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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

一家供血。

2012年04月29日(Sun) 06:17:21

これが、奥さんのやつ。
男がポケットのなかから、肌色のストッキングを一足引っぱり出して、目の前にぶら下げる。
家内の脚から脱がせたらしい。
ふやけたようにしわくちゃになったそれは、だらりと垂れさがり、あちこちに赤黒いシミを拡げていた。

これが、お嬢さんに脱いでもらったほう。
男はポケットの中からもう一足、黒のストッキングを引っぱり出して、これも目のまえにぶら下げる。
娘は、学校帰りだった。
知的で清楚な翳りで娘の足許を染めていた薄手のナイロンも、やはり家内のとおなじように、
だらりとふしだらにつまみあげられた指の下、だらりと力なくぶら下げられている。
色こそ目だたなかったものの、あちこち咬み破られた痕が、そこかしこに滲んでいる。

さ、こんどはあんたの番。
男がわたしの足許にかがみ込んできたのに合わせて、
わたしの手はひとりでに動き、スラックスをたくし上げていた。
足許をうっすらと染める、ストッキング地の黒のハイソックス。
紳士用なのに、照明の下ぎらつく光沢が、やけに毒々しい。

うふふふふふっ。
男はくすぐったそうにほくそ笑むと、ハイソックスのうえから、唇を吸いつけてきた。
くちゅっ。
生暖かい唾液を帯びた柔らかい唇が、薄いナイロン生地ごしに、グッと力を籠めてくる。
ストッキング地のハイソックスの舌触りを愉しむように、しばらくの間にゅるにゅると。
撫ぜるように舌を、這わせてくると。
吸いつけた唇に、いっそう力を込めて。
ぱりり・・・
ぶちぶちっ・・・
かすかな音をたてて、ハイソックスを噛み破っていった。

案外、あんたの靴下を破くのが、いちばん愉しいかもな。
男の勝手な言いぐさも上の空で、失血に頭がぼうっとなったわたしは、
ぼんやり滲んだ天井の木目を、焦点の合わなくなった目で見あげつづけていた。

じゅうたんの上にうつぶせになって。
なおもしつように唇を吸いつけてくる男に、ハイソックスのふくらはぎを愉しませながら。
目のまえに投げ捨てられた妻のストッキングが、視界に滲んでいる。
ところどころ裂けた薄手のナイロン生地に、ねばねばと光る粘液の淫らな輝きが、絡みついていた。
妻の身に起こったことを想像し、思わず勃起を感じると。
男はそれを察したように、呟いた。
お嬢さんもそろそろ、潮時だね―――

好きなようにしなさい。
娘の婚約者の生真面目な顔を思い浮かべながら、わたしは苦笑いを浮かべている。
彼が、エスコートすることを承諾したんだね?
ああ。
肯定のしるしに、彼はふたたび鋭利な牙を、わたしのふくらはぎに淪(しず)めてきた。
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