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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

お見合い後の”儀礼”

2013年10月07日(Mon) 07:38:51

1.
わたし、処女なんです。

お見合いの席で二人きりになると、奈津枝さんは唐突に切り出した。

はぁ・・・

なんとも、間の抜けた返事になってしまった。
けれどもわたしの声色にかすかな昂ぶりが秘められているのを彼女は聞き逃さなかったし、
わたしのほうでも彼女が聞き逃さなかった気振りを見せたのを、見逃さなかった。
それくらいに、「処女」ということにある種の反応をしてしまうのは、いまどき古いとわかっていても。
彼女のほうでもまた、「処女」ということにきっと、こわだりを持っていてくれたのだろう。
ところが、つぎに彼女が口にした話は、わたしの理解を越えていた。

でもわたし、処女のままお嫁に行くわけには、いかないんです。

え・・・っ?

こんどははっきりと、わたしは不審と驚きの色をあらわにした。
もう、見逃してもらう必要など、なさそうだった。
彼女はわたしのなかのなにかを見定めて、勝負をかけようとしてきている―――
そんなこと、いままで生きてきた三十年近い人生の中で、まったく初めてのことだった。



わたくしの田舎では、村を出て嫁いでいく娘は、処女のまま嫁ぐことはできないことになっているんです。
もしわたくしが貴男と結婚するとしたら、そのまえに村のだれかに処女を捧げなければならないのです。
すでに、相手も決まっています―――伯父です。

さっきまでここに座っていたひとのこと・・・?

わたしが指さした椅子に座っていた初老の男は、いかにも田舎じみた素朴さを、あっけらかんと滲ませていた。

はい。

うつむいた横顔が、含羞に赤らんでいる。
これ以上いったい、どういう会話を交わせと言うのだろう・・・?


2.
祝言は、11月と決められていた。
あれから話は、とんとん拍子に進んでいったのだ。
わたしたち二人は、あたかも運命づけられたかのように話が弾み、好みも合い、生き方も似ているようだった。
お見合いをしたあのホテルで二人きりで会った時。
奈津枝さんがひっそりと、囁きかけてきた。

あなた、御覧になる・・・?

え?なにを・・・?

わたくしが・・・初めて抱かれるところ。

えっ。

度肝を抜かれたわたしは身体を硬くして、しかし不覚にも、股間の一物まで、硬くしてしまっていた。
どうしてこんなときに、勃つのだろう?
われながら不思議だったけれど、はっきりしているのは―――彼女にそれを、見透かされてしまった・・・ということだった。

御覧になっていただきたいの。せめて・・・

奈津枝さんはそれ以上口にせず、頬を赤らめたあのときとそのままに、含羞を漂わせた。
初めての痛みを覚えるとき、彼女の細い眉はどんなふうにひそめられるのだろう?
このノーブルに整った目鼻だちを、どんなふうにしかめるのだろう?
あらぬ想像がむらむらと沸き起こって、わたしは不覚にもまた、股間を逆立ててしまっていた。



3.
招き入れられたのは、彼女の伯父の家だった。
古びた日本間には、黴臭さに似た古木の香りが充ちていた。
伯父の妻は、もう50は越しているはずなのに、美しいひとだった。
けなげにも身代わりを申し出てくれたのだが、わたしは遠慮をしていた。
都会人としての常識がそうさせたからではない。
彼女が破瓜を遂げるその瞬間を、目にしたかったから。
その彼女はいま、わたしの傍らに、わたしの婚約者として、真っ白なスーツ姿で、楚々とした羞じらいを漂わせてうつむいている。

ささ、こっち来なされ。

伯父が奈津枝さんの手を引いた。
ほっそりとした、白い手だった。
わたしは思い切って、畳に額をこすりつけていた。

どうぞ・・・うちの奈津枝をよろしくお願いします。

奈津枝さんは、びっくりしたようだった。
けれどもわたしの反応は、彼女を不審がらせるよりはむしろ、安堵に導いたようだった。
彼女はおっとりとほほ笑んで、わたしに会釈を返してくる。
伯父は彼女の手を握り締めたまま、

