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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

血を吸う従姉

2012年04月05日(Thu) 00:00:28

純白のスカーフをたなびかせて、章子が行く。
濃紺のセーラー服に、黒のストッキング。
ごくふつうの女学生と映る彼女は、吸血鬼になったばかりの十七歳。
少女らしからぬ無表情と、ちょっと蒼ざめた頬だけが、彼女が常人ではないことをほのめかしているものの、
そのほかは何らふつうの少女と変わらない。
実際、つい二週間まえまでは、ふつうの少女だったのだから。

やあ、いらっしゃい。
表向きはにこやかに迎えてくれた、叔父夫婦。
父親に、弟のところに行きなさい、そういわれて訪れた親戚の家は、都会の洋館だった。
齢よりも若作りな叔母も、いかにもあいそよく迎え入れてくれたけれど。
その実吸血鬼になったという親戚の娘に対して、警戒心ありありのていだった。
以前から―――そんなに親しいつきあいではなかった。とくに叔母とは。
その叔母は、あくまで親しげに、章子に語りかけてきた。
章子ちゃん、吸血鬼になっちゃったんですって?でも全然わからなかったわ。

あら、いやよ。叔母さんは遠慮しとくわね。
ふわりとした水玉もようのスカートをひらひらさせながら、叔母はわざとのように夫の後ろへと身をひるがえしてゆく。
でもあなた、処女の生き血がお好みなのよね?
そう、章子が血を吸いに来た相手は、この家の娘―――彼女にとっては従妹にあたる、十四歳の華絵だった。
華絵は叔父と、亡くなった叔母とのあいだの娘。
いまの叔母にとっては、なさぬ仲の関係だった。
きっとまま娘がうとましくて、わざとあたしに血を吸わせるんだ。
―――行けばわかるさ。
言いにくそうにそういった父の曇った顔が、いまさらながらに思い出された。

華絵ちゃんは―――?
章子が問うと。
あら、あら。ごめんなさい。華絵さんはまだ学校なの。ごめんね。じゃあ叔母さん、ちょっと買い物に行ってくるから。今夜は戻りませんから、あとはお好きなように―――
あくまで叔母にとって、華絵は自分の娘などではないらしい。
「華絵さん」という他人行儀な呼び方で、彼女はあからさまにそう告げていた。
いかにもうきうきと、愉しげに。継娘の将来を売り渡すと。
女は無責任に、背を向けた。

叔母がそそくさと、出ていくと。
叔父の惣蔵と、ふたりきりになった。
妻がいなくなると、それまで口数の少なかった叔父の態度が、がらりと変わった。
あんた、わかっているのかい?娘を売り渡す気分なんだぞ?
いかにも小心者のサラリーマンらしい惣蔵は、卑屈な表情のなかに鬱積した昏さをもっている。
娘を奪われる―――そういう悲痛さとはまた、ちょっと異質な感情が流れているのを、章子は敏感に見て取った。
今回の話、女房はひどく乗り気だったんだがね。
―――アラ、いいじゃない。章子さんが吸血鬼になったなんて。これもなにかのご縁だから、ねぇあなた。あの子に、華絵さんの血を吸ってもらいましょうよ。
こともあろうに本人のまえで、恥知らずな女はそういったという。
むしろ父親にとって意外だったのは、華絵の態度だった。
色が白いばかりが取り柄の華絵は、そんなに悧巧そうでもなく、美しくもなく。
だまって両親の会話を聞くともなしに聞きながら、ほとんどは自分で作った食事をつづけていたけれど。
おもむろに顔を上げると、おずおずと、言ったのだという。

章子お姉ちゃんのためになるなら、あたし血を吸われてもいい。

叔父の口から口伝えに華絵の肉声を耳にすると、章子のなかでピクン!と、感情が波だった。
どす黒いような、生温かいような。後ろめたいような、有頂天になりそうな。ひと言ではいえない感情だった。
―――かわいそうな華絵ちゃん。追いつめられちゃったんだね。
片方でおなじ年ごろの少女に対するそんな憐憫を感じながらも。
少女が身に帯びた新しい本能は、べつの息吹も吹きかけてくる。
―――ナンテ好都合ナノカシラ。自分カラアタシノ牙ニカカリタイ・・・ダナンテ。
引き結んだ唇の奥に隠した生え初めの牙が・・・・・・声をあげたいほど露骨に、ずきずきと疼いた。

聞いているのかな?
叔父の声がちょっぴり、尖っている。
え・・・?
顔をあげた章子のまえ、惣蔵は小太りな身体をめいっぱい、そびやかしている。
こっちは、手塩にかけたまな娘をあんたにくれてやろうというのだぞ。
「手塩にかけた」だなんて。叔父様にそんなことを言う資格があるのかしら。
親戚とはいえ、その「まな娘」を。
むざむざと、吸血鬼のもの欲しげな毒牙にかけようとしているんだから。
しかし叔父のいうことは、どうやらそういうことではないらしい。
恥知らずな男は、十七歳の姪娘のまえで、いい放ったものだった。

