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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

雑誌の挿絵が、ボクたちの未来を予言する。

2013年07月26日(Fri) 07:27:22

これが、オレ。

20101016222615 01!


こっち、おまえの嫁さん。

20101016222615 02!!!


ふふふ・・・
ユウくんは意味深な含み笑いをして、ボクの顔色をうかがう。

どう?そういうの。

吸血鬼ものの雑誌の表紙らしいその画を覗き込んだボクは・・・
思わず股間が逆立つのを感じていた。

勃ってるな?おまえ・・・

不覚にも、半ズボンの股間をさぐられて。
ボクはますます、そこを固くしてしまっていた。


かけっこは、いつもビリ。
勉強だって、そんなに得意じゃない。
だから、女の子にモテるなんていうことは、とっくの昔にあきらめていた。
結婚?そんなものはむろん、ボクらの年頃では遠い先のことだった。

けれども読書好きだったボクの想像力は、ほかの子たちの何倍あっただろう?
ボクは惹き込まれるように画を見、
ユウくんはそんなボクの様子を笑うこともなく、
得心が行くまで見せつづけてくれた。

女のひとは、大人の女性だった。
あんがいユウくんは、年増が好みだな・・・って、おもった。

でもそれは、すぐに納得してしまっていた。
彼がボクの家にしばしば遊びに来るのは、母さんの生き血が目当てだったから。
吸血鬼は、いちど招き入れられた家じゃないと、なかに自由に入り込むことはできないという。
それをどこまで意識していたのか、ボクはユウくんと母さんとを結びつける役目を果たしていた。

画のなかの女のひとは、うっとりとした表情をたたえている。
これから首すじを咬まれ、血を吸われちゃう というのに。
もしかしたら、生き血を吸い尽くされて、生命も奪われてしまうかもしれない というのに。
鉛色の皮膚をした吸血鬼のまえに、女のひとのバラ色の素肌は、いかにも血色がよさそうに映る。
その身をめぐる血潮であの鉛色の皮膚を若返らせるため、すすんで我が身を差し出そうとしているようにさえ、ボクの目には映ったのだ。

俺、おまえとはそういう関係になりたい。
ひっそりと囁くユウくんをまえに。
こういう美人がお嫁さんになってくれるんだったら・・・それも悪くないかもしれない。
ボクはひそかに、そう思った。



数年後のことだった。
良家で知られたボクの家が、ボクの花嫁をみつけるのは、ぞうさのないことだった。
話はとんとん拍子にすすんで、挙式は来月 ということに定まった。
ユウくんがお祝いを持ってきてくれたのは、そんなころだった。

ほら、やるよ。
披いた包み紙のなかからでてきたのは―――あのときの吸血鬼雑誌だった。
十年以上もまえのやり取りが、つい昨日のようによみがえってくる。

―――いいだろ?そういうことで。
―――ボクのお嫁さん、ユウくんに血を吸い尽くされちゃうの?
それってちょっと、かわいそうじゃないか?ボクもお嫁さんも・・・
そう言おうとしたボクの先回りをするように、ユウくんは違う違う・・・って、片手で打ち消した。
―――喉が渇いたときに、時どき貸してくれればいいから。
俺、おまえとはそういう関係になりたい。
含み笑いをした口許から、ユウくんの尖った糸切り歯がチラチラ覗く。
いつもボクのことを咬んで、ボクを夢中にさせてしまう、あの牙が。
それでもいいかな。こんな美人がお嫁さんになってくれるんなら・・・って思ったのは、そのときだった。

俺、おまえとはそういう関係になりたい。

美人のお嫁さんをユウくんと共有する関係。
ボクのたいせつなおもちゃを、「これ、ふたりのものね」といっていっしょに遊んだころ。
そうした記憶がまだ、ボクのなかで愉しい記憶として息づいていたからだろうか?


