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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

少年の太ももと、母親のうなじと。

2013年08月03日(Sat) 21:43:36

制服姿で家に戻ってきた息子のタカシが、着替えもせずに紺のハイソックスだけを履き替えるのを、洋子は薄ぼんやりとした目で眺めていた。
夕べ洋子を襲った、嵐のような凌辱。あれはいったい、ほんとうに起きたことだったのか?
もしもそうだとしたら・・・
その嵐をこの家に持ち込んだのは、ほかならぬ彼女の息子だったのだ。

見知らぬ初老の紳士を連れて勉強部屋に籠り切りになった息子の様子が、気になって。
お紅茶を淹れて部屋のドアをノックしたが、返事はなかった。
思わず開けてしまった扉は、まるでパンドラの箱の扉のようだった。
彼女は、視てはならないものを視てしまったのだ。
タカシが血を吸われている・・・?
机に突っ伏した息子から顔をあげた男は、素早い身のこなしで彼女の傍らにまわり、お紅茶のお盆を受け取ると、中身をこぼさないように傍らに置いた。
「ど、どういうことですの・・・?」
怯える目線を捕らえたのは、加虐を好みとするものだけが持つ、兇暴な瞳―――
気がついた時には、両肩をがっちりと掴まれていて。
いやいやをするうなじに、鋭利なものの切っ先がカリリと突き立つのを感じた。
それがすべてだった。
身体の力が抜けるような陶酔は、いましがた息子が味わったのとおなじものなのだろうか?
畳の上に横倒しにされた洋子の目のまえにあるのは、まだ机に突っ伏したままの姿勢でいるタカシの足許―――制服の濃紺のハイソックスは半ばずり落ちて、ふくらはぎのいちばん肉づきの豊かな部位には、くっきりと浮いたふたつの痕。
今しがた自分が首すじにつけられてしまったものと、おなじ痕だった・・・

ちゅうちゅう・・・
くいっ。くいっ。
ぐびり。ごくりん。

露骨なもの音とともに、意識が遠のいてゆく。
わたしたちの血を、どれだけ吸い取るつもりなの?
どうやら、死なせるつもりはないのだけが、意識の奥まで伝わってきた。
吸血鬼は、血を吸いながら自分の意思を伝えるのか・・・
洋子はただただもうろうとなって、相手の求めるところの己の血潮を、ひたすら吸い取られてゆくしかなかった。畳のうえに、抗う力の抜けた手足をだらりとさせた姿勢のまま、ただただ無抵抗に・・・
それをいいことに、普段穿きのスカートのすそをそろそろとたくし上げられてゆくのを、もうどうすることもできなかった。
気絶したふりをしている息子が、突っ伏した腕のすき間から、チラチラ覗き見しているような気がしたのは、ほんとうにただの錯覚だったのだろうか?
あなた、あなた、ごめんなさいっ!
吶喊の瞬間には、思わず夫の名前を、口走っていた。
歯を食いしばってかぶりを振って、辱めに耐える人妻を演じたのは、つかの間のこと。
ストッキングを降ろされた彼女は、太ももを撫でる外気を空々しく感じながら、ウンウンとうめき声を洩らして、男に降伏を告げていた。
そのときの疼きが、まだ股間に滲んでいる・・・



夕風がひっそりと、老いた頬を撫でていた。
待ち合わせた公園の一隅にしつらえられたベンチに、彼はひっそりと腰を下ろしていた。
ここからなら、公園の入り口から誰が入ってきても、俯瞰できる場所。
男は赤らんだおとがいをあげ、入り口からまっすぐにこちらに向かってくる人影を捕らえていた。
濃紺のブレザーに、白のワイシャツ。半ズボンもハイソックスも、濃紺だった。
まだ少年というべき年恰好の彼は、丘のうえのベンチに求める人をみとめると無邪気に白い歯をみせて、足取りを一層軽くした。

「小父さん、待った?」
速足になって丘を昇りつめたタカシは、軽く息をはずませていた。
その生気が―――渇いてささくれ立った本能を、心地よく逆なでする。
伸ばされた猿臂に応じるように、少年は小父さんのすぐ隣に腰かけた。
「ほら、新しいやつに履き替えて来てやったよ。きょう、ママがたくさん買い置きしてくれたんだ」
少年は、ずり落ちかけたハイソックスをむぞうさに、ひざ小僧のあたりまで引っ張り上げた。
ハイソックスのゴムがピチッとかすかな音を立てて皮膚を打つ。
「ふふふ・・・」
少年はくすぐったそうに、含み笑いをする。
「よかったね。ママを仲間に引き入れといて。きょうもボクが小父さんと待ち合わせているって知りながら、行ってらっしゃい、って、送り出してくれたんだよ。まるで登校するときみたいにね」
自分が仕組んだ冒険が収めた成功に、彼は鼻高々のようだった。
いったいどこまで、昨日の仕儀を心得ているのだろう?
老人はちょっぴり訝りながらも、傍らの骨細な身体をグイと引き寄せた。
「あっ、もうっ!意地汚いんだからっ」
口では憎まれ口をたたきながらも、少年は小父さんにしんそこ参っているらしい。
首すじに突き立ててきた牙のまえに、すなおに素肌をさらすと、グイッと食い込んでくる太い牙に、「あーっ」と声を洩らしながらも、目を細めて耐えている。

