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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

斜めに降り注ぐ夕陽のなかで 03

2013年06月30日(Sun) 21:32:48

えっ・・・ほ、本当・・・だったんですかっ・・・?
京極初子は色を喪って、さほど広くない校庭の片隅に追い詰められていた。
夏ものの白のセーラーに、濃紺のスカート。スカートのすそから伸びた脚は、薄黒のストッキングという服装だった。
ふくらはぎにぴっちりと密着した薄手のナイロンは、白い脛を妖しいなまめかしさで染めている。
初子を追い詰めた黒衣の男の視線は、その足許にいっしんに注がれていた。
ククク・・・ッ いい色の靴下を穿いているんだね。
じっくり咬み破って、愉しんで差し上げよう。

えっ・・・?えっ・・・?えっ・・・?
初子は恐怖の叫びをこらえる口許を、両手で覆っていた。
それはしかし、初子を追い詰めた吸血鬼にとっては、むしろ好都合なことだった。

初子

立ちすくむ黒のストッキングの足許にかがみ込むと、男は容赦なく、初子のふくらはぎに、飢えた牙を突き立てた。
牙に含まれた毒は、獲物の理性を、いともあっけなく奪い取ってしまうだろう。

ちゅ、ちゅ~っ・・・
生き血を吸い上げる音が、人影ひとつない校庭に、低く淫らに響き渡った。


みだれ髪を直しながら、初子は薄ぼんやりとした視線を、自分の足許に注いでいた。
―――聞いていたんです。奈子さんから。
思い切ったように切り出した様子を、男はこともなげに、受け流してゆく。
この廃校には、まだ女学生が通ってくるのだな。
ごめんなさい、偽物で。
そういう初子も、奈子とおなじ女装子だった。
偽物じゃない。
男の声色は、断固としていた。
あんたは大事なストッキングを、俺の愉しみのために咬み破らせてくれた。
すまない想いと感謝の気持ちを、お伝えしておく。
言いぐさはあくまでぶっきら棒だったが、それが無器用な彼の持ち味なのだと察すると、初子はそれ以上男を追及するのをやめた。
ごめんなさいね。奈子さんみたいに若くなくって。
そんなことはない。
男が自分の身体から吸い取った血に満足し、なおも欲情を覚えていることを、初子はすぐに察した。
なぜこんなことに、歓びを覚えるのだろう・・・?
初子は自分で自分の態度を訝りながらも、「穿き替え、持って来ているんですよ」といった。

しつような愛撫にさらされて蜘蛛の巣のように裂き散らされたストッキングは脱ぎ捨てられて、草地にとぐろを巻いた。
真新しいストッキングの封が切られ、初子の脛に引き上げられ、ふたたび不埒な唇を這わされて、チリチリに裂かれてゆく。
初子はそのあいだじゅう、くすくす、くすくすと、くすぐったそうな笑いをこらえかねているようだった。


From奈子 to初子
初子さん、こんばんは~
奈子です。お仕事いつも、大へんですね!
きょうはね、びっくりするようなことをお知らせします。
〇〇港に面した高台に、廃校があるのを発見しました!
ふだんは使われていないらしくって、奈子が行ったときには、人は誰もいませんでした。
夕陽のなかでの撮影、とても楽しかったですよ~。

でもね、初子さんはもしかしたら、来ない方がいいかも?
吸血鬼ものがお好きな初子さんなら信じてくれると思うんだけど、
この廃校ね、吸血鬼が出るんです。
廃校だと知らなくて女学生の血を吸いたさにここに来た吸血鬼が、そのまま棲みついているんですよ~。こわ~いっ。
でももし、血を吸われてもいい・・・って思うんなら、ぜひいらしてくださいね。
ここだけの話だけど。
じつは奈子も、吸血鬼さんに、血を吸われちゃいました。ポッ