わしにも、あんたに分け前をねだる資格があると思うんだがね。

思わず息を呑み、潔癖そうに頬を引きつらせる―――
予期した通りの姪の反応に、にんまりとほくそ笑むいやらしい中年男が、すぐ目の前にいた。

章子はすでに、処女ではない。
処女の生き血をたっぷり愉しまれて、もうじき吸い尽くされちゃおうという晩に。
夜な夜な彼女を訪問してくる男のために、章子は処女を散らしていった。
そう。ちょうどいま着ているセーラー服に。
真夜中というのに、男を悦ばすために、わざわざ着かえて装って。
どうせ犯されるなら、少女としての正装を選んだのだった。
以後しばらくのあいだ、少女はうっとりとなって、吸血鬼にもてあそばれるままになっていたし、
彼にそそのかされるまま、実の父親の性処理の相手すらつとめたことがあった。
そのすぐ隣の部屋で。吸血鬼に犯される母親が、随喜の声をあげているのを。
もっと罪深い近親相姦という禁域を冒した少女は、じぶんの冒している背徳を棚にあげて、いとわしげに眉を寄せつづけていた。

ひたすら身を固くして、一方的な行為を受け入れる章子に対して、
惣蔵はこれでもかとばかり、劣情を募らせた。
耳たぶにあたる熱っぽい息遣いは、饐えた中年男の不健全な濁りをにじませてくるだけだったけれど。
逆立った異物を突き立てられる内またを、それでも生理的に熱くほてらせながら、少女は行為に応じていった。
親戚の娘を犯す―――
その行為の異常さに酔い痴れるように。
惣蔵はセーラー服の少女を犯し、辱しめつづけていった。
目をつむった章子が想うのは、ただひとつ―――
無責任な親たちによって気前よくあてがわれるはずの清冽な血潮の持ち主が、もうじき下校してくる・・・ただそのことだけだった。

華絵は寄り道をせず、まっすぐ家に帰ってきた。
自宅の玄関の前だというのに、みずから服装検査をするように。
胸元のリボンの結び目を、ほっそりとした指先で軽く直して。
襟首がめくれあがっていないか、背中に手を伸ばして探り寄せて。
プリーツスカートのひだを、指を目いっぱい伸ばした掌で、さらりと撫でつけて。
黒のストッキングにひきつれがないか、脚をくねらせながら、じいっと目を凝らして点検をして。
りぃん・ろぉん・・・
鳴らしたインターホンに、なかの空気がこわばるのを、華絵はちょっと小首をかしげてドアの向こう側の反応を待った。

惣蔵はあごをしゃくった。
股間の濡れが、まだお互いに収まっていない。
こういうときにも、逃げるのね。おじ様―――
少女は怜悧に、この小心そうな中年男を軽蔑と憐憫の目で見つめると。
おじさまはもう、隠れていて頂戴。
できればもう、出て行って!
身づくろいもそこそこに背を向ける叔父の背中を押すようにして、裏口から押し出していた。
そうして、自身のセーラー服をさっと撫でつけて手早く身づくろいを済ませると、従妹の待つ玄関へと向かった。
ドアの脇のすりガラス越しに、自分よりもすこしだけ背丈の低い少女の影が、息を凝らして待ち受けている。

玄関を開けてくれたのは、章子姉さんだった。
遊びにくるたび、きょうだいのいない華絵は、いつも実の姉のようになついてたけれど。
きょうもまた、そのいつものように、
「あ~、章子姉さんだ~」
あまり頭のよくなさそうな、蓮っ葉な目鼻をゆるませて、能天気な声で従姉を出迎えた。
章子は挨拶抜きで、従妹を引っ張り込んでいた。

やだ!なにするの!?
聞いているでしょ?あたしのこと。
ええ、ええ。聞いているわ。でも章子姉さんお願い。怖くしないで・・・
華絵の哀願はもっともだったが、章子は喉をからからにしていた。
まして、華絵の父に踏みにじられた屈辱の刻が過ぎたばかりだった。
吹きつけるような復仇の衝動と、灼けつくような渇きとが、章子に激しい行動を強いていた。
章子は有無を言わせず従妹を、彼女の勉強部屋に引きずり込むと、部屋のなかから鍵をかけた。
これでよし・・・と。
獲物を狙う女吸血鬼は、ちかりと冷たい微笑みを浮かべていた。

