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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

幼馴染の息子。

2013年10月27日(Sun) 08:27:53

「あの・・・男子の血でも、いいんですか?」
やって来たのは、十代の男子。
がたいは大きいけれど、身体ぜんたいの雰囲気はふわあっと弛んだ感じ。
色白で大福もちみたいな四角い顔のまん中に、小心そうにちまちまと整った目鼻が寄せ集まっている。
顔だちは、親父の沼尻そっくりだった。
美形というわけではなかったけれど、おおらかそうな人柄が、顔つきや態度のすみずみにまで、にじみ出ている。
ゆったりとした・・・というよりは、のろまな印象の動作。
律義な・・・というよりは、おどおどとした言葉づかい。
太り気味の身体つきは、お袋譲りの白い皮膚に蔽われていて、
半そでのワイシャツから覗いた二の腕も。
濃紺の半ズボンからむき出しになった太ももも。
ひざ小僧の真下までぴっちりと引き伸ばしたハイソックスに包まれたふくらはぎも。
むっちりとした、噛みごたえのようさそうな柔らかい筋肉を帯びている。

親父の沼尻は、幼馴染だった。
吸血鬼と人間とが共存するこの街で、おなじ学校に通っていて。
俺が喉をカラカラに渇かすと、「しょうがねーな」って言いながら。
サッカー用のストッキングに包まれた、丸太ん棒みたいにごつごつとした脚を、気前よく差し伸べてくれた。
試合を控えたときなどは、「ちょっとだけ待ってくれよな」と2時間ほど待たされて。
靴下気違いと陰口叩かれた俺のために、泥だらけになったストッキングをわざわざ履き替えて、
待ち合わせの公園まで、試合に疲れた足を運んでくれた。
武骨なカーブを描くサッカー用ストッキングの縦じまに、昂ぶりを覚えながら食いつくと。
鎧のような筋肉の歯ごたえに、思わず「硬てぇ・・・」とか、勝手なことを洩らしていた。

沼尻のお袋の首っ玉にも飛びついたことがあったし、彼女ができたときにも、連れてきてくれた。
それがいまのあいつの、女房だった。
結婚とほとんど同時に都会に出た沼尻が、年ごろになった子供たちを連れて戻ってくると。
相も変わらず喉をカラカラにしている俺を見かねて、「うちのトシヤなら」って、自分の息子を差し向けてくれた。
それが、自分の親父の幼馴染の吸血鬼だという俺の前でおどおどしている、この太っちょな少年だった。
自分の跡取り息子の血を吸わせるなんて、ひどい親だと思うかもしれないが。
この街の平和はそういうことで成り立っていたのだから、だれもが多かれ少なかれ手を染めていることだった。
むしろ周りの者たちは、沼尻のしたことを、「相変わらず仲好いんだね」と片手間に口にしただけだった。


「べつにそんなに、身構えるこたぁ、ない。ふつうにしてりゃ、すぐ済ませるさ」
びくびくしているトシヤに、俺は余裕綽々と応えていた。
「ふつうに・・・って、言われても・・・」
落ち着きを失くしている少年に、俺は仕方なく、そこの机についてきょうのおさらいでもしたらどうだ、とすすめた。
勉強は、できるほうだときいている。
少年は学生鞄から教科書とノートを取り出すと、不承不承だったけれども大人しく自習をはじめた。
家でも従順な息子に、ちがいなかった。
長時間身の入らない勉強に時間を費やさせるのは気の毒だったので、俺もそうそうに、俺の役目を果たすことにした。
机に向かっている少年の後ろから迫って、肩を抱き、反対側の首すじに、髪の毛のすき間から指を添わせる。
ビクッとして身をこわばらせた少年を、そのまま身動きも赦さずに・・・首すじに咬みついた。

