの輪の中に踏み入れた。
初めてかぶったセーラー服の生地の匂いが、まだ鼻先をムズムズとさせている。
ヘンな感じ―――
偽りなく、そんな気分だった。
腰のまわりでひらひらするスカートも、白のラインにあちこち縁どられたセーラーブラウスも。
僕はだんだん、女の子になってゆく。
湧き上がってくる妖しい想いにうっとりとしかけて、はじめてどきりとした。
いいのかな。こんなことにはまっちゃって。
とどめの一撃が、黒のストッキングに脚を彩る行為だった。
慣れない手つきで、破らないようにとおそるおそるつま先を合わせたナイロンは、
ひどくふにゃふにゃとしていて、とらえどころがかなったけれど。
傍らから母さんが、手取り足取り教えてくれたように。
つま先の縫い目を爪に食い込ませるようにして、足首をくるみ、脛のうえへとひっぱりあげると、
みるみる墨色に染まってゆく自分の脚が、まるで自分の脚ではなくなっていくようだった。

セーラー服の襟首にかすかに残された、赤黒いシミ―――
華絵ちゃんももう、血を吸われちゃっているんだね?
そうよ。あなたが血をさしあげるのは、華絵ちゃんの血を吸っているお方なのよ。
その人は僕にとって、敵なの?友だちなの?
もちろん、敵よ。そして大事なお友だち。
わかった・・・?
なにもかも知り尽くしているのよ・・・
母さんはそんな顔つきをして、少女のようにイタズラっぽく笑っている。


あとがき
1月31日ころに描いた、蔵出しです。
このごろやけに、蔵出しが多いな。
蔵があるんだから、まあいいか。 笑
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