「ひ、貧血ぅ・・・」
頭を抱える少年の様子にはお構いなく、老人は紺のハイソックスの足許にかがみ込んでゆく。
少年も、もはや血を与え惜しむつもりはないらしい。
陽射しを受けてツヤツヤとリブを輝かせた真新しいハイソックスのふくらはぎをすらりと伸ばして、老人の欲求に応えようとしている。
「制服のハイソックス咬み破られちゃうのってさ・・・さいしょは抵抗あったんだよ。なんだか、クラスのみんなを裏切ってるみたいな、後ろめたい気分がしてさ。でもいまは、平気。ボクの仲間は意外に多そうだし、制服汚すのって小父さん好きなんだろ?」
すこしだけ蒼ざめた頬を夕風にさらしながら、少年はうわ言のように呟きつづけた。
じじつ、彼の親友のユウタくんも、タカヤくんも、紺のハイソックスを毎週、自分の仲良しの小父さんに咬み破らせてしまっていた。

「ひとつ、訊いてもいい?」
少年の問いに、老人はかすかに頷いた。
口許に散ったうら若い血潮を、手の甲で拭いながら。
少年は苦笑しながらポケットからハンカチを取り出して、老人の手の甲を拭いた。
「ママの血を欲しがったのは、ママが女だから?やっぱり血を吸う相手って、女のひとのほうがいいのかな」
老人は即座に、一笑に付した。

なんだ、そんなことを気にしていたのか・・・
お前の母ごを襲ったのは、お前の太ももをおおっぴらに咬みたくて仕方が無かったからじゃ。
自分の息子が、太ももに咬まれた痕をつけて帰ってきて、気にしない母親はいないだろうからな。

少年は、老人の応えに満足したようだった。
「じゃあ、もう片方の脚も、咬ませてあげる」
じゅうぶん貧血になった頬をあらわにしながら、少年は老人がまだ潤いきっていないのを知っていた。
すまないね。
老人は少年の心遣いをどこまでわかっているのか、まだずり落ちていないほうのハイソックスのふくらはぎに、もの欲しげな唇をすりつけていった。



ほんとうは、女ひでりだったのだ。
性欲のはけ口になる女が、欲しかった。
たまたま自家薬籠中のものになった少年が、自分の母親を紹介してくれるというその好意に甘えて家に訪ねていったまでだった。
相手はほんとうは、だれでもよかったのだ。

息子のハイソックスを存分に濡らした唇が、その母親のストッキングを、ふしだらにあしらっていた。
女のあしらいは、みごとなものだった。
もちろんそれは、素人女性である専業主婦としての振る舞いだった。
清潔なものを汚すのが、彼の好みだったから。
彼女の示した羞じらいも、ためらいも、うろたえた表情も、見ごたえがするものだった。

「さすがはタカシくんのお母さんだ。佳い血をお持ちになっている」
ぐったりと横たわった母親に対する、吸血鬼らしいそんな賞賛を耳にしたタカシは、嬉しいような、照れくさいような、くすぐったそうな笑いを浮かべていたけれど。
じっさい母子の血の香りは、よく似通っていたのだった。
老人はタカシの目の前で、彼の母親の太ももの奥に、煮えたぎった己の欲情をどくんどくんとたっぷり吐き出した。
そうすることが、きょうの機会をセッティングしてくれたタカシにたいする、なによりの返礼だと思い込んでいるように。
彼女の腰周りに巻きついたスカートのなかに、果たしたこととはいえ。
どろどろとした粘液は、すこしはタカシの目を捕らえたに違いない。
けれどもタカシは、そのあいだずうっと、呆けたような笑みを湛えて、母親の受難をへらへらと笑いながら見過ごしにしたのだった。

女が脚に通していた、なよなよとした薄手のナイロンストッキングは、息子がしばしば破かせてくれているハイソックスのしなやかなナイロン生地と同じくらい、吸血鬼を魅了した。
代わる代わる、可愛がってやるからな。
声にならないそんな呟きが、タカシの母親に伝わったのだろうか?
気のせいか、気を喪ったはずの彼女が、かすかに頷いたような気がした。



長い長い口づけのあと―――
タカシは抑揚のない声色で、呟いた。
「今夜、ママが待ってるよ。パパ、夜遅くに帰って来るんだ」
吸血鬼はニヤニヤとほくそ笑みながら、少年に訊いた。

パパの帰りとかち合ったら、どうするのだ?

「べつにいいんじゃない?パパとも仲良くしてくれるんだったら・・・
 ママと仲良くしているところ、パパにも見せてあげるといいよ」

図星をすべて言い当てられて。
吸血鬼は気を喪った少年の黒髪を、幾度もいとおしげに撫でつづけていた。
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