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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ある人妻と家族の記~解決になっていないかもしれない結末について~

2012年07月31日(Tue) 07:22:11

~ミチオの手記から~

週末は咲田さんが、我が家を訪問する日です。
そういう時には必ず、まえもって連絡があるのです。
あらかじめご主人の了解を得てからのほうが、やはり適切でしょうから・・・
咲田さんはどこまでも、冷静な人です。
人当たりの良さはどんなときにでも、変わることはありません。
では、お邪魔しますよ。
玄関にあがるとき。そして、夫婦のベッドにあがるとき。
彼は同じ挨拶を、紳士的な口調で重ねてきます。
どうぞ、よろしいように・・・
わたしはいつものように彼の手を取って、その手を妻の手に重ねてやります。
スリップ一枚の妻は、夫婦のベッドのうえ正座をして待機していて、
お行儀よく重ね合わせた手の甲で、スリップの裾を抑えるようにして、太ももにあてています。
ベッドに上り込んだ彼は、わたしの目のまえで妻と唇を重ね合わせますと、
お互いの睦まじさを見せつけるように、しつようでねちっこい接吻を愉しみ始めます。

いちおう、縛らせてもらいますよ。
夫の目のまえで見せつけるというけしからぬ趣味の持ち主である貞操泥棒は、かつてはそういって、わたしのことを縛りつけたものですが。
信用していないみたいで、お嫌でしょうね。
あるとき以降、戒めを解いてくれたのでした。
けれどもロープはいまでも、欠かせない三人共通の玩具です。
妻を縛る時もありますし・・・わたし自身、服の上からギュウッと縛られるあの感覚が病みつきになってしまって・・・あえて縛っていただくときもあるのです。

こんなまがまがしいことを・・・かつては想像もしたことがありません。
けれどもいまでは、まるでポルノ女優の名演技にでも見入るようにして、見慣れた服を着くずれさせながら媚びを売る妻の痴態から、目が離せなくなっているのです。
あなたはいつも、手際がよろしいですね。
わたしが冷やかし半分にそういったのは、夫婦のベッドを横目にして、ふたりの熱い情事に目をやりながらのことでした。
そう、彼のセックスはいつもスマートで、格好良かったのです。
それでいて、肝心のところは、まるで飢えた獣のように獰猛で、卑猥きわまりないものでした。
美智子はこんなふうにしてやると、悦ぶんだぜ?
彼の言いぐさのままに交わした夫婦のセックスで、妻が新婚のころのような陶酔をうかべたときには、パートナーとしての満足と、夫としての淡い嫉妬とが、たまらないほど交錯したものでした。

手際がいい。
わたしがそう褒めると、彼は柄にもない照れ笑いを泛べます。
このひと照れ屋なのよ。
男ふたりのやり取りに、妻はそういって笑いました。
ええ、夫以外の男のまえだというのに、スリップさえ脱がされた全裸の格好のまま。

彼の照れ笑いには、理由がないわけでもありません。
奥さんの華絵さんを吸血鬼氏に手籠めにさせたのも、じつは彼自身だというからです。
妻には、愛情のかけらも感じていませんでした。
けれどもあの安ホテルの一室で・・・あなたはご存じないか・・・目のまえで妻を征服されたとき、不覚にも失禁してしまったのですよ。
いちおう縛りますね・・・っていわれて、スーツのまま縛られて。なぜかスラックスだけ、脱がされたのです。
ええ、びゅうびゅう射精しているところを、妻に視られちゃったのですよ。
色男も、かたなしでしょう?
洗練されたエリートだった彼がこんな無様なことをためらいもなく口にするようになったのは、秘密を共有するもの同士の気安さからでしょうか?
いちおう縛りますね。
そういえば彼がそういうときには決まって、スラックスだけは脱がされるわたしでした。

ときどきね。もはや七十をとっくに過ぎた父が、嫁の関係である華絵の部屋を訪ねているのですよ。
母がいなくなってからずっと、華絵に執心だということがわかりましてね。
老いらくの恋を愉しませてやるのも、親孝行なのかもしれませんね。
奥さんと義父とのそうした関係を語る時も、彼はいつものように、淡々としているのでした。

私だけいい思いをするのもなんだから・・・と。
奥さんの華絵さんとの逢瀬も、彼は認めてくれたのですが。
やはりわたしには・・・そういう器用なことはできないようです。
たぶん・・・いえ、きっと。
わたしは妻一人を守りつづけて、時おり目のまえで犯される妻の痴態を愉しむ日常をくり返していくのでしょう。
そう、たとえ挿入される一物がわたしのものではなくても、それは間違いなく夫婦の交わりだと思うので・・・

わたしたちに歪んだ愉しみといびつな性関係を与えた吸血鬼氏は、いまどこにいるのでしょうか?
わたしたち夫婦の血を吸い、妻の情夫氏の細君まで堕としてしまった、腕利きの悪魔。
案外と・・・それは私たちの描いた、幻影に過ぎなかったのかもしれません。

一方的に寝取られている夫婦生活というものも・・・そう悪いものではありませんよ。
あなたもいちど、だれかに囁いて見て御覧になりませんか?
家内の生き血を、吸ってください・・・と。
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