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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

母を犯される少年と妻を犯される男

2013年08月14日(Wed) 07:24:30

公園のまん中にある大きな樹の木陰に入ると、ユキヤは歩みを止めた。
上背の伸びた身体つきに、濃紺の半ズボンの制服がよく似合っていた。
おなじ色のハイソックスが、ゆるやかなカーブを描いた脚線を、キリッと引き締めている。

佇むユキヤを認めた黒い影は、少年を傍らのベンチへと導いた。

ふたりの動きは、申し合わせたように息が合っていた。
少年が、ベンチに腰をかける。
黒い影が、少年の足許にかがみ込む。
少年が、紺のハイソックスの脚を見せびらかすように差し伸べる。
黒い影が、ハイソックスをくしゃくしゃにずり降ろす。
そして、むき出しになった白いふくらはぎに唇を這わせてゆく。

赤黒く爛れた唇が、自分のふくらはぎをヌルヌルと這いまわるのを、ユキヤは肩をすくめて見おろしていた。
「やらしい。なんか、やらしい・・・」
くすぐったそうに、呟きながら。

ヒルのように醜く膨れあがった唇の両端から、尖った牙がチカリと光る。
「いいよ」
少年が臆せずそう囁くと、牙は待ちかねたように、白い皮膚に刺し込まれていった。

ズブズブと根元まで埋め込まれた牙に、少年はのけぞって白い歯をみせた。
「ぁ・・・」
喉の奥から洩らしたうめき声は、引きつったかすれ声。
男は構わずに、少年の生き血を啜りはじめた。
ジュルジュルと、汚らしい音を洩らしながら・・・

「おいしかった・・・?」
頬を心持ち蒼ざめさせながら、そう訊いた。
男はしきりに口許を拭いながら、無言で頷いた。
返事をかえすゆとりもないほどに、少年の血に魅せられたらしい。
ユキヤは男のそんなようすに、初めて満足そうな笑みを泛べた。
「週2で間に合うの?」
「ああ、血だけで生きてるわけじゃないからね」
男はやっと、口がきけるようになっていた。
「ふだんは、人間と変わらないんだって?」
「いままでどおり会社勤めだってしているよ」
「不思議だ・・・」
血を吸われると吸血鬼になっちゃうというのが通り相場なのに、
この街に巣食う吸血鬼のやり方がすこし違うということは、母親からも聞かされていた。
仲間を増やしすぎないために、血を吸われた人間は半吸血鬼にしかならなくて、
表向きはふだんどおりの生活を続けることになる彼らには、吸血衝動はたまにしか訪れないという。
もっとも、吸血鬼に血を吸われた人間が半吸血鬼になったのを身近に見たのは、目の前にいる自分の叔父が初めてだったけれど。

男が咬んだ痕が、白い皮膚にくっきりと赤黒く、ふたつ綺麗に並んでいる。
少年は惹き込まれるように、ふくらはぎにつけられた噛み痕に見入っていた。
どこか、ウットリとした目つきだった。
くるぶしまでずり降ろされたハイソックスを、左右交互にゆっくりと引き伸ばして、
両方のふくらはぎにつけられた噛み痕を、隠していった。
「母さんにばれないようにしなくちゃね」
照れ笑いを含んだ眼差しは、イタズラの共犯者を見つめる共感を帯びていた。

「週末、叔父さんの家に招ばれてるんだけど」
「ああ、母さんといっしょに来なさい」
「なにか、たくらんでる?」
「長老をふたり、お招びしている」
「じゃあ、そのひとたちが・・・?」
「きみの相手は、ぼくがする」
「もうひとりの長老は・・・?」
「女房を紹介する」
相手は、かれ自身の血を吸い尽くした男だという。
「もともとぼくを狙ったのは、女房の生き血が目当てだったらしいんだな」
そんなことのために血を全部抜かれるなんて・・・といいながら、男はあっけらかんと笑っている。
ひとりの吸血鬼に夫婦ながら血を吸い取られてしまうというまがまがしいはずの出来事を、割り切って理解しているようだった。
半吸血鬼になって変わってしまうのは、心の内面や人生観なのかもしれない。
「きみはなにも知らないふりをして、母さんといっしょにうちにくること。いいね?」
言い聞かせるような口調にユキヤは苦笑しながら、「ハイ、よくわかりました」と、おどけて応えた。

立ち去ってゆく少年の歩みを、男はいつまでも見送っていた。
濃紺のハイソックスに滲んだ血潮は、生地の色に紛れて遠目にはほとんど目だたないのを確かめるように。



あっ・・・あっ・・・あっ・・・
女ふたりは洋間のじゅうたんにワンピース姿の身を横たえながら、あえぎ声を洩らしつづけていた。
ふたりの足許にはそれぞれ、年配の男たちがごま塩頭やテカテカとした禿げ頭を覆いかぶせるようにして、唇を吸いつけている。
ユキヤの母親には、禿げ頭が。
美智夫の妻には、ごま塩頭が。
ふたりの女たちは、肌色のパンストをブチブチと咬み破られながら、じわじわ・・・チュウチュウ・・・と卑猥な音を立てながら生き血を吸い取られていった。

