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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ばっ、ちーーーん!

2012年07月31日(Tue) 08:14:54

両親が吸血鬼に襲われた。
それは、あっという間の出来事だった。
相手の吸血鬼は、わたしと妻が棲みついたこの村の住人だった。
祖父母が孫の顔を見に来ると聞きつけると、人妻に目のないあいつは、妻のつぎにわたしの母を所望した。
断ることはむろん。。。許されなかった。

あっけないほど、他愛がなかった。
さいしょに父が咬まれ、血を吸われて卒倒すると。
両手で口を抑えて立ちすくんだ母は、スーツ姿のまま吸血鬼に抱きすくめられて、首すじを噛まれていった。
わたしたち夫婦が初めて姦(や)られたときと、おなじ経緯で。
薄っすらぼんやりになってしまった父のまえ、
母はためらいながら、スカートの裾をまくり上げられて。
ずり降ろされたストッキングをふしだらにたるませた両脚を、おずおずと開いていった。

母は、優等生だった。
自分の貞操と引き換えに、ふたりの命乞いを聞き届けてもらうと。
ぞんぶんに愛された挙句、ふたたび逢う約束にさえ、応じていって。
涙を目じりにためたまま、身づくろいを済ませると。
ふつつかでございました。
相手に丁寧にお辞儀をして。
申し訳ありませんした。
長年連れ添った夫に、深々と頭を下げた。

意気揚々と吸血鬼が去っていった後。
母は穏やかにほほ笑みながら、わたしのところに身を運んできて。

ばっ、ちーーーん!

目もくらむような、平手打ちだった。

おまえは、取り返しのつかないことをした。
母として、赦せない。

いったんは引き締めた口許を、それでも母はすぐに緩めて。

けれども、女としては、感謝する。

口をへの字に曲げて、荷物をまとめると、
父にはひと言、「帰りましょう」そう告げて、汚辱を体験した場に背を向けた。

父とわたし、男ふたりはぽかんとして顔見合せて。
上気した父はわたしを見て、こういった。

ま・・・男として、感謝する。
嫁さんと、うまくやりなさい。

まぁ・・・まぁ・・・
戸惑う妻が、玄関に立つのを制した母は。

真理子さんも、御苦労が多いわね。
なにもなかったような落ち着いた物腰で、嫁をねぎらうと。

ときどき寄らせてもらいますからね。

そう囁いて、起っていったという。

以来しばしば、連れだって。
この夫婦は村を訪れるようになっている。
来るたびに、母のスーツを新調する費用で、頭を悩ませるのが。
たぶんわたしに課せられた、ペナルティなのだろう。


あとがき
おっかなくもさばけたお母さまのお話でした。
(^^ゞ
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