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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女学校の日常  ~ストップウォッチ~

2012年06月05日(Tue) 07:00:42

~はじめに~
先日あっぷをした「女学校の日常」の一風景です。



ここは深夜の教室。
大多数の生徒はすでに帰宅していたが、なん人かの生徒たちはまだ、居残りを命じられていた。
深夜に訪れる来校客に、若い女性の生き血を提供するために・・・

真っ暗な廊下には、教頭先生と担任の女教師。
そのすぐ傍らに、体操着姿のふたりの生徒。
教室のなかには灯りが薄暗く点されていて、制服姿の少女がふたり、来校客の相手をしている。
来校した吸血鬼は二人。その二人の相手をするのに、人数分の少女があてがわれたのだ。

こういう饗応は、何度やっても慣れるものではないらしい。
少女たちは戸惑い怯えながら、黒髪をふり乱しながら教室のなかを逃げ回り、吸血鬼どもは彼女たちを手慣れたやり口で、獲物たちを追い詰めていった。

体操着の少女たちは、怯えるクラスメイトの姿を目にして、面白そうに白い歯を覗かせた。
「やるやる♪」
「遙香ちゃん、つかまっちゃうね♪」
「あっ噛まれちゃった♪」
「痛そう~♪」
遙香ちゃんと呼ばれたおさげ髪の少女は真っ先にセーラー服の肩をつかまれて首すじを咬まれ、「ひいっ」と悲鳴を洩らしてのけ反っていた。
真っ白な夏用のセーラーブラウスにバラ色の飛沫がほとび散り、濃紺の襟首に走る白のラインも赤黒く塗りつぶされていった。
「あー、優香ちゃんも、絶体絶命♪」
「優香ちゃん、肌きれいだよね♪」
口々に声をはずませる少女たちの声の向こう、もうひとりの少女もやがて、セーラー服の肩を捕まえられて、ショートカットの黒髪を揺らしながら、猿臂に巻かれていった。

首すじを咬まれた三年生の徽章をつけた少女は、「きゃあっ」とひと声悲痛な叫びを洩らすと、その場にひざを突き、四つん這いになり、さいごに教室の床にうつ伏せになった。
いっしょに血を吸われたべつの少女は、とっくに気絶して、苦悶の声を洩らしつづけるクラスメイトの傍らで仰向けになっていた。
ふたりの吸血鬼はなおも少女たちの身体におおいかぶさって、キュウキュウとあからさまな音を立てながら、しつような吸血に耽っている。
静かになったクラスメイトの傍らで切なげなうめき声をあげつづける少女も、とうとう声を失った。
失血のあまり、絶息したのだ。
血の気のない鉛色の頬の下、相手の男はなおも少女を抑えつけて、細いうなじに牙を埋めつづけているし、
もうひとりの獣は、うつ伏せに伸びた黒のストッキングのふくらはぎにとりついて、薄手のナイロンごしに唇を這わせながら、制服の一部である薄い靴下を、不埒にもブチブチと噛み破っていった。

優理ちゃん、2分37秒。
遙香ちゃん、4分16秒。
ストップウォッチを手にした体操着姿のふたりの少女は、担任の先生を振り返ると、二人の同級生が噛まれてから気絶するまでのタイムを、無表情に告げた。
「優理ちゃんはきのうに引きつづきだから、早かったね。」
生徒たちと理科の実験結果を見守るように、教師たちの声色も冷静そのものだった。

どうします?まだ吸わせます?
さすがに気がかりそうな声を教頭先生に向けた担任の先生は、四十代の女教師。
そうですね。もう少しなら大丈夫でしょう。
冷ややかな応えをかえす教頭先生も、
「ではそうしましょうね」と体操着の教え娘たちを顧みる女教師も、
首すじにあからさまな噛み痕を、赤黒く滲ませているし、
「じゃあこれから、美術の課題もやっちゃいますね」
と、画用紙に鉛筆でデッサンを走らせる体操着の少女たちもまた、
細いうなじを覆う初々しい肌に、どす黒い痣をふたつ、毒々しく浮かび上がらせていた。

あ、あ、あ・・・
気絶した少女の片方が、たまりかねたように無意識な声を発した。
お約束ですよ・・・
担任の女教師が、さすがに気がかりそうな声を投げると、
制服姿の少女たちにおおいかぶさっていた獣どもは顔をあげ、
そして犠牲者たちのうえから未練たっぷりに起きあがった。

それでもまだ喉が癒えないのか、あたりの床を浸した血だまりを、なおも意地汚く舐めつづけている。
ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・
静かになった教室に響く舌なめずりの露骨な音に、体操着姿の少女たちは、
「きれい」
「おいしそう」
と、口々に囁きながら、同級生たちを襲った惨劇に、面白そうに瞳を輝かせる。