吸血鬼さんは秘密厳守で、あたしたちの味方になってくれるヒトみたいです。
あたしはさっそく、お友達になりました。
ちょっと貧血になったけど、あたしが回復するまで付き添ってくれて。
それは紳士的な応対でしたよ。
脚フェチさんなのも、気が合ったところかな。
お気に入りの紺ハイソ、咬み破らせてあげちゃいました。 テレテレ
初子さんも、お気に入りの黒スト一足台無しにする価値は、じゅうぶんあるかも。
でも、奈子の彼氏ですので、誘惑だけはしないでくださいねっ。

では~




半日経った、夕暮れ刻―――
海に面したその柵ぎわに佇む女学生姿は、すっかり見慣れた背格好をしていた。
黒のストッキングを穿いた革靴が、ひと足ひと足、足許の下草をよけるようにして校舎に近づいてくる。
吸血鬼さん・・・?
奈子は待ち人の名前を、ひっそりと口にする。

校舎の昇降口

背後に忽然と現れた黒影に、奈子は振り向きもしないで、両手を胸に重ね合わせていた。
いつもあたしのこと、驚かすんだから・・・っ。
息を詰めて怖がる奈子のようすに、男はククク・・・と、いつものような嗤いを洩らしただけだった。
さいしょのときには侮辱としか受け取れなかったその嗤いが、じつは親愛の情の表現なのだと、もう奈子にはわかっている。

初子さん、来たの・・・?
ああ、来たよ。
襲ったの・・・?
ああ、ありがたく頂戴したよ。
恋人の受難をきかされた乙女のように、奈子の心は震えた。
初子さんの血、美味しかった?
ああ、美味しかった。
男の言いぐさが初めて過去形になったことで、奈子の胸に不吉なものがきざしたが、
男はそれと気づいたらしく、すぐに言った。
ちゃんと約束どおり、お家に帰してやったよ。
お礼に黒のストッキング、2足せしめさせてくれた。
男が奈子の鼻先にぶら提げた、戦利品。
それは白い脛をなまめかしく彩っていたとは思えないほどみるかげもなく裂け目を拡げ、ふやけたように初子の脚の輪郭をまだ残していた。
初子さんの脚、綺麗だったでしょ?
奈子の胸のなかに、軽い嫉妬がよぎった。
いまは、あんたのことしか目に入らない。
初子さんにも、そういったの?
もちろん、目のまえの獲物が、俺のすべてだからな。
男はどこまでも、正直だった。
もぅ。
奈子は黒のストッキングに染まった自分の足許を、忌々しそうに見おろした。
それは初子と示し合わせて穿いてきた、おそろいのブランドのストッキングだった。
どうしてこんな不埒なやつのために、わざわざ黒のストッキングなど穿いてきたのだろう?
心のなかで軽く舌打ちをしながら、けれども奈子は、男が足許にかがみ込んでくるのを、止めようとはしなかった。
なま温かい唾液が、奈子の足許を弱々しく包む薄いナイロン生地に、じわじわとしみ込んできた。

奈子は目を瞑って男の行為を許していたが、男の舌がひざ小僧のすぐ下まで迫ってくると、ふと呟いた。
夕暮れの海を見ながら、血を吸われたい・・・
男は今にも奈子の足許に食いつこうとしていたが、むき出した牙をかろうじて収めて起ちあがった。
そうして、奈子の背中に腕を回し、肩を抱きながら、ふたり並んで海の見える柵のほうへと、さほど広くはない校庭を横切っていった。

海を背にしてこちらを振り向いた奈子は、夕陽のなかで影絵のようだった。
軽くウェーブした茶髪が、濃紺の襟首に流れた。
白のラインが三本走る、昔ながらのセーラー服は、地元の中学校のものだろうか?
この街に来て日の浅い吸血鬼には、そこまでの知識はなかった。
どちらにしても、この学校は、廃校―――
そして目のまえの恋人は、その廃校に通学する女学生だった。

柵の前02

逆光になった黒ストッキングの足許は、タイツを穿いているように真っ黒に見えたが、
陽に照らされたふくらはぎは薄手のナイロン生地に、かすかな光沢さえ反射させている。
男は惹きよせられるように、奈子の足許に唇を這わせていた。
初子とおそろいのストッキング・・・だね?
わかる・・・?
ああ、舌触りがいっしょだ。
さすがに・・・通ね。
奈子はわざと舌打ちしてみせたけれど、内心男のフェチぶりに少なからず感心していた。
足許にまとわりつく舌や唇のいやらしい感触から目をそむけるようにそっぽを向きながらも、良家の子女の装いだった黒のストッキングを、男の卑猥ないたぶりに惜しげもなくゆだねていった。
本当はこんなの厭なんだけど・・・貴男だから許してあげる。
恩着せがましくそう口にするのも、忘れずに。