あ・・・いや・・・

と、こっけいなほどうろたえて、けれどもすぐにちゃっかりと、なん度もぺこぺことお辞儀を返してきた。

まったく、うちの人ったら。

改まった着物姿の伯父の妻も、口に手を当てて笑みをこぼした。
来月わたしの花嫁になる女(ひと)は、挙式当日のように緊張した面持ちをして。
口許をきりりと引き締め、眉をあげて。
純白のストッキングのつま先を、次の間にすべらせてゆく―――



4.
熱っぽい交歓が、まだ網膜のすみずみにまで、灼きつけられている。
白のスーツを着くずれさせた奈津枝さんは、振り乱した豊かな黒髪を乳房に絡みつけながら、犯されていった。
その瞬間、伯父の唇にみずからの首すじを愉しまれながら、不精ひげの頬に圧しつぶされそうになった口許を、ハッと開いて。
「ああああ・・・ッ。トシキさん。ごめんなさい・・・っ」
わたしの名前を呼んだのだった。
かりに二人きりの秘め事になったとしても、その瞬間花婿になる人の名前を呼ぶことになっていたという。
彼女はわたしのまなざしをありありと感じながら、それこそしんけんに、わたしの名前を口走っていた。

それからあとのことは・・・とても描けやしない。
いちど侵入を受け容れてしまった奈津枝さんは、しんそこ感じてしまったのだ。
何度も何度もせがんで、わたしの見ている目のまえで、
戸惑いながらもお尻を突き出し、ぶきっちょに腰を使い、
はぁはぁと迫った息遣いに肩をはずませながら、伯父の精液をたっぷりと、そそぎ込まれていったのだった。

ズボンが乾くまでの間、お相手しますからね。

伯父の妻は、落ち着いたものだった。
昂ぶりのあまり不覚にもズボンを汚してしまったのを見て取ると、わたしにズボンを脱ぐように促して、

しばらく、二人きりにしてあげましょうよ。

謎めいた笑みに、大人の媚態を滲ませていた。
手の甲に添えられた彼女の掌は、ひどく柔らかだった。



5.
里帰りのたびに・・・逢うんじゃないかな?

うっつらとした調子でわたしが呟いたのは、都会で行われた結婚披露宴の真っ最中だった。

もう、あなたったら。
両隣りにいる仲人であるわたしの上司に気取られないように、奈津枝はわたしを小突いていた。

そうね。里帰りのたびに・・・そうかもしれないな。
向こうで、機嫌よさそうにコップのビールを干した奈津枝の伯父に、わたしの母がお酌をしている。

あのふたり、お似合いじゃないかしら?伯父は気に入ったみたいよ。

奈津枝は怖ろしいことを、ひっそりと口にする。
そして、わたしの股間にさりげなく手を置いて、そこに昂ぶりがあるのを確かめると。

だいじょうぶ。お義父さまを通すって言っているから。

親父が納得するかな。

貴男だって、納得したじゃないの。

そうだね。じゃあ、さいしょの里帰りの時に、両親も連れて行こうか。

それがいいわ。正月早々、めでたい席になるわよ。

わたしはすぐ傍らにいる奈津枝の腰を引き寄せた。
純白のウェディングドレスの分厚い生地ごしに、豊かな太ももがありありと感じられる。
両脇の仲人はなにかを感じ取ったようだったが、
「お盛んだね」「視ないようにしてあげましょうよ」
そんな配慮が、感じられた。

お義母さまのあとは、上司夫人も捨てがたいかも。
おいおい、、あっはっは・・・
わたしはたまたまビールを注ぎに来た友人と声を合わせるふりをして、妻のアイディアに賛成しかかっている。
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