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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

地味?

2012年07月24日(Tue) 06:39:22

真夜中の公園の照明は弱々しくて、やって来た相手の服の色がかろうじて見分けられるほどだった。

オレンジの袖なしシャツに、ひざ下丈のグレーのスカート。
濃紺のストッキングに、うす茶色の革のパンプス。

どういう組み合わせだよ?
先に待っていた少年が、あきれたような声をあげる。
しょうがないだろ。お袋の箪笥の抽斗あさったら、こんなのしか取ってこれなかったんだから。
相手の声色も、ほぼ同年代の少年のものだった。

まぁ・・・いいか。
余裕で許す少年に。
まあいいかはないだろ?
女装の少年が、まぜ返す。
そうだな。わざわざ来てくれたんだものな。
最初の少年は、素直に謝った。

いいぜ。好きにしなよ・・・
女装の少年は、思い切りよくベンチに腰かけて。
それから、濃紺のストッキングの両脚を、丸太ん棒のようにむぞうさに投げ出した。
悪りぃな・・・
さいしょの少年は、女装の少年の足許にかがみ込むと、
濃紺のストッキングのふくらはぎに、いきなり食いついた。

あっ・・・
女装の少年はひそやかなうめきを洩らしたが・・・
小気味よげな愉悦を伴っているのを、吸血鬼の少年は聞き逃さない。
飢えた唇の下。
少年の脚の輪郭を淡く彩る濃紺のナイロン生地が、ぱりぱりとかすかな音をたてて、はじけていった。

この洋服の持ち主・・・いつ連れてきてくれるんだい?
口許に散った血のりを拭おうともせずに、さらなる獲物をねだる親友に。
女装の彼は「ははは・・・」と、乾いた声で嗤った。
もう、来ているみたいだよ・・・きみの後ろ。

振り返ると、そこにはすらりとした上背の女が佇んでいた。
いま餌食にしたばかりの少年と、よく似た面差しを持っている。
こういうことだったのね?
ゴメン、ゴメン。
悪戯を見つかった息子は、母親に照れくさそうに謝っている。

ゴメンよ、おばさん。
素直に謝る息子の悪友に、母親は穏やかに応対した。
カズくんの血だけじゃ、足りないのよね・・・?
黒のタイトスカートの裾から伸びる、たっぷりとしたふくらはぎは。
淡い光沢を帯びた漆黒のナイロンに、包まれていた。

足許にふるいついてくる吸血鬼から目線をそらし、母親は息子を軽くにらむ。
さいきん、どうも黒のストッキングばかり目減りしてたのよね。
ぬるぬるとしみ込まされてくる淫らな唾液を足許に感じながら、
母親は息子どうよう堕ちる愉しみに耽りはじめていた。
きっとこの子は、わたしのまえで男になるに違いない。
密かな予感を覚えながら、夫の顔をつとめて忘れるようにした。

痛っ。
あっ、ゴメン。
いいのよ。つづけて・・・
じゃあ遠慮なく・・・
重なり合うふたつの影を。
息子は手を伸ばし、そうっと引き寄せていった。
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