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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

十五の誕生日。

2012年09月07日(Fri) 07:51:20

その少年とは、彼が幼いころから顔見知りだった。
なにしろ、彼の母親の血を、俺は吸っていたのだから。
ときには荒々しく組み伏せて、むしり取るようにして啜り取ってしまったあとも。
彼女はなにごとも起こらなかったようなていをつくって、まだ幼な児だった彼のことを、あやしていた。

十五になった誕生日に、彼は母親に言い含められて、俺の邸のドアをたたいた。
濃紺のジャケットにおなじ色の半ズボン、長靴下という制服姿。
改まった機会には、知人の家への訪問でも、制服を着るのがならわしだった。

小父さん、血を吸うんだろ?いいよ。僕の首すじに噛みついても・・

たいがいの子は力んだり、怯えたりするというのに。
かれは物怖じひとつしないで、自分の首のつけ根のあたりを、
イタズラっぽく笑いながら、指差していた。

ハイソックスのうえから、噛むんだって?なんだかちょっと、イヤラシイよね?

初めてつけられた傷から、かすかな血をしたたらせながらも、
少年は笑みを消さずに、ずり落ちかけた紺のハイソックスを、ひざ小僧のすぐ下にまで、引っ張り上げていた。

それ以来。
彼は学校帰りに立ち寄っては、若い生き血を飲ませてくれた。
つとめて貧血にならないように、気遣いながらも。
俺は少年の差し伸べるふくらはぎから、紺や白、黒やグリーンのハイソックスを、
遠慮会釈なく、噛み剥いでいった。

やっぱり絶対、やらしいよ。

少年は俺をからかうような笑みを浮かべながらも、ハイソックスを引っ張り上げてゆく。
ふつうなら・・・眉をしかめたり、痛そうな顔をしたり、嫌悪の情もあらわになるはずの行為なのに。
彼の前向きな態度は、ひどく気遣いに満ちていて。
彼の黒髪をいとおしげにまさぐりながら、うなじを噛んだり。
長靴下をくしゃくしゃにしながら、噛み剥いでいったり。
いけない行為ばかりを、くり返していた。

きょうのハイソックスは、妹のやつなんだぜ?
丈足らずな白のハイソックスを、いつもより惜しそうにまさぐりながら。
それでも彼は、脚を投げ出してくれていた。
こんどは本人を、連れてくるからさ・・・
乾いた声色に、うなずきながら。
あしたはその少女の十五の誕生日だと、思い出していた。

俺がその子と婚約をすると。
すっかり大人びてきていた彼は、いまさらで悪いけど・・・と前置きをして、自分にも実は婚約者ができたのだと告げてくれた。
一週間後。
少年の婚約者は、血色豊かな白い頬を初々しく笑ませながら、俺に親しげな会釈を送ってきた。
てきとうなところで、はずすからさ。
彼女に小父さんの正体を、教えてあげてくれないかな?
座をはずすとき送ってきた彼の目線は、さすがに気遣いを隠せないようだった。

なん度めか。
たたみのうえに押し倒したピンクのスーツ姿。
初めて手をまさぐり入れた、スカートの奥。
彼女の穿いていた肌色のストッキングは、太ももまでの丈だった。
そして、ショーツを着けていなかった。

彼女の花園を、万が一荒らしてしまっても。
僕には言わないでね。
花嫁は処女のまま、嫁ぐしきたりなんだよね?

少年に言われるがまま、俺は欲情のおもむくままに、まだ侵されていない花園を、荒し抜いてしまっていた。

いろんな意味で、”きょうだい”の関係になってしまった彼のところに、
俺は彼の妹婿として、同居するようになっていた。
ときにはまだ若さを宿した姑や、兄嫁が。
荒々しい性欲を処理する相方になってくれていて。
俺は以前よりもずうっと深く、気遣いながら。
女たちや、ときには彼の血を、口に含ませていった。

”吸血鬼無害化計画”
この街に棲む人間どものあいだには、そんな計画が浸透しているという。
俺はまんまと、かれらの陰謀にひっかかっていた。
女たちはきょうも、浮気を愉しむために、俺の部屋をノックする。
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