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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

仲良し三人組の、吸血初体験

2012年07月01日(Sun) 19:46:46

聞いた?
うん、聞いた・・・
どうするの?
だって、放課後呼び出されるんでしょ?先生に・・・
だけど・・・怖いよ・・・
怖くたって・・・ママに言われてるんだもの。
だって~・・・(泣)

そろいの三つ編みを揺らしながら。
肩寄せ合って囁き合う、仲良しの三人組み。
話題にあがった、「先生」は。
すべてをしっかり、耳に留めながら。
教え娘(ご)たちの背後を、すう・・・っと気配もみせずに通り過ぎる。

この学園には、秘密のしきたりがある。
学園のオーナーが親しんでいる吸血鬼の一族が、入れ代わり立ち代わり来校して。
そのたびに、女生徒たちの生き血が、饗されるという。

入学した女生徒たちは、順ぐりに呼び出されて、血を吸われる。
父兄もあらかじめ了解ずみだというその奇習を、少女たちが体験する順番は・・・じつは出席番号順なのだという。


境さん、坂上さん、阪本さん。
放課後、奥の13番教室に残ってくださいね。
謡うように告げる妖子先生の朱の唇が、ドキドキするほど輝いていた。

やっぱり~。出席番号順だよう~。
どうしよ~?やっぱ怖いよう~っ。
でも・・・でも・・・逃げちゃったらやっぱりマズイよ。。。

肩寄せ合った三つ編みたちは、怯えて立ちすくみながらも。
だれが先頭を切るというわけでもなしに、指定の教室に脚を向けてゆく。
おそろいの紺のハイソックスを、ひざ小僧のすぐ下まで、ぴっちりと引き上げて。

ああ~ッ!
ひいいいっ。。
瑤子とみなみは、すぐにつかまえられて。
映画で見るみたいに、首すじをがぶり!と噛まれちゃっていた。
あっ・・・待って・・・こ、怖いっ。
怯えて後ずさりをする秀子のことを。
初老の吸血鬼は薄笑いをしながら、距離を詰めてくる。

おっ、お願いっ!

秀子は思わず、手を合わせていた。

見逃して・・・くれるって・・・無理ですか・・・?

珍しい娘さんだな。

男は薄笑いを消さずに、呟いた。

両手を合わせて頼まれるなんて、初めてだ。まあ、気持ちはわかるよ。

わかるんだったら・・・お願い。お願い。あたし死にたくないんです・・・

きみの同級生で、だれか亡くなった子でもいるのかね?

男はあざ笑うように、少女を目で射すくめた。

いえ・・・だれも・・・

死なないんだよね?

強い声色といっしょに手が伸びてきて、夏ものの白のセーラー服の二の腕を掴まえた。

あっ。

縮みあがる秀子に、

きみだけオリちゃ、友だちに悪いだろ?

目のまえで血を吸われ、姿勢を崩していくクラスメイト達が、視界に入ると。
少女は抵抗する力を、喪っていった。

ああーっ!

みなみを抑えつけていた吸血鬼は、首すじに埋めた牙を引き抜くと、
真っ白な制服のブラウスのうえに、吸い取ったばかりのバラ色のしずくを、
たら~り・・・たら~りと、これ見よがしにしたたらせていった。



うなじのつけ根が、まだじんじんと、疼いている。
遠慮会釈なく咬みつかれた痕には、妖しい痛痒さが渦巻いていて。
もっと・・・もっと・・・
われをわすれて秀子は、そう呟きつづけていた。

失礼するよ。

男は秀子のハイソックスを片方、引き降ろすと。
少女の目のまえでむき出した牙を、見せつけるようにして、ふくらはぎに咬みついてゆく。
ちゅー・・・
血を吸い上げられる音が、それは心地よげに、少女の鼓膜をついた。
傷口を通り抜けてゆく血液のぬくもりが、ひたすらいとおしかった。
パパやママから受け継いだ血が、飢えた吸血鬼の小父さまを和ませている・・・
秀子はとろんとなった目つきで、自分の脚にかぶりつく吸血鬼の横顔を、面白そうに見おろしている。

ヘンタイ。ハイソックス噛み破るのが好きだなんて。
瑤子は口を尖らせながらも、足許でおねだりをくり返すごま塩頭の吸血鬼のため、
ハイソックスをピンとひざ小僧のすぐ下まで引っ張り上げて、ふくらはぎに唇を這わされていった。
いやらしい・・・
毒づく声に、にんまりと笑みながら。
ハイソックスのうえから吸いつけた唇の端からチカリと滲ませた牙を、注射針のように刺し込んでゆく。

ああいうふうにしたいの?
クラスメイトが、自分の父親よりも年上の吸血鬼を愉しませはじめてゆくのを目の当たりに。
秀子もまた、自分の相手に囁きかけていた。
ウフフ。ご賢察どおりだね。
わかったよ・・・
秀子は男の子のように呟くと、クラスメイトがそうしたように、紺のハイソックスをキリリと引き伸ばしていった。



だいじょうぶ?
ウン、平気。
まだ痛いの?
痛痒い・・・かなっ。
けっこう、キモチよかったりして・・・
みなみったら、やらしい~っ。

そろいのお下げ髪たちは、肩寄せ合って。
ひそひそ声を交わしながら、校門をあとにする。
真っ白なセーラーブラウスの襟首は肩には、赤黒いシミ。
脛の半ばまでずり落ちたハイソックスには、さりげない咬み痕。
瑤子とみなみは、「傷を視られるのが恥ずかしい」と、おさげ髪をほどいてうなじを隠してしまったけれど。
秀子はサバサバと、三つ編みを揺らしながら、咬まれた痕をさらしていった。

いいじゃん、あたしたちもう、経験者なんだから。
ほかの子にも、自慢できるよね?

秀子の言いぐさに、しまり屋の瑤子はプッと噴き出して。

そうね。タ行以下の子には、自慢オッケーだよ。
少女たちは初めて、はしゃいだ笑い声をはじけさせて。
そうしていつものように、おしゃべりに肩を揺らし合って家路をたどる。
制服に点々と撥ねた血潮など、気にも留めずに。


あとがき
さいごの一行が描きたくて、描いたという説も。 笑
血を吸われたくないと懇願する少女とコミュニケーションを試みる年輩吸血鬼も、個人的にはツボです。^^
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