不意に、ぱりり・・・と音を立てて、足許を包むナイロン生地がほつれるのがわかった。
なよなよと頼りない薄手のナイロン生地の感触が、ふくらはぎから剥がれ落ちてゆく。
足許をほどよく締めつけるゆるやかな束縛感が、じょじょにほぐれてゆくのを感じながら、奈子は日常が甘美に崩壊してゆくときの小気味よい解放感を感じていた。

いいわ、その調子、もっと咬んで。もっとハデに破っちゃって・・・

目のまえで貶められてゆくのは、自分だけではない。
草地にあお向けに倒れ臥した自分の傍らで、同時に初子も堕ちてゆくような錯覚に陥りながら、奈子は放心したように呟きをくり返してゆく。
もっと咬んで、もっと辱しめて・・・

彼のなかで、初子さんとあたしの血が、いっしょになる―――。
奈子の頬は、無邪気な少女と変わらない笑みを湛えていた。



初子です。

もう吸血鬼さんから、聞いたかな?
初子も、初体験済ませてきました。^^;
ちょっぴり貧血気味ですが、まだまだ元気っ☆
撮影も手伝ってもらい、さきほど日記にアップしてみました。
もちろん、吸血鬼さんとのイキサツは、伏せてありますヨ。^^
あとで遊びに来てくださいね☆(*^^)v
血を吸われちゃうのはちょっぴり怖かったけど、奈子さんが言うように紳士的なかただったので、さいごのほうはしっかり愉しんじゃっていたカモ?
^^;
どんどん発展していく自分が、怖いです。。。
おそろいのストッキング、時間差で破かれちゃいましたね。
夕方になって、いまごろ奈子さんが襲われているのかな・・・っておもったら、なんだかゾクゾクしちゃいました。

なかなかお逢いできないけれど、おなじ吸血鬼さんに生き血の味比べをしてもらって、またひとつ奈子さんとの距離感が近づいたような気がしています。
いまごろあたしたちの血が、彼のなかで仲良く織り交ざっているんですね・・・
ちょっぴりブキミ。でもなんとなく、というか、むしょうにウレしいです。
ときどき、彼に逢いにあの廃校に登校してもいいですか?
奈子さんの彼氏さんを誘惑したりはしませんので☆
なによりも・・・奈子さんと同級生になりたいので。

さてさて、おイタなおたよりがまた、長くなってしまいました。。
明日もお仕事です。
早く寝ないと~
今夜はお互い、佳き夢が訪れそうですね☆

ではでは。
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紅白戦の帰り道
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斜めに降り注ぐ夕陽のなかで。 02

コメント

連載♪
今週やっとお邪魔出来て、ふらっと眺めていたら・・・なんとお写真付きの連載が。
モデルさんの完成度もさることながら、カメラマンさんの腕もなかなか。びっくりいたしました。
ぜひすばらしいお写真を取られたカメラマンさんにも宜しくお伝えくださいませ。
そして、脚のお綺麗なモデルさんにも♪

眼の保養をさせていただきました、と。
by 祥子
URL
2013-07-05 金 13:58:31
編集
> 祥子さま
お褒めの言葉を頂戴し、まことにありがとうございます。

由来の紹介もなくお話だけをどしんと掲載してしまいましたが、モデルさんは柏木の友人です。
まだお目にかかったことはないのですが・・・

お目の高い祥子さまからカキコをいただけたということは、このコラボは成功だったものと判断しております。^^

長年の愛読者のかたからおほめを頂戴したこと、先方にもお伝えしました。
(*^^)v

どうぞこれからも、ごひいきにお願い致します。
by 柏木
URL
2013-07-07 日 17:18:38
編集

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