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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

祝勝会。

2013年11月14日(Thu) 08:30:49

初めて吸血鬼の小父さんに血を上げたのは、中学生になる前だった。
進学祝いに・・・って、父さんが。
大人ものの肌の透けるハイソックスを買ってくれて。
父さんみたいにふくらはぎを咬まれて、初めて血を吸われたとき。
体の力が抜けてゆくのを感じながら、うっとりとなっちゃって。
父さんや母さんが好んで献血をするわけが、わかったような気がしていた。

進学してからは、サッカー同好会に入っていた。
同好会だったから、ひ弱なボクでも入れてもらえた。
本気でやりたい奴は、正規の部に入っていったから。
時おりボクは、こっそりと。
ユニフォームの青いストッキングを穿いて、小父さんを悦ばせることを忘れなかった。
決して後ろめたい行為ではないことが、あとになってわかった。
チームのメンバーのなん人もが。吸血鬼の友だちを持っていて。
ボクとおなじように、青のストッキングに赤紫のシミを作っていたから。

弱いチームだったから、どこもうちとはカードを組んでくれなかった。
唯一相手になってくれるのは、吸血鬼の子だけで作られた、地元のチームが1チームだけ。
この子たちは、強かった。
相手チームのはずのボクたちの血を、日常的に吸っていたから。
あの怪物じみた動きなら、ふつうのチームと戦っても勝てただろう。
けれども、吸血鬼のチームなんか相手にしてくれるチームは・・・ボクたちのチームしかなかった。

試合後負けたチームのメンバーは全員、彼らの祝勝会に招かれて。
同伴した彼女や妹ともども、生き血を吸い取られちゃうのがつねだった。
会費は要らないよ。きみたちからはだいじなものをもらっているんだからね。
いつも彼らは遠慮して、そんなふうに言ってくれたけど。
彼女の血を金銭で譲るみたいで、イヤだから。
ボクたちはそういう理由で、会費を払い続けていた。

ボクは小父さんという相手がいたから、てっきり同性愛の人だと思われていたらしい。
さいしょは血を吸われることも免除だったけど。
特別扱いは、なしにしてよ。仲良くやれないじゃない。
小父さんに教えられたように、そういって。
すすんで仲間に、加わっていった。
血を吸う嗜好のひとたちは。自分たちが理解されないことをわかっているから。
同性愛の人や、恋人や奥さんを寝取られて歓ぶひとたちとも、分け隔てなくつきあっていた。

文化部に所属していた彼女は、ボクがそういうサークルの一員だということを知りながら。
ボクに分け隔てなく、話しかけてくる。
どうしてそういうクラブに入っているの?
いつから血を吸われるようになったの?
自分の彼女がほかの男の子に血を吸われちゃっても、平気でいられるの?
えっ?むしろ愉しいの?変態~。
さいごの「変態~」も、決してイヤそうな言いかたではなかった。
彼女の白い顔には、「面白い人~」と描かれていたから。

チームのメンバーに、初めて彼女を紹介したのは。
いつものように負けたゲームの後、祝勝会に出かけるとき。
えっ?いいの?彼女、だいじょうぶ?
チームメイトたちは口々にそういって、気遣いながらも。
ボクに彼女ができたことを、慶んでくれていた。
ユウタのやつ、やっと一人前になってきたな・・・というように。
それにはいろんな意味があって。
彼女の血を吸われて歓ぶやつが、またひとり増えた・・・という意味で、共犯仲間が増えたことを悦ぶ気持ちと。
ボクがマイナーな敵チームの連中に、潔く彼女の血を吸わせる気になったことを、賞賛したいという気持ちと。
もちろん純粋に、ボクに彼女ができたことを慶んでくれる気持ちと。
いろんな気持ちがひとつになっているのを、いやでも感じてしまっていた。

「ユウタの彼女も来ているよ」
おおー!!
吸血鬼の男の子たちが、いっせいにどよめく前で。
制服姿の彼女は、にこやかにみんなにお辞儀をしていた。
襟首から覗くしっかりした肉づきのうなじや、脛を蔽う真っ白なハイソックスのふくらはぎに、熱い視線が注がれるのを感じながら。
彼女はてらいも怖れもなく、「仲良くしてくださいネ」と、無邪気な笑顔をみせる。
半そでのブラウスからむき出しになった二の腕や。
白い前歯の輝く口許が。
ひどく眩しく見えたのは、なぜだろう?
彼女の肢体をめぐる若々しい血潮を味わう幸運を得た相手チームの面々が、ひどく親しげに思えたのは、なぜだろう?

