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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

男の血なんて、おいしくないでしょう?

2012年07月22日(Sun) 07:32:23

男の血じゃ、おいしくないですよね?
その彼はくり返し念を押すように、俺に何度もそう訊いた。
いや、そんなことはない。
俺はそう言いながら何度となく、彼の首すじに食いついていた。

人の生き血にありつくのは、ひさしぶりのこと。
村の顔役にあてがわれた獲物におおいかぶさって、ひたすら喉をごくごくと鳴らしていった。
連れてこられた彼は、都会から赴任してきたばかりだったが、ひたすら無抵抗に、飢えた吸血鬼のために血液を提供し続けてくれたのだった。

ワイシャツ、汚れちゃいますね?
意外に冷静な彼は、職場に着ていくはずだったワイシャツのえり首を、しきりに気にかけていた。
脚から吸うこともあるんだが・・・毛むくじゃらなふくらはぎは、好みじゃないのでね。
ストッキングに包まれたご婦人のおみ脚・・・というのなら、願ってもないんだがね。
何気なくそういった俺に、彼は納得したようにうなずいていた。

つぎに連れてこられたとき。
彼は、自分からスラックスのすそをひきあげて。
男ものじゃ、つまらないでしょうけれど―――
そういいながら、ストッキング地の長靴下に濃紺に染まったふくらはぎを、見せびらかすようにさらけ出した。
ほほぅ。サービス精神旺盛なんだな。
冷やかすように、そういうと。
営業職なので・・・つい相手のことを考えちゃうんですよ。
彼は仕方なさそうに、苦笑していた。

ぬるり・・・と這わせた唇の下。
彼が心づくしに履いてきた薄手の長靴下は、ひどくいい舌触りをしていた。

そんな訪問が、何度つづいたことだろう?
知りませんでした。お招きするのがすじだったんですね。
何度目かの逢瀬のあと、彼はそういうと。
独り住まいの社宅にはじめて、引き入れてくれたのだった。
まめな性格らしい。
逢いに来るときにさえ、穿き替えの靴下を何足も用意してきた彼の部屋は、ひどくきちんと片づけられていた。
男ものでは、飽きませんか?
彼はそういいながら、ぬるりとした光沢のよぎる長靴下を、きょうも脛いっぱいに引き伸ばしていった。

どうやら、わたしの血だけでは、足りないようですね・・・
別人のようにやつれ果てた男は決心したように、呟いた。
都会に置いてきた家内と娘を、呼びましょう。
貴男はひとをあやめることはお好きでないようですから、まだ安心できそうなので―――
俺は感謝のしるしに、きょうも俺のために履いてくれた長靴下を咬み破ると、
しっかりした歯ごたえのするふくらはぎを深々とえぐっていって、
彼の皮膚の奥深く、狂おしいほどの疼きをしみ込ませてやっていた。

一週間後―――
彼の娘は、勉強部屋で、大の字になって。
制服のスカートの下、黒のストッキングに派手な裂け目を走らせていて。
彼の妻は、台所でうつ伏せになって。
しつように咬まれたねずみ色のストッキングから、白い脛を露出させたまま、持ち主の血で濡れたワンピース姿をさらしていた。

男の血なんて、おいしくないでしょう?
彼はいまでも、念を押すようにくり返している。
なに、そんなことはない。あんたの血は旨いのだよ。
あんたがいるから、すべてが愉しめるのさ。
人妻を押し倒すのはだんなの目のまえでって、俺は決めているんだから。
それに、あんたの気に入りの長靴下は、女もののストッキングとは違った色気があるからね。
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