あう・・・っ!
さいしょのひと咬みは、とてもたいせつなのだ。
それで苦痛しか感じないのと、ウットリしてしまうのとでは、あとあとあとに違いが出てくる。
咬む側の技量にもよるが、咬まれるほうの資質の問題でもある。
―――どうやらこの子には、素質がありそうだった。
俺は、ひさびさにありつく若い子の生き血に夢中になって、少年の肩にむしゃぶりつくと。
ピチピチとした活きの良い血液を、チューッと音を立てて、勢いよく吸い上げていた。

こわばる四肢が力をなくして、身構えた姿勢がじょじょに崩れてゆく。
眩暈にクラクラとしたらしいトシヤは、頭を抱え、しきりに弱々しいうなり声を洩らして、
血を吸われるのを厭うように緩慢に身体を揺らしながら、机のうえに突っ伏していた。
俺は机といすのあいだにもぐり込むようにかがみ込んで、
半ズボンのすそからむき出した、少年の太ももを牙で狙った。
男の子にしてはきめ細かい皮膚が、ツヤツヤとした輝くような白さを滲ませている。
吸いつけた唇の下でしなやかな肌が弾み、その下に秘められた血管をめぐるかすかな脈動が俺をワクワクとさせた。
静かに埋め込んだ牙に、意識の遠のきかけた少年が、ふたたびうめき声をあげた。

「すみません・・・ちょっと横になっても、いいですか?」
トシヤに言われるまでもなく、俺はすぐ傍らのソファに、少年を導いた。
ソファを蔽っている深紅の布には、もういく人の血潮が沁み込んでいるのだろう?
そのなかにはかれの両親のそれさえ織り交ざっているのだと、まだ教えるには早そうだった。
俺は少年をうつ伏せに寝かせると、濃紺のハイソックスを履いた足許に、容赦なく牙をきらめかせる。
「すまないね、きみ。ちょっと悪戯させてもらうからね。きみ達が学校に履いていくハイソックス、お目当てにしてたんでね」
「あ・・・はい・・・」
あらかじめ親から言い含められていたのか、少年はけだるそうに身じろぎをしただけだった。
すらりと伸びたふくらはぎに沿うように、リブ柄のハイソックスの縦じまが、ゆったりとしたカーブを描いている。
しっとりと落ち着いた濃紺。
真新しい生地は、かすかな光沢をよぎらせていた。
しなやかなナイロン生地のうえから、俺はむぞうさに唇を圧しつけると。
ヒルのようにぬるぬると這わせていって、粘っこいよだれをじわじわと、しみ込ませてゆく。
少年のふくらはぎの筋肉が嫌悪にこわばるのを、靴下ごしに唇で感じながら。
俺はふたたび、餓えた牙をハイソックスのうえから突きたてていった。
侵した皮膚のすき間からあふれ出る血潮に、ぞんぶんにい唇を浸して。
歓喜にむせ込んだ喉を、心地よくゴクゴクと鳴らしていった。



それ以来、トシヤは週に2回、俺に血を吸われにやって来た。
色白のおどおどとした顔立ちに、躊躇と遠慮とを滲ませながら。
勉強もあれば、部活もある。そのあいだに時間を工面して、逢いに来る。
それから数時間はきつい貧血で立てないほどになるような行為に時間を割くのは、決して容易なことではない筈だった。
けれども彼は、親から厳しく言われているのか、指定した日時をたがえることはなかった。

「ごめんなさい。きょうは、履き古しなんです。いいですか?」
遠慮がちな上目遣いの目線をビクビクさせながら、トシヤは俺の機嫌を窺ってくる。
「学校の購買にも在庫がなくって。きょう、母が新しいのを買いに行ってくれてるんですけど、間に合いそうもなくって」
おずおずとした言い訳をしながら、本能的な後ずさりだけはつい出てしまう少年を。
俺はいつものように、肩を掴まえて抑えつけてゆく。
「たまにはいいじゃないか。履き古しも意外に味があるもんだぜ」
「なんか、マニアですね・・・」
トシヤは珍しくちょっと笑って、白い歯をみせた。
「うふふふふふっ。きょうもたっぷりと、よだれをしみ込ませてやるからな」
ソファに腰をくつろげたトシヤは、黙って俺のほうへと、肉づきのよいふくらはぎを差し伸べてくる。

ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・くちゃ・・・くちゅうっ。
シンと静まり返った二人きりの部屋のなか。
露骨な舌なめずりだけが、少年の足許にまつわりつく。
「ああ・・・もぅ」
トシヤはたまりかねたように、声を洩らした。
「噛んで下さい。どうぞ、僕のハイソックス、噛み破っちゃってください!」
制服の一部を辱められるのが、とても愉しいんです・・・と、少年は告白した。
「よろしい。望みどおりにしてやろう。きみが俺に頼み込んできたから、してやるんだからな」
「ハイ、もちろん小父さんは悪くありません。僕ヘンタイだから、お願いしちゃったんです・・・」
らちもない問答の交わされるなか、少年の履いているハイソックスは好色な唇や舌にいたぶられ、よだれに浸され、縦じまをいびつにねじれさせ、しまいにびりびりと破かれてゆく・・・

「あの・・・」
俺に組み伏せられてうなじを抉られながら。
トシヤはおずおずと、口を開いた。
「こんど・・・妹の制服着てきてあげましょうか・・・?」
え・・・?
俺は訝しそうにトシヤを見る。
トシヤの妹の香奈枝は、兄と同じ学校に通っている。
ブレザーは男子と同じく濃紺だったが、スカートはグレーだった。
後ろから男女を見分けるには、半ズボンの濃紺とスカートのグレートが目印になっていた。
濃紺のハイソックスは、男女共通・・・
彼の提案に俺は、「面白そうだね」と応えて、笑んだ口許をそのまま彼の首すじに圧しつけた。
アアアアア・・・ッ!いつもの悲鳴が、広い洋間につんざいた。


「ヘンですか?ヘン・・・ですよね?」
トシヤは戸惑いながら、洋間にあがり込んでくる。
腰から下にはいつもと違うグレーのスカートがユサッとそよいで、
ハイソックスはいつものよりも、すこしだけ寸足らずだった。
「よく妹さんが貸してくれたな」
「彼女には、ちゃんと言いましたから・・・」
俯いて口ごもっているのは、女子の制服を着ている自分が部屋の姿見に映ったのから目線をはずしたいかららしかった。
俺はにんまりと笑うと、トシヤの手を引いて、姿見のまえに連れていった。
「あっ、それは・・・っ。こ、困りますっ!」
さいきんにしては珍しくうろたえるのが面白くって、俺はわざわざ、やつを姿見の正面に立たせてやった。
「ほら、まっすぐ前を視るんだ」
しきりにかぶりを振って恥ずかしがるトシヤも、俺の命令には逆らわない。
おずおずと顔をあげ、まっすぐと自分の女学生姿に目を注いでいった。
「どうだね?似合うだろう?妹さんの制服。きみはいま、香奈枝になったんだ」
「あ、はい・・・そうですね・・・」
俺に応える声色が心持ち、トーンを和らげてきた。
「言って御覧。”お願いします。香奈枝の血を吸ってください・・・”」
「お願いします。香奈枝の血を吸ってください・・・」
少年は言われたとおり、復唱した。
すっかり香奈枝の口調になっていた。ひとりでに、あとのセリフがトシヤの口をついた。
「兄貴の血より、きっと美味しいとおもいますから」
いつになくキッパリとした語調が、香奈枝そのものだった。
姿見のまえ、俺はトシヤの・・・いや香奈枝の首すじに食いついていた。


