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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

リセエンヌ

2006年05月20日(Sat) 06:38:56

好夫さん、いるかしら?
階下に、由貴子さんの声。
時ならぬご入来にどぎまぎとしながらおりてゆくと、
見慣れぬセーラー服の後ろ姿。
妹を連れてきたのだろうか?と思っていると。
あら。
ふり向いたのは、まぎれもない由貴子さん本人だった。

濃紺のセーラーカラーに、白のラインが三本鮮やかに走っている。
胸元を引き締めるのは、ゆったりとした白のネッカチーフ。
軽くウェーブのかかった眺めの黒髪をさらりと肩に流している風情は、ドキドキするほど清純。
楚々たる女学生姿が、なんの違和感もなくマッチしていた。
私の反応に、
くすっ。
と、含み笑いすると。
おかしいかしら?もう似合わないわよね?
小首をかしげて、応えを待っている。
―――そんなことありません。びっくりしました。あんまりお似合いなので。
そう?わたし、綺麗かしら?
―――ええ、眩しいくらいですよ。
由貴子さんは私の応えに満足したように、
ウットリとした目を向けてきて。
おとがいを心もち、前に差し出すようにして。
白い歯をのぞかせて、囁いた。
  コレカラネ。アノ方ノ処ヘ、血ヲ吸ワレニ参リマスノ。
  ゴ一緒シテクダサイマスワヨネ?
えっ。
心のなかで叫びながら。
イヤ、とは言い切れないでいた。

私のためには一度だって、こんな恰好をしてくれなかったのに。
なん年ぶりかで装う女学生姿を、彼に捧げるというのだね?
そんな想いを振り切るように。
  サァ、オ支度ヲ整エテクダサイナ。急イデ急イデ。
もう、こぼれんばかりの笑みをたたえて、背中を押されて。
  あの。
口ごもる横顔に、まだ、なにか・・・?そう問いかけると。
  これ、身に着けていただけませんこと?
差し出されたのは、まだ封の切られていない女もののストッキング。
  黒でしたら、男のかたでもお似合いだと思いますの。

吸いつくようにぴったりと密着してくる薄手のナイロンの感触が、
私のなかからさいごの理性を取り除いてしまっていた。
由貴子さんはなおもイタズラっぽく、容赦なく。
  ハーフパンツにしてくださいね。脚がよく見えるように。
そんな要求さえしてくるのだが。
もはや逆らうことはできなかった。

ほほう。よくお似合いだね、ふたりとも。
吸血鬼はそういって目を細めると。
まず私の足許にひざまずくようにして。
ぬるりとした唇を、這わせてくると。
かりり・・・
ぴちっとした裂け目を容赦なく、黒のストッキングに走らせてゆく。
では、頂戴しようかな。
眩暈をおこしてその場に崩れた私を置き去りに、
由貴子さんの肩に腕をまわしてゆく。
  ア・・・
悩ましげに瞼を閉じて。まつ毛をピリピリと震わせて。
荒々しい腕に巻かれてゆく、フィアンセの女学生姿。
襟首から覗く白い肌を、私の血をあやしたままの牙に侵されて。
きゅうっ・・・
聞きなれているはずの音が、いっそうリアルに鼓膜を刺し貫いていた。
あっ、咬まれちまった。あんなに痛そうに・・・
ノーブルな目鼻だちをゆがめながら、抗いをやめない由貴子さん。
しかしそれはあくまで、表向き。
もう、すっかり愉しみはじめちゃっているのを、悔しそうに見つめているしかない。

きゅうっ・・・きゅうっ・・・きゅうっ・・・
規則正しい吸血の音とともに崩れてゆく女学生姿。
やがて黒ストッキングのひざ小僧を、がくりとじゅうたんに突いてしまう。
ククク・・・
あいつはたちの悪い含み笑いを浮かべながら。
じゅうたんの上、すんなり伸ばされた足許にかがみ込んでゆく。
薄墨色のストッキングを通して透ける白い肌が、いっそうなまめかしく、美味しそうに映る。
ちく生、みすみす目のまえで・・・
心のなかで歯噛みする私のまえで、これ見よがしに舌なめずりをすると。
ちゅるり。
と、いやらしく。
黒ストッキングのふくらはぎに、唇をねばりつけてゆく。
  ぅ・・・
かすかな呻き。顰める眉。しくっとこわばる脚の筋肉。
それらを愉しむように、いとおしむように。
そしてなによりも、かち獲た餌食を誇るように。
やつはにゅるにゅると執拗に、由貴子さんの足許をいたぶりつづけている。


あとがき
なんのオチもないお話です。(笑)
女学校を卒業して、OLさえも卒業してしまっても。
なおかつ中学・高校のころに身につけていた濃紺の制服が似合う人って、いますよね。

その昔、ある雑誌が女優さんにセーラー服を着てもらう、という企画を打ったことがあります。
お名前は忘れましたが、名だたる女優さんたちだったと記憶しています。
もう20代か30前後にもなろうかというかたたちでしたが。
清楚な初々しさにオトナの魅惑が重なって。
とりどりに、えもいわれぬ風情を漂わせていました。
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コメント

おはようございます
桜草は学生の頃、セーラーの学生服に憧れていました。
学生時代着る事が出来なかったセーラー服・・・今着てみたいなあって思いました。
えっ 歳を考えろって?
うふふ。そうですねえ・・・。
一人ぐらいは見て下さる方もいらっしゃるでしょう・・・(^^ゞ
by 桜草
URL
2006-09-17 日 07:38:05
編集
ほんの少し清楚にかまえて。さらりと身ぎれいにするだけで。
白と濃紺のあの衣裳は、あらゆる年代のご婦人が着こなすことができると思うのですよ。
いつまでもセーラー服に憧れを抱きつづけている女性のかた。
とても眩しく思えます♪

日にいくつもお話を描いているとどうしても、
数あるお話のあいだには、自分のなかで印象の濃淡が出来てくるものなのですが。
コメを入れてくださったおかげで、このお話と再会できたような気分になれました。
自分で描いておきながら・・・ですが。(^^ゞ
感謝いたします。m(__)m

強制女装、というジャンルがあるそうですが。
そんな気分も、やんわり。ねっとりと漂わせてみたつもりでございます^^
by 柏木
URL
2006-09-17 日 23:09:50
編集

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