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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夫婦ながら・・・

2012年11月12日(Mon) 03:16:47

男子がおおっぴらにオレンジや真っ赤なハイソックスを履きたければ・・・
ある種のスポーツをやるしかない。

この街にいくつかあるクラブ・チームには。
そうした嗜好の男子がなん人となく、加入している。
彼らは練習のとき、いつもストッキングを二足持っている。
ひとつは、練習用。もうひとつは、「ご馳走用」
「ご馳走用」のストッキングはいつも真新しく、初めて脚を通すもの。
サポーターの幾人かのなかに、吸血鬼を抱えるこのチームでは。
ファン・サービスにも、怠りがない。
チーム指定の真っ赤なストッキングを履いたふくらはぎに。
血に飢えたものたちは次々とかぶりついて。
働き盛りの世代の身体を脈打つ生き血に、酔い痴れるのだった。

もとより彼らの目当ては、チームのメンバーだけではない。
なにしろ彼らのほとんどは、同性愛者ではないのだから。
パートナーを組んだメンバーから摂取する血だけでは、足りなくなったとき。
彼らは遠慮なく、その妻たちを所望する。
すでにたぶらかされた夫たちは、むしろ自分の妻を襲われることを望んでいて。
すすんで彼らを自宅に招き入れると、なにも知らない夫人に、馳走を申しつけるのだった。

嫌です。なにを・・・っ。
黒の礼服に身を包んだ、四十半ばになろうというその人妻は。
生き血を抜かれて酔い酔いになった夫のまえ。
取り乱しながらも、はだけかかったブラウスの襟首をかき合わせる。
けれども女の胸へと伸びた魔手は、容赦を知らず、とどまるところを知らないで。
ただいっしんに、女の身体を求めてゆく。

ひい・・・っ。
あお向けに押し倒された妻が首すじに咬みつかれて、
ちゅうっ。
生々しくも妖しい吸血の音が、洩れるのを。
半死半生の夫は、むしろ陶然として聞き惚れる。

しだいしだいに吸血がすすんで、
女の体内から血液と、それと同量だけの理性が奪い取られてしまうと―――

ああ・・・もっと。
もっと、お飲みになって・・・

女もおのずから、魔物となって。
夫によって自分の情夫と選ばれた男を相手に、
己の品位と貞節を守る礼服を、みずから着崩れさせていき、
足許を淑やかに染める、黒のストッキングさえも。
招かれざる訪客に求められるまま、惜しげもなく噛み破らせてしまってゆく。

あられもない裂け目を帯びた黒のストッキングをまとった脚で、立て膝をして。
女はスカートの奥を、まさぐり抜かれ、
ああ・・・あなた。ごめんなさい・・・っ
喰いしばった歯のすき間から、随喜のうめきを洩らしてゆく。
薄黒く染まった脚が、すり足をくり返すほど。
太ももからひざ小僧を経由して、つま先まで。
つつっと走る裂け目は、じょじょにじりじりと拡がってゆく。
女が淫らに堕ちるのを、夫に見せつけるように。

夫人の饗応に満足を覚えると。
男は再訪を約して、立ち去って行って。
嫉妬に狂った夫との熱いまぐわいに、女はふたたび、みだらなため息を漏らしてゆく―――
つぎに餌食になるのは、自分たちのまな娘だと、愉しい直感に胸躍らせながら・・・

夫人が夫同様、「ご馳走用」のストッキングを脚にまとうのは、その日からのことだった。
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