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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

若い看護婦と婦長

2012年10月10日(Wed) 05:54:31

ふ・・・婦長っ!?この患者さん達、みなさん血を欲しがっていらっしゃいますっ!

若い看護婦の坂口梨絵は、白衣姿を縮みあがらせる。
けれども婦長は薄っすらと笑いをうかべて、梨絵の手首を掴まえていた。

そうなんですよ。坂口さん。わたくしたちは患者さんの要望にお応えして、愛の献血に励まなければなりません。
どうか観念なさいな。

五十そこそこにはなる年配の婦長は、若いころの美貌をまだじゅうぶんに残していて。
ハッキリとした輪郭の瞳を怜悧にきらめかせ、身を揉んでうろたえる若い看護婦を逃がすまいと、手首に力を込めた。

婦長?婦長!?あぁ~っ・・・

血に飢えた患者たちに取り囲まれて、四方八方から牙を刺し込まれた若い看護婦は、
白衣のあちこちに血を滲ませて絶句した。

ちぅちぅ・・・きぅきぅ・・・

ひとをこばかにしたような吸血の音が重なると。
坂口看護婦は表情をこわばらせ、頬を蒼ざめさせて。
立ったまま、献血に励みはじめている。

立派よ、坂口さん。初心者にしては、上出来ですわ。

婦長はふたたび薄っすらと微笑むと、患者全員が若い看護婦に向かったことに嫉妬するでもなく、
くるりと背を向けてナースステーションをあとにした。

コツコツ・・・
数歩歩いて自分以外の足音に気がつくと、婦長は振り返った。
そこには自分と同年代の患者の安原の、蒼白な顔があった。

あちらじゃなくって、いいの?

年輩の婦長はむしろ怪訝そうな顔つきで、患者を見つめる。

あんたがいいんだ。

不思議なひとね。

婦長は仕方なさそうに手近な小部屋のドアを開くと、男と二人きりになった。
たまにこういう患者がいるのだった。
天の邪鬼なのだろうか。若いだけの魅力に飽き足らないのだろうか。

あんたのほうが、気分が落ち着く。

訊かれる前から男はそういって、婦長の身体を抱き寄せようとする。

ダメよ。身体だけはわたくし、お父ちゃんのものなんだから。

婦長の左手の薬指には、結婚指輪が光っている。

わかっていますって・・・

男の声はもう、かすれていた。
飢えた唇が純白のストッキングのふくらはぎに擦りつけられる。
カサカサに干からびた赤黒い唇がヒルのように吸いつけられると、
血色の好い婦長の足許を淡く染めた薄手のナイロン生地は、じりじりとよじれ、皺を深めてゆく。
婦長の脚に欲情した唇は唾液をあやして、ヌラヌラと光りはじめて。
純白のストッキングに、じわり・・・じわり・・・と、よだれをしみ込ませてゆく。

やだ・・・
けだるそうに呻く婦長は、にわかに姿勢を崩して床に横たわった。

きゃーっ!

若い看護婦の断末魔に似た悲鳴が、彼方から聞こえてきた。
どうやら隣室の宴は、最高潮に達したらしい。
おぞましい輪姦に身をゆだねる若い肢体が愉悦に染まるのも、時間の問題なのだろう。
事実、ものの数分もすると、「ひっ・・・あう・・・っ」と、猥雑さを含んだ声色が、自覚した淫らさを隠しきれなくなっていく。
たったひとりの患者に迫られた婦長の場合も、さして例外とはいえないようだった。
あっ・・・あっ・・・あっ・・・
吸い出されてゆく血潮を惜しむように、顔を蔽ったまま吸血に応じていった彼女。
「お父ちゃんだけ」というのは果たして、いつも口にしている社交辞令のようなものらしい。
はだけた白衣のあちこちから覗く、むき出しの肩。豊かな胸。そして、ストッキングを噛み剥がれたふくらはぎ―――
献血の夜は、どちらの看護婦の身にとっても、長くなるようだ。
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