「いいの?奥さんのこと襲わせちゃって」
隣室で叔父とふたりになったユキヤは、白い頬にイタズラっぽい笑いを泛べた。
そんなことを言いながら、かれ自身は、母親を押し倒されてしまっていることにさほどの嫌悪感を抱いていないらしい。
卑猥な意図を帯びた年配男の猿臂がよそ行きのワンピース姿を着くずれさせてゆく有様を、時おり遠目に盗み見ては、辱められてゆく母親の受難を冷やかに愉しんでいるようだった。
「これで、きみの制服もおおっぴらに汚せるな」
美智夫はそういうと、ユキヤに目の色を変えてのしかかってゆく。
「ぁ・・・」
こういうときにユキヤがあげる圧し殺したようなうめき声が、美智夫は好きだ。
唇を這わせたのは、首すじだった。
「きみの学校では、お休みのときでも外出するときには制服を着る校則になっているんだね」
「う・・・うん・・・校則なんか、良いからさ・・・」
ユキヤの声色は、昂ぶりに震えていた。
首すじを咬ませるのは初めてだった。
自分がまるで、吸血鬼ものの映画のヒロインになったような気がした。
飢えた唇が、うなじの薄い皮膚をまさぐるのを、むしろ陶然として受け容れてゆく。

「あぁあ・・・」
母親の悲しげな声が、隣室からあがった。
「姦られちゃったみたいだね」
少年は、ほろ苦い笑みを洩らす。
「う、ううぅ~っ・・・!」
こんどはユキヤの母とはべつの声色が、悔しげな歯噛みを洩らした。
「奥さんも、犯されちゃったみたいだね」
くすぐるような囁きに、美智夫の股間が逆立つのが、着衣越しにありありとわかった。
「こ、こうふんしちゃ・・・ダメだよ・・・っ」
いつもふくらはぎに感じる痛痒い感覚が首すじをよぎり、しつような接吻がくり返される。
きゅうううううっ・・・
血を吸いあげられる勢いの強烈さに、ユキヤは眩暈を覚えていた。



「きょうの集いは、なんの名目?」
「たんなる昼食会さ」
「母さんにドレスアップさせたのは、どうして?」
「女どもは、洋服自慢をしたがるからな」
「昼食の後は、どうなるの?」
「吸血鬼の長老格がふたり、やってくる」
「そのひとたち、なにをするのかな」
「狙いはむろん、女たちさ」
「でもいいの?叔母さんまで襲われちゃって」
「そう言う約束だからな」
「どっちがどっちを襲うの?」
「ぼくの血を吸い尽くしたやつが、女房を。もうひとりが、きみの母さんを」
愚問に近いやり取りを、少年は愉しげにつづけた。
共犯者の叔父がいちぶしじゅうを語るのが、面白くて仕方ないらしい。
ふたりの問答のむこう側で、時おり切れ切れに、女たちの悲鳴がきこえる。

「美智夫夫人は、めでたく浮気女房に堕落しました」
「はい」
「うちの母さんも、立派に淫売の役を果たしました」
「はい」
ははは・・・
男ふたりは、声を合わせて笑った。
「よくできましたから、ご褒美をあげます」
ユキヤは制服の半ズボンのすそから覗く太ももを、伸びやかにさらした。
「母さんはボクが血を吸われることについて、とやかくいうことはなくなるだろうね。
 だから、きょうは太ももを咬んでもいいんだよ」
少年の太ももは、濃紺の半ズボンとハイソックスに挟まれて、なまめかしいほど白い皮膚を輝かせていた。
チクッと突き刺してくるほろ苦い痛痒さに、少年はクスッと笑い白い歯をみせた。
「あ~、たまらない・・・」
ズブズブと埋め込まれてくる尖った牙に、少年は隣室に聞こえてしまうのもはばからず、声をあげた。
「もっと咬んで。もっと酷く、ボクの肌をいたぶって・・・」
いったん引き抜かれた美智夫の牙は、もう片方の太ももへと切っ先を閃かせた。
「痛(い)ったーッ!この痛さ、た、ま、ら、な、いっ・・・」
隣室の女たちが聞き耳を立てているのが、伝わってくる。
「叔父さんほんとうは、ボクのハイソックス噛み破りたいんだろ?きょうは破らせてあげてもいいよ」
母さんと叔母さんの、記念日だからね・・・少年はそうつけ加えた。
「わざわざ叔父さんのために、新しいやつ履いてきたんだぜ?」
これ見よがしにくねらせたふくらはぎを包む学校指定のハイソックスは、真新しいリブをツヤツヤとさせている。
よだれの浮いたべろをなすりつけられると、少年は嬉しそうに、「やらしいッ!」と、声をあげた。


「・・・粗相をしたの?」
決まり悪げに問いを投げる母親に、ユキヤは平然としていた。
「叔父さんがね」
首すじを吸われているときに放出された粘液で、半ズボン濡らされちゃった、と、辺りに聞こえないように小声でつづけた。
ひそめた声色が、意図的な淫靡さをかもし出して、母親の鼓膜をついた。
「どうするの?これから・・・叔父さんとお付き合いをつづけるの?」
「ウン、そのつもり」
「身体は大丈夫なの?」
「週2でいいっていうからさ。ほんとうは毎日でも逢いたいんだけどね」
「そんなにお逢いしたら・・・あなた・・・」
「だいじょうぶ。叔父さんはボクの血を気に入っているから、吸い尽くされたりはしないと思うよ。ほんとうは全部あげちゃっても、いいんだけどね」
「お父さんの出張の間だけですよ」
「父さんが帰ってきたときには、ふたりとも吸血鬼になっちゃっていたりして」
ユキヤはどこまでも、イタズラっぽかった。

別れぎわ、叔父が囁いた言葉を、母親には知られないように反芻していた。
―――家に着いたら、母さんがワンピースを着ているうちに後ろから抱きすくめておやり。
―――ぼくがきみにしたように、首すじを吸ってみておやり。
―――それからぼくがきみにしたように、しておあげ。そうすればきっと、お口直しになると思うから。
母を犯す。
隣を歩いている女が放つ息遣いのなまなましさは、情事の直後だからだろうか?
おなじ情景を我が家で再現することに、少年はもうなんのためらいも感じてはいなかった。
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