淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
密室の侵入者を前に、度を失った少女。
2012年06月05日(Tue) 07:31:16
「えっ!?・・・どうしてここにいるっ!?・・・どうやって入ったっ!?」
両手で口許を抑えて驚愕する、制服姿の少女のまえ、だしぬけに現れた吸血鬼は、意地悪そうにほくそ笑んでいる。
用心深く道を変えて下校した少女は、無事に家にたどり着いてほっとひと息ついたばかりだったのだ。
教室のどこかから聞き耳を立てているらしい吸血鬼を欺くために、「帰りに公園の花を見ていくね」と、嘘の予定を聞こえよがしに友だちに喋ってみたり。
欠席するはずの体育の授業のあいだ、教室に居残って自習をせずに、みんなの見学をしてみたり。
路地裏に立った黒い影を出し抜いて自転車を全速力で走らせたり。
勇気と知恵は、少女に安全な帰り道と無事の帰宅を約束したばかりのはずだったのに。
でもげんに、目のまえにあいつはいる。
それも、絶対安全なはずの自宅のリビングに!
引っ越してきたこの街は、人間と吸血鬼とが、仲良く共存していた。
父親の勤務先のOLは、全員定期的な献血に応じていたし、
留守を守る人妻は、陽の光が平気だという吸血鬼を、真っ昼間から招待する。
まして女学校は、かっこうの血液提供場所だった。
そんな雰囲気にも、次第に慣れて。
両親が血を吸われていたのも薄々知っていたし。
いつかは自分も血を吸われるのだという自覚は、すでに彼女のなかで育ってはいたものの。
「やだっ、ちょっと待って・・・心の用意ができてないっ。」
目のまえの光景を打ち消すように片手を振って、少女は懇願をくり返した。
そんな少女の気持ちをすべて察したように、吸血鬼はなおも隔たりを詰めてくる。
リビングの入り口と、対面のソファとの距離感は、いつの間にか。
アンチークな書棚の隅と、そこから手を伸ばせば胸に触れるほどの近さに狭まっていた。
少女の背丈よりも高い本棚と壁とに挟まれるようにして。
とっさの声も出なくなった少女は、喉の奥で悲鳴をこらえている。
知恵比べに勝ったご褒美は、遠慮なく頂戴するよ。
薄笑いを泛べた唇が、少女のうなじに触れて・・・唇の両端から覗いた鋭利な牙が、なめらかな皮膚を突き刺した。
ああッ!!
絶望的な叫びをあげる少女を抱きすくめると、侵入者は咬みついたままの牙をずぶり!と、根元まで、少女のうなじに埋め込んだ。
つけられた傷口からばら色のしずくがしたたり落ちて、セーラー服の白い襟首を浸した。
あ・・・あ・・・あ・・・
引きつったうめきを洩らしながら、少女は背にした本棚にもたれかかりながら、姿勢を崩していった。
そのあいださえ惜しむように、吸血鬼はチュウチュウと音を洩らしながら、少女の生き血を吸い上げてゆく。
お願い殺さないでっ。
言うべき言葉を口にすると、少女は返事も待たずに気を失った。
腕の中でだらりとなったセーラー服姿は、体重を増したようだった。
その何分の1かは、獲られる血の重さ。
う、ふ、ふ、ふ・・・
吸い取った血潮を牙にあやしながら、吸血鬼は少女の顔を愉しげに覗き込んで。
やっと念願かなって、処女の生き血にありつけた。
ボーイフレンドができてからでは、遅いからね・・・
静かになった少女の耳もとに、そう囁くと。
なおもほくそ笑みながら、笑み崩れた唇を、まだ咬んでいないほうのうなじに吸いつけていった。
じゅうっ。
重苦しい音とともに噴き出た血潮が、真っ白なセーラー服の胸のうえ、ぼとぼととほとび散る。
あとは、押し殺すような、吸血の音―――
半開きになったドア越しにリビングでの惨劇を覗くのは、少女の両親。
娘の受難を前に、彼らの口調はごく冷静だった。
あんなに吸われちゃって・・・どうやらお気に召したようね。まゆみの血。
ああ、気に入らないはずはないさ。きみとぼくの娘だもの。
あら、よかったの?あたしの血だけじゃ足りなくなったってご相談した時、あんなに渋っていらしたのに。
そりゃあ、妬けるさ。きみをモノにしたあの男が、母娘丼を狙っているっていうんだもの。
さいしょから、まゆみの血がお目当てだったみたいよ。処女のうちに吸わせてあげることができて、よかったわ。
あいつ、だいじょうぶかな。だいぶ顔色が悪いぜ?
アラ、あたしなんかあれくらい、いつものことだわ。すこし休めば大丈夫よ。
きみの回復が早いのは、血を吸われたあとあいつとセックスするからだろう?
アラ失礼ね。娘の純潔を守るために、身を挺しているのよ。
それはそうだ。でも、きみもワルだね・・・
あらいやだ。ホホホ・・・
のどかな声色のやり取りの向こう。
しつような吸血にわが身をさらす少女は、リビングのじゅうたんの上仰向けのままうなじを吸われ、
うつ伏せにひっくり返されて、ふくらはぎを吸われた。
脚に通していた黒のストッキングを履いたまま唇をなすりつけられて。
少女の脛をなまめかしく墨色に染めた薄手のナイロンは、むざんに裂け目を拡げていった。
足許を包むゆるやかな束縛感がほぐれていくのがわかるのだろうか?
少女は悔しげに唇を噛んで、けれども理性を半ば酔わされかけてしまった彼女は、
素足に剥かれてゆく凌辱から、脚を引き抜こうとまでは、しなかった。
知恵比べに、負けちゃった。
罰ゲーム、させられちゃった。
みるかげもなく噛み破られたストッキングからひざ小僧を露出させながら、
少女は謡うように、呟きつづけている。
愉しみ始めたようだね。
そうね。
きみといっしょだね。
そうね。
いずれ純潔も、あいつに奪(と)られちゃうんだろうか・・・
そうね。そのときは・・・あなた父親として、見守ってあげてね。
ああ。きみのときに、夫として見守ったように・・・ね。
彼らの胸中は、娘を売ったという背徳感とは無縁である。
だって、娘の生き血が好まれたことを、いまでは誇りに感じているのだから。
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- 2012-06-08 Fri 11:48:22
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