ほら、あなたたちも行きなさい。
女教師は生徒ふたりの背中を押すと、教室の扉をがらりと開いた。
「えっ!?」
「きゃあっ」
新たに投げ込まれた生贄に、二匹の獣は目を輝かせて飛びついて。
両手で口許を蔽う少女たちの首のつけ根に、相次いでがぶりと食いついた。
「きゃあ~っ!!」
「い、痛あいっ・・・」
ふたりの少女が絶息して、さっき血を吸い取られたクラスメイトたちのすぐ隣にひざを突いてしまうのに、二分とかからなかった。

3分44秒と、4分55秒。
ふたりの少女から取り上げたストップウォッチを、冷静に読み取る女教師。
堀井くんは、さすがに陸上部だね。
きょう一番長くがんばった体操着の少女に対して、教頭先生が賞賛の呟きを洩らしている。

「4人の家族に、連絡を取ります。引き取っていただかないと、ひとりでは帰れませんから」
赤い縁のメガネをキラリと輝かせて、女教師が無表情に背中を向けようとしたとき。
教頭先生は彼女の背後からいきなり抱きついて、
「あれ!なにをなさいます!」
さっきまでの冷静さをかなぐり捨てて声を荒げる女教師を、強引に教室のなかへと追いやっていった。
「家族への連絡なら、私がするよ」
冷ややかな薄哂いをした上司に、応えるように。
「ぎゃあ~っ!」
女教師の悲鳴は、優雅さとたしなみを少々欠いているようだった。


ウン、大丈夫。ひとりで歩けるよ。
いちばん長く吸血に耐えた陸上部の少女は、勤め帰りに学校に立ち寄った父親に支えられながら、それでも気丈に立ち上がった。
紺色のブルマーの下、白のハイソックスにはべっとりと、赤黒い血のりを光らせている。

タクシーすぐ来るからね。
おだやかな声色の母親に髪を撫でられながら、いちばん早くにのびてしまった制服の少女は、両手で顔を蔽ってうつむいていた。
血を吸われたのがショックだったのかね?
いいえ、先生からタイムを聞いて、がっかりしているんですよ。でも昨日もですからねぇ。
母親の声はあくまでも柔らかく、テストの点数が悪かった娘をかばうような口調だった。
菅野くんは、美人だからね。もてる女は大変だな、おい。
教頭先生も笑いながら少女の肩をぽんとたたいて、肩をたたかれた少女は、顔を蔽いながらかすかにうなずいている。
ハハハ・・・
教頭も母親も、少女の反応にあっけらかんとした笑い声をあげている。

深夜の学園。
迎えのタクシーやマイカー。歩いて帰る母娘。
三々五々に散っていくと、教頭先生は半開きになった空き教室の扉の向こうを覗き込む。
塗りつぶされたようないちめんの闇のなか。
かすかなうめき声が聞こえてきた。
教え娘たちが黒のストッキングやハイソックスを噛み破られたおなじ床のうえ。
担任の女教師は知性的なガーター・ストッキングの脚を拡げた格好で、
代わる代わるのしかかってくる吸血鬼に、性の奉仕をつづけている。
容色のやや衰えた頬を、淫靡に輝かせながら。

あしたはどうやら、学級閉鎖のようだね。
血を吸われて欠席届を出した女子生徒は、16人。
担任の先生も失血のため、欠勤。
それとも、残りの子たちだけでも集めて、来校客の相手をさせようかな?
不埒な劣情を満たされて随喜の声をあげる獣たちを闇の彼方に透かして見ながら、教頭は優しそうな微笑を泛べていた。
来春になったら・・・菜穂も進学するからな。
すっかり年ごろになったまな娘の名前を、口にしながら・・・
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密室の侵入者を前に、度を失った少女。
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応援。

コメント

非常にいいですね^^
この頃の世間は「女の子」つまり若さばかり持て囃されますが、大人の女性の良さも劣るわけではないと思うのですが、柏木さんはその辺りよくわかってらっしゃるように感じました。
評論家気取りで申し訳ありません
しかし今回はそのあたり〔女教師に〕グッと来たもので……
by ghosx
URL
2012-06-05 火 13:04:06
編集
>ghosxさま
お久しぶりです~。(*^^)v

>女教師
ソコに来ましたか! 笑

主人公は確かに少女たちなのですが、そのテの話の引き合いにオトナの女を出すと、いつの間にかそちらに比重が移っちゃうことはたしかにありますね。
(^^ゞ

教える立場にあるはずの女性がいざとなると、
>優雅さとたしなみを少々欠いている
振る舞いに走っちゃうというあたりは、ちょっと描いてみたかったのです。
そういう素直な?ところは、血を吸われる教え娘たちの体調を気遣うあたりともども、ちょっぴり気に入っております。^^
by 柏木
URL
2012-06-05 火 22:27:14
編集

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