昔のハイソックスが、箪笥の抽斗の奥になん足か残っていた。
あれから上背の伸びたボクには、すっかり丈が短くなっていたけれど。
ボクはユウくんのまえ、それを履いて脛の途中まで引き伸ばしてやった。
これから彼女、うちに来るんだ。
それ以上なにも言おうとしないボクの目を覗き込んで。
ユウくんはひと言だけ、すまないね、と言った。
それだけでボクたちには、じゅうぶんだった。
足許にかがみ込んできたユウくんは、あの懐かしい痛痒さを、靴下ごしに埋め込んできた。

あ、あ、あぁ~っ!!
六畳間のボクの寝室に、華絵さんの絶叫が充ち充ちた。
まるで、吸血鬼映画の一コマみたいだった。
華絵さんはみるみるうちにユウくんの猿臂に抱き込まれて・・・
うなじをかぶり!と、やられてしまっていた。

大の字に伸びたピチピチとした肢体のうえに、
ユウくんは舌なめずりをして、のしかかっていった・・・
部屋のすみに伏せられた雑誌の表紙と、目のまえの現実が、初めて重なり合っていた。


行ってきますね。
ああ、彼によろしくね。

華絵さんは独身時代のショルダーバックを片手に、白一色のスーツ姿で立ちあがる。
視線で彼女を見送る彼女は、「アラお出かけ?」と呼びかける母さんに、「ええ・・・ちょっと。」と言いよどむ。
けれどもそれですべてを察した母さんは、「行ってらっしゃ~い」って、おどけた手振りで手を振るだけだった。
照れ笑いを泛べた華絵さんは、ボクのほうをもういちど、「ごめんなさいね」と言いたげに振り返ると、ドアを開けた。
親と同居の若夫婦が、夫婦ながら交代で、ユウくんに献血しているのを。
時おり仲間に混じる母さんも、すべてを熟知しているのだった。

たまの浮気もいいだろ?な?
あのときのボクに話しかけたのと同じ支配的な口調を蔽いかぶせてくるユウくんに。
華絵さんは無言だったけど・・・恐るおそる、肯いてしまっていた。
とどめを刺すようにもういちど、首すじをがぶり!とやると。
薄紫のワンピースに、ジュッ!と血が撥ねて。
ヒッ・・・!と喉の奥から悲鳴をあげた華絵さんは、それきり黙りこくってしまっていた。

ボクの未来の花嫁は、ボクの部屋のなか、ボクの目のまえでねじ伏せられて。
チュウチュウとあからさまな音を立てて血を啜られてゆく。
処女の生き血が・・・お好きなんですね?
春原さん、いいの?わたくしがこのかたに献血するの、お咎めにならないの・・・?
終始わたしの態度を気にかけながらも、ギュウッと抱きすくめられた猿臂のなかで。
華絵さんは身もだえに悩ましさを滲ませながら、強引な献血に応じ始めていた。
あの雑誌の挿絵の美女みたいに、自分の身体をめぐる処女の生き血を、心ゆくまで愉しませちゃっていた。



処女の生き血を捧げる儀式を、婚約者同席のうえなんども遂げた華絵さんは、
ある晩真夜中にうちに電話をかけてきて。
これから彼に招ばれているの・・・って、ひっそり囁きかけてきた。
傍らの母さんはゆったりとほほ笑んで、おめでとう、って言ってくれた。
ボクも行くから・・・返事をするとき、いつになくドキドキしちゃっていた。

あれ以来。
彼女は時折彼の呼び出しを受けては、喉をカラカラにしたユウくんのため、若妻の血潮を分けてやっている。
ああもちろん、そのあとに・・・熱い吐息を交し合うあの儀式さえも、遂げられてしまうのだ。
「俺、おまえとはそういう関係になりたいから」
ユウくんの含み笑いに、悪意はひとかけらも、混じっていなかった。

そろそろいいんじゃない?
母さんが、イタズラっぽい含み笑いをして、こちらを窺う。
お父さんもこれくらいの感じで、あとを追いかけてきたわよ。
へえ・・・
感心したように母さんを見、茶の間でひっそりと新聞に顔を埋めている父さんのほうも覗き見ると、
ボクはそわそわと、外出の支度にとりかかっていた。
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