いつになく激しい行為のあと。
トシヤはぼう然として、あちこち赤黒いシミをつけてしまったブラウスを、しきりに拭っていた。
ずり落ちた丈足らずのハイソックスを引っ張りあげては、噛み痕の数を確かめて。
「こんなに噛んで・・・いつもよりしつこかったですね」
口を尖らせながらも、俺にされるがままにハイソックスを片方ずつ、足許から引き抜かれていった。

香奈枝のやつ、吸血鬼に逢うのが怖いらしいんです。
だから僕がいくら勧めても、いっしょに来ようとしないんです。
それなら香奈枝の身代わりに、僕が咬まれてきてやるからって。
そういったら、制服を貸してくれたんです。
でもやっぱり、このかっこで道を歩くの、恥ずかしかったなあ・・・

俺はトシヤの後ろに回って、両方の肩に体重を乗せた。
「重たい・・・」
うめくトシヤに、俺は言った。「きみから獲た血で、重くなったのさ」。
「こんどから、香奈枝の制服を着て登校するといい」
少年はビクリと身を震わせたが、なにも答えようとはしなかった。

翌日の夕方のことだった。
俺を訪ねてきたべつの少年から、トシヤが女子の制服を着て登校してきたことを聞かされたのは。
その少年は、俺にしたたか血を吸われて喘ぎながら、うわ言みたいに上ずった声で教えてくれたが。
決してトシヤをこばかにしたふうは、どこにもなかった。
この学校では・・・必ずしも珍しいことではなかったから。


つぎの指定日に、トシヤは香奈枝を連れてきた。
どういうやり取りがあったのか?
毎日兄妹連れだって、女子の制服で登校する。
女々しい兄をからかって香奈枝が要求したことを。
トシヤはすんなりと受け入れて、その週一週間は、女子として学校に通いつづけた。
その代わり―――僕といっしょに、小父さんのところに行こう。
あくまで吸血体験を勧めつづける兄に、妹はもうかぶりを振ろうとはしなかった。

ぴちゃ、ぴちゃ・・・
くちゅ、くちゅう・・・っ。
兄妹並んで、うつ伏せになって。
おそろいのハイソックスに包まれた二対の足許に、餓えた唇を順ぐりに這わせてゆく。
唇で吸われ、べろを這わされて。
真新しいナイロン生地に濡れたよだれをたっぷりと浸されて。
足許をキリリと引き締める縦じまを、ぐねぐねといびつに歪められて。
そのつど、少年も、少女も、それは迷惑そうに眉を吊り上げ、目許を昏くして。
齢の順に皮膚を破られ、生き血を吸い取られてゆく・・・

父も母も、たどった道を。
さいしょに兄が。
その兄に引き込まれて、妹までもが。
制服姿を辱められながら、理性を侵蝕されてゆく。
「子供たちのハイソックスに、夢中になっていらっしゃるのね」
ふたりの母親が口を尖らせて、俺の裸の胸のなかで抗議をしたのは、夕べのことだったろうか。
「あんたのパンストも、愉しくってしょうがないな」
俺はお返しに、女の足許で裂け目を拡げている肌色のパンストに、もういちど露骨なべろをふるいつけてやった。

嵐が過ぎ去ると、平静な理性が戻ってくるのだが。
嵐の真っ最中には、あられもなく乱れ果てる、母、息子、娘・・・
彼らはどこまで、知っているのだろう?
最愛の家族が、人が変わったように淫靡に身をよじるのを、沼尻のやつが勤務を抜け出してしばしば覗きにくるのを。
「しょーがねぇな」
遠い昔、サッカー用のストッキングを引き上げて、ふくらはぎを咬ませてくれた幼馴染は。
いまでも時おり、奥さんといい勝負のスケスケの薄い長靴下を穿いて、ごつごつとした筋肉質の足許に、俺の牙を受け容れてゆく。
家族と同じ歓びを、共有するために・・・・・・


あとがき
えらく長くなっちゃいました。
所用時間、一時間半。A^^;
どうも駄作が多くて、いけませんな。。
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夫としてのプライド。
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