輪姦の輪のなかで、彼女も制服のスカートをたくし上げられて。
相手チームのキャプテンに、組み敷かれてゆく。
キャプテンはボクにひと言、「ご馳走になるね。彼女、初めてなの?」
そうだと頷くボクのまえ、処女を獲得できるという会心の笑みに、彼の唇はニッと笑んだ。
ボクも「おめでとう。うまくやってね」と、笑み返していた。
すんなり伸びた足許に、ずり落ちかけた白のハイソックスが、からみつくように皺を寄せている。
ぐねぐねと歪んだ縦縞もようには、ところどころ咬まれた証拠の赤いシミ。
立て膝にググッと力が籠められ、握りしめたこぶしがキュッと固くなる。
眉毛を寄せて。歯を食いしばって。
彼女は初めての痛みを、耐えていた。

キャプテンは六回、彼女にゴールを決めた。
ボクはそれを、四回・・・五回・・・って、ばか正直に数えていた。
彼女は、なん回だったかなんて憶えていない、ってあとで言っていた。
でも、無我夢中でしがみついていたって。
「無我夢中」のひと刻がおわると。
ふたりは、ぜーぜー、はーはー、激しい運動の後のように肩で息をして。
そのままの姿勢でしばらく、身体を重ね合わせていて。
やがてキャプテンが身体を起こして、彼女のことも助け起こしてくれて。
彼女も頷いて、彼の手を取って。
それでいながら、こっちのことも振り向いて。
「だいじょうぶだからね」って、笑いかけてきた。
犯されちゃう前とおなじ、無邪気な笑顔だった。
ボクはキャプテンと、ふたりして。
彼女の制服に着いた泥を、競い合うように払っていた。

「痛かった?」って訊くキャプテンに。
「痛かった~」って、しんそこ痛そうに泣き笑いする彼女。
「嫌だった?」って訊くボクに。
「ううん、嫌じゃなかった。愉しかった」って言ったあと。あわてて口をふさいでみせる彼女。
こういうことに慣れているはずのキャプテンは、顔を赧(あか)らめてボクに囁く。
処女にあたったの、オレ初めてなんだ。
そうだったんだね。おめでとう。
今年じゅうに、処女をひとりモノにするっ・・・って宣言したのに。夏までかかって焦っていた。
ボクの彼女で達成してくれて、嬉しいような、悲しいような・・・
とほほなボクの背中をどやしつける掌が。心からの感謝を伝えてきた。
時々、ヤらせろよな。
彼女のまえで言うキャプテンに。
ナイスゴール!
やっぱり彼女のまえで笑うボク。
あっけらかんとした笑いに、笑ったボク自身が、びっくりしていた。
「この~、すけべっ!こんどからたっぷり、見せつけちゃうからね~」
彼女の笑いも、あっけらかんとしていた。

その夜父さんは、ビールのジョッキを掲げながら。
「彼女を犯されたんだって?おめでとう」って。
ヘンなお祝いを言ってくれた。
どうして?って訊いたら。
愉しくなかった?って、逆に訊きかえされた。
そんなことはなかったけど・・・
口ごもるボクに。
その屈折した気持ち、彼女にちゃんと伝わってると思うよ。
祝勝会のあと、ふたりで手をつないで帰ってきたんだろう?
彼女の掌、暖かだっただろう?
ひとりの男の子に、彼氏彼女ながら血を吸われて。
たいせつな瞬間を、三人で体験して。
青春してるじゃない♪
母さんまで、ウキウキとして、からかうように笑っていた。
父さんも、ン十年まえに、サッカーの試合に負けて。
だれかさんに、彼女のことを犯されちゃったんだ。
その彼女が、いまの母さん。
母さんの純潔を汚した奴・・・だれだかわかるよな?
彼が相手チームのキャプテンだったの、帰り道に仲間に自慢していたっけな。
あいつも帰り道に、モノにした娘(こ)が処女だったって、自慢していたらしいけど。

歴史はどうやら、ヘンな形でくり返すらしい。
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