聞いているのね?あたしのこと。
おなじ問いをもういちど、年端のいかぬ従妹に発すると。
ええ・・・ええ。
ちょっと涙目になりながらも、華絵はけなげにもこくりと頷きを返してきた。
じゃあ、あたしに血を吸われても、かまわないっていうのね?
ええ・・・ええ。
気の利かないたちの少女は、ただおなじ答えをくり返すばかり。
あなた・・・処女?
大胆すぎる質問に、華絵はこくりと頷いた。
エエ・・・処女。
「処女」という言葉を自分でくり返すと、初めて華絵はスイッチが入ったように、よどみなくつぶやいた。

章子お姉ちゃんが吸血鬼になったってパパに聞いて。
あたしの血を吸ってもらいたいってパパとママにお願いしたの。
あたし、章子お姉ちゃんになら、血を吸われてもかまわない。
よろこんで、お姉ちゃんの奴隷になるわ。

豊かな黒髪がセーラー服の襟に、ふぁさっとかかる。
章子は三つ年下の従妹に、はじめて娘くささを感じていた。

じゃあ、そこに座るのよ。
章子の指差したのは、部屋の隅っこの畳のうえ。
ええ、いいわ。
華絵は黒ストッキングのつま先を浮足立たせるようにして、指されたところに足を運ぶと。
自分から、きちんと正座をして、従姉を見あげた。
脚を崩して。
ええ、こうかしら?
スカートの裾からのぞく脛が、黒のストッキングに蒼白くにじんでいる。
なまめかしく染めた足許に、屈み込んできた章子の唇が、すかさず吸いつけられた。

きゃっ。

華絵がくすぐったそうに声をあげ、姿勢を崩す。
そんな華絵の腰周りに腕を回して、章子は行為をつづけていった。
ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・
初々しいふくらはぎを淡い薄墨色に染めた薄地のナイロンが、圧しつけられた唇の下しわを波打たせ、白い皮膚の周りでよじれてゆく。
憧れの章子姉さんの唾液がストッキングにしみ込んで、自分の足許を濡らすのを。
華絵はうっとりとした目で、見降ろしていた。

女学生の誇り、あなたにはないの?
え・・・?
華絵はいった。
女学生の誇りは、あたしにもあるわ。
かすかな昂ぶりが、応えを返す華絵の息遣いをはずませていた。
制服を着たままイタズラされそうな今、あたしも女学生の誇りを感じたわ。
だれだって、汚されなくない・・・って思うでしょ。
お姉ちゃんがあたしの誇りを辱しめたいのなら。
あたしも女学生の誇りを持つわ。
女学生の誇りを章子お姉さまに辱しめてもらうのが、あたしの歓びなの。
つぎの瞬間。章子の胸を、どす黒い衝動がつきあげた。

ぁ・・・
章子が、華絵の首筋に、噛みついている。
華絵はおとがいを仰のけて、従姉の行為に応えていた。
ちゅー・・・
つよくつかまれた肩に、章子の指が食い込んでいた。
学校帰りの少女は、身動きもならず、十四歳の処女の生き血を吸われつづけた。
華絵はうなじをふらふらとさせ、そのつど従姉のしつような唇で吸いつづけられて。
しまいに白目をむいて気絶して、ひっくり返った。
それでもなお、華絵のセーラー服の両肩は解放されることはなく、
ただ飢えた女吸血鬼の渇きを、飽かしめるだけだった。
お行儀悪く喉を鳴らして自分の血を飲み耽る章子の髪を撫で、指先でもてあそびながら。
華絵は吸血されているあいだ、どこまでも能天気に、微笑みを絶やさなかった。

ほ、ほ、ほ・・・
起きあがった章子は、吸い取ったばかりの血を口許にあやしたまま、随喜の笑み声をあらわにしていた。
声にも表情にも、人間ばなれした妖気をにじませながら。
身を売ってまで獲た、処女の生き血。
おなじ血統の少女の生き血は、彼女の喉になじんでいた。
女はうら若い従妹の素肌に唇をあてがい、吸いまた吸った。
華絵ちゃん、うれしいわ。あなたの青春を、ぜんぶちょうだい。
あたしがたっぷり・・・味わってあげる。
あたし喉渇いたの。これからは華絵ちゃんの血で、渇きを癒すわ。

気絶して倒れた華絵のセーラー服の胸元から、純白のネッカチーフをむしり取った。
記念にもらっておくわ。
少女はそう呟きながら、むしり取ったネッカチーフを口に含んだ。
吸い取ったばかりの少女の血潮が、バラ色のシミとなって、ネッカチーフにしみ込んでゆく。
むしり取られたネッカチーフに、持ち主の血潮をしみ込ませながら。
章子はいつまでも、喜悦のうめきを洩らしつづけていた。


(4/7追記)
このお話についての簡単なかいせつを、おなじ日にあっぷした下記記事に描きました。
併せてお愉しみください。
「ブログ拍手♪ ~血を吸う従姉」
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