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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

【れびゅう】 夏休みさいごの日~若代物語

2012年09月01日(Sat) 14:58:57

珍しく連作になりましたが。
これは、2005年8月末という、7年もまえの、そしてブログを始めた初期のお話の続編なのです。
ここではあらすじと、作者のこだわりなくだりについて、ひとくさり。^^

【第1話】 「夏の終わり」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-177.html
ほんとうは彼氏が欲しいのに、いつもお高く留まっている越水若代。
夏休みの宿題の追い込みで、男の子なんか来るはずもない公園に佇んでいるときに、
思いがけず吸血鬼に目をつけられて、噛まれてしまいます。

カジュアルでもきちんとした身なりの少女が、ベンチの後ろから伸びてきた手に、白のハイソックスの足首を掴まれて。
奈落の淵に引きずり込まれるように、吸血されてしまう。
「どうして私ばっかり・・・」
という呟きに、気持ちを込めてみました。^^
どうして私ばっかり、彼氏ができないの?
どうして私ばっかり、こんな魔物に襲われてしまうの?

【第2話】 「新学期」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-176.html
構成は、おおきく3つに分かれます。

前半は、ふたたび前回の公園。
誘い出した若代の血をくり返し吸う場面です。
ふたりのやり取りを聞く限りでは、すでに二回以上は逢っていそうです。
血を吸われることへの恐怖や嫌悪感から、五分遅刻してしまった若代。
非難を込めて応対する若代は、そこを吸血鬼に突かれると、「ごめんなさい」と謝っています。
自分の生き血を吸うという不埒な企てを抱いている相手であっても、約束の時間はきちんと守らないと気が済まないみたいです。
几帳面さと案外にお人よしな性格のようです。
最初の時にはいやいや噛ませてしまったハイソックスのふくらはぎを、知らず知らず自分からあてがっていることを、彼女はどこまで気づいているのでしょうか?

中編は、新学期の教室のシーン。
笑いさざめく女学生たちのなかでは、婚約者以外の男の子とデキちゃったクラスメイトとかが、自慢話をしたりして。
スキャンダラスな叫びに包まれて、得意になったりしています。
そのなかで、若代に彼氏ができた・・・というのは、だれもが想像しなかった出来事でした。

末尾はふたたび、公園のシーン。
気のせいか、吸血されるときの着くずれが、だんだんひどくなってきています。
自分の血を吸われるということにただ嫌悪しか示さずに、いつも「今回限り」と繰り返していたのに、
ここでは「もう少しならいいわよ」と、理解のあるところをみせています。
そうしてさいごには、自分に彼ができたといっても信じてくれないクラスメイトのことを話題にして、
「信じさせてあげてくれる?」
完全に、共犯者と化しています。

【第3話】 録画をまえに~夏休みさいごの日~
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2877.html
これ以後は、本日あっぷのぶんです。

とくに3・4話は、ヒロインが初めて吸血鬼に襲われたときのビデオを見せられている・・・という話です。
襲われている自分の姿を、他人事のように愉しんでしまっている若代。
ところどころ記憶が途切れ、またつごうよく塗り替えられているみたいです。
途中からは、自分に与えられた辱めに対する嫌悪感よりも、血を吸う側の立場と同化して映像を愉しんでしまっています。

【第4話】 録画をまえに~無罪です。~
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2878.html
これも第3話と同工異曲ですが、すこし違うのは、映像のなかで吸血されているのは若代ではなく、若代のクラスメイトだというところです。
クラスメイトも若代ともども呼ばれていて、自分が襲われるシーンを、いっしょに観ています。
噛まれる瞬間のシーンでは、少女の呻きが画面と本人の口から同時に洩らされます。

映写室につぎつぎと招かれた女学生たちは、おなじ経緯をたどって血を吸われた若代のクラスメイトたち。
だれもが若代の無罪を囁き、自分がヒロインを演じる吸血鬼ドラマに見入ってしまっています。
さいしょに登場するゆかりという少女は、前作には登場しませんが、おそらくはあの女学校の教室のどこかで、若代たちの話の輪に加わっていたものと想像されます。

【第5話】 夏の終わり・後日譚~母さんの緑のストッキング~
このシリーズではいまのところ唯一、成人の女性がヒロインとなっています。
それも、若代のお母さん。
血の着いたハイソックスを履いたまま帰宅する娘を見咎めることがないものか?という密かな懸念は、ここで現実化します。
娘への吸血が日常化しつつあるのを知った彼女は吸血鬼と対決し、あえなく噛まれてしまいます。
おそらくは、後ろから抱きついてきた娘に身体の自由を奪われて、みすみす首すじを噛まれてしまったものでしょう。

お話の始まりの時点ですでに、襲われた後の状況です。
処女はあくまで吸血されるだけ、でもセックス経験者は犯されてしまう。
そんなルールが、初めてここで語られます。
第2話で、婚約者を裏切った話を同級生に次げて有頂天になったあの子もまた、身体を奪われてしまったということが、ここでさりげなく明かされます。
若代の母親もきっと、自分に対する吸血の手助けをした娘の目のまえで、犯されてしまったのでしょう。

咬み痕だらけになった緑のストッキングを吸血鬼に与え、一定の和解を試みるお母さん。
夫とのあいだに秘密を作ってまで、娘と自分の安全を確保しようとする、ある意味賢明な行動を取っています。
父親以外の男性とふしだらな行為を遂げてしまうことに対して、多くの娘は反発や嫌悪を覚えますが、
若代はもちろん違います。
「女のお手本を見せてくれた」
彼女はちょっぴり背伸びをして、こんなことを口にしています。
共犯者になることを自ら表明した娘は、母親にとっても心強い存在でしょう。
知らないうちに娘を襲われ妻まで犯されてしまったお父さんが、ちょっと哀れですけれど。
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