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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夫婦の生き血。

2012年07月31日(Tue) 07:59:18

ある夫婦は、俺を相手にしたときに。
互いに相手を呼び合って、泣き合いながら、血を吸い取られていった。
並んで仰向けになって、それでもギュウッと握り合った掌を、放すまいとしていた。
俺は夫の首すじから血を抜き取り、つづいて細君の首すじから同じ経緯で血を吸い取った。
腹具合は、上々だった。
仲の良い夫婦の血潮は、胃の腑のなかでもよく織り交ざるらしい。

べつの夫婦は、俺を相手にしたときに。
やはりお互いをかばい合いながら、血を吸われていった。
仲のよくないことで有名だった夫婦なのに。
さいしょはキリリと痛んだ胃袋が、いつの間にかよい具合になっていった。

お前たち夫婦の血を吸ったら、腹をくだしたぞ。
俺の血を吸い取った吸血鬼に、そんな苦情を言われてどれくらいになるだろう?
夫婦げんかの絶えない家庭だった。
俺が静かになってしまった傍らで、初めて浮気を愉しむ機会を得た女房は。
亡き夫の傍らで、よがり声をあげつづけていたという。

夫婦向き合って、ためらいながら。
女房は俺の首すじに、唇を吸いつけて。
俺は俺で、女房のふくらはぎに咬みついて。
女房は俺にストッキングを噛み破られると、「エッチ」といって、非難した。
俺が血を吸い尽くされた後、自分がどれほどエッチだったのか、俺が知らないとでも思っているのか?
しきりに相手の血を吸い合うようになって。
俺たち夫婦は初めて、相手の血を美味しいと思うようになった。

ふすまが出し抜けに開いた時、隣室の主の血潮で頬をべったりと濡らしたあの男は、
ご両親は仲がいいのだな。
浴衣の襟元を真っ赤にした父は、惚けたように大の字になって。
情夫好みに洋装に装った母は、古風なブラウスをバラ色に濡らし、黒のスカートのすそは白く濁った粘液に濡らしていた。

ふつつかでした。
母ははだけたブラウスの胸元をかき合せて、気丈にお辞儀をしていたし。
ときどきお出で。
父は片手をあげて、自分の妻を犯した男を送り出していた。

どこのご夫婦を襲いますか?
妻が耳元でささやくと。
俺はためらいもなく、こんど式を挙げる息子の相手の両親を名指しする。
きっと。。。お味の相性もよろしいことでしょうね。うちの夫婦と違って。
フフンと嗤う妻。
けれどもお互いの血を漁り合う日常に、お互い知らず知らず、焦がれはじめていた。
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