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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

献血まえの、女学校

2012年03月17日(Sat) 14:34:42

あっ、おニューのタイツ履いてきた!朝から気合い入っているじゃんっ!
登校する道すがら、同級生のゆかりに、セーラー服の背中をどしん!とどやされて。
初美は照れ隠しに、「もぅ~」と言って見せた。
「だって、穴ぼことかあいていたら、かっこわるいじゃん!」
白い歯を見せてウキウキと、それでも歩みを進める足許は、
おニューのタイツのせいでいつも以上にきりっとしたオーラを放っている。
けれどもゆかりは、なおも追及の手を緩めない。
「穴だったら、もう開いているクセに~」
ふたり連れ立ってのかえり道、太ももに血をにじませながら、べそを掻いてセーラー服の肩を並べたのは、もう何か月もまえのこと。
いまではもう、笑い話になっている。
生真面目な初美は、むきになって抗議した。
「そっちの穴じゃないって!タイツの穴だって!」
「えっ?な~に?なんの話」
割って入ってきたのは、ふたりと仲良しの晴子だった。
セーラー服の胸まで垂らした黒髪を、きりっとした三つ編みのおさげに結わえている。
「ゴメン、ゆかり。あたしもきょうの放課後当番なんだけど・・・ストッキングの穿き替え忘れてきちゃった」
「あっ、いいよいいよ!あたし二足持っているから」
「二足持ってきたって・・・二度咬まれるつもりできたの?^^」
初美を責めたてていたゆかりが、こんどは赤くなる番だった。
「んー、だってセーラー服の襟こないだ汚しちゃったし、脚にしとかないと学校に着てくるやつがなくなるんだもの」
こんどはゆかりが、口ごもる番。
そんな晴子に、こんどは初美が口をはさんだ。
「晴子・・・きょうは化粧濃いね」
「え・・・っ?^^;」
こんどは晴子がたじろいで、相方のふたりの娘は、くすっと笑った。
「だって~、今朝は肌荒れがひどかったから・・・」
三人はおそろいのセーラー服の襟をそびやかして、ちょっと黙ったあと、
「まあ、いっか♪」
だれ云うともなくそういって、黒く装った脚をそろえて、校門の奥へと消えてゆく。

きょうの放課後。
吸血鬼たちはこの女学校を訪れて。
女学生たちは、出席番号順に呼び出されて。
「吸血当番」なるお勤めを、強いられることになる。

さっきの何気ない会話のなかから、そこまで聞き取ることのできたものは。
きっと、わざと聞き流していくのだろう。
ちょうど彼女たちの仲間が、ノーストッキングで下校して来たり、
渡した胸元のリボンがないのを気にしぃしぃ、校門から出てきたり、
そんな風景もまた、道行くだれもが、知らん顔をして通り過ぎてゆく。
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