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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

叔父への贈り物 ~女子生徒として通学~

2013年11月22日(Fri) 09:43:57

待ち合わせた放課後の校舎裏。
こちらに歩み寄ってくる白のハイソックスの足許が、ひどく眩しく映る。
肩先までの髪型は、そっけないほどシンプルにまとめられていて、
化粧気などもちろんない、素朴な目鼻立ちは、質実剛健という周囲の評判そのものだったが。
深い色をたたえた、大きな二重まぶたの瞳。
どきっとするほどツヤツヤとした黒髪に縁どられた、白い丸顔。
つき合うようになってからいまさらのように気づいた彼女の美点をまえに、真沙雄はいまさらのように、胸のドキドキを抑えかねている。
ややずんぐりとした体形は玉にきず・・・といわれるかもしれないが、彼「ら」にとってはそれさえもが魅力。
なにしろ、発育のよい少女のしなやかな肉づきからは、処女の清冽な生き血をふんだんに摂ることができるのだから。

自分のことを待ち受ける真沙雄を遠目にみとめると、みちるは彼にチラと目を留めただけで、会釈もせずに足を速めた。
「きょうのデートの約束なんだけどさ」
あいさつ抜きだった。
そこまで話しかけたとき、

あー・・・

少女は軽く顔をしかめて、首すじのあたりを抑えて立ちすくむ。
かすかにピリピリと震える長いまつ毛が、意外なくらいに悩ましい。
ひざから力が抜けそうになるのに気づいた少年は、とっさに彼女を抱きとめていた。
彼女の体重を受け止めて初めて、ビクッとしたようにたじろいだけれど。
みちるは真沙雄に抱きとめられたままの格好で、息を弾ませた。
迫った息遣いが少年の耳朶を、悩ましく染める。

発作だわ。
少女は呟いた。
このごろよく、発作が起きるの。と。
どういうこと?
もの問いたげな少年に、少女は残酷な返しをつきつけた。

きのうのデートの約束、なしにしてくれない?
あなたの叔父さまに、血を吸われたくなった・・・

家に帰ったら電話が来ていて、彼女の血を吸いたいという言伝を母親が受け取っていたという。

行っておあげなさいな。母さんはきょう、差し上げ過ぎちゃって・・・二日つづきはさすがに無理だから。

それとなくきょうの情事を告白する母には答えもせずに、みちるは無表情に呟いていた。
約束のもの、用意してくれた・・・?

あなたの叔父さまに、血を吸われたい。
制服のブラウスを、あたしの血でなま温かく、ぐっしょりと濡らしながら、抱きすくめられたい・・・
ねえ、あたしって、ヘンかな?
でもこんなふうにしたのは、あなたなんだよ?

ああ、そうだね。そうだよね・・・

真沙雄は苦しげに、そう応えるばかりだった。
自分の恋人が、血を吸われようとしている。
相手は人もあろうに、自分の叔父。
けれども叔父に血を与えたボクは、自分から彼女を誘って、叔父に襲わせていた―――

狂おしい人間関係の連環に、眩暈を感じた。

これ。

少女が差し出したのは、大きな手提げ袋。
問われるよりも先に、中身を告げていた。

あたしの制服だから。
デートの代わりに・・・
いまからこれに着替えて、あたしにつきあって。
あたしはあのひとに、血を吸われたい。
あなたの視ているまえでも、かまわない。

いつもは寡黙に引き結んだちいさな唇から、時おり白い歯をのぞかせて。
可愛い唇はまるで朗読するようなよどみのなさで、冷酷な言葉をつづっていった。

少年は頬を上気させて、応えている。

わかったよ・・・



ほら、こっちよ。早く!

少女の鋭い語調の囁きが、足取りのおぼつかない真沙雄を導いていった。
学校の裏門から人目を避けるように忍び出たのは、おそろいの女子の制服姿の二人。
紺のブレザー、白のブラウス。胸元には赤いリボンをたなびかせ、腰周りには赤のチェック柄のプリーツスカート。
白のハイソックスに包まれた長い脛が二対、競い合うようにして足取りをそろえていった。

さいしょは、あなたからよ。
うん、そうだね。美味しいご馳走は、あとからだものね。
ふふふ・・・

みちるははじめて、会心の笑みを洩らした。
「美味しいご馳走」と思われるのが、嬉しいらしい。

だって、せっかく痛い思いしてまで血を吸われるんだもの。
美味しいほうがいいじゃない。

彼女の考えは、単純明瞭だった。

姉妹のようだな。お前、女子の制服似合っているぞ。

出迎えた叔父は、満足そうに目を細めていた。
みちるが真沙雄に、彼女の制服を着るよう仕向けたのは、どうやら叔父らしい・・・
いまごろになってようやく、気づいていた。

しっかり味わってよね。ひとがせっかく、痛いのガマンしてあげてるんだから。

少女の言いぐさに、叔父はにんまりと笑んだだけだった。

ほんとうに、痛いのだろうか・・・?
白のハイソックス越しに突き入れられてくる叔父の牙が、皮膚の奥に強い疼きをしみ込ませてくるのを感じながら。
少年は軽い疑念を感じていた。

ちゅうっ。ちゅうっ。ごくり。きゅうううっ・・・

いつもながら生々しく鼓膜を染める吸血の音が、いつも以上にナマナマしかった。

美味しいほうがいいじゃない。

恋人の言いぐさに、心のなかで頷きながら。
真沙雄は失血にひざの力がゆるんでくるのを覚えていた。

さいしょは真沙雄さんに、連れてこられたんです。
ボクがお手本を見せるから、叔父に血を吸わせてあげてくれないか・・・って。
襲われちゃったなんて、嘘なんです。
あたし、自分の意思で応じただけなんだから。
真っ白なハイソックスに、血のシミが滲むのはちょっと屈辱だったけど。
そのうちになぜか、そんなことが、とても嬉しいような気がしてきちゃったんです。
だって、血がなくて困っているひとに、献血しているわけでしょう?
学校で教わっている”奉仕の精神”と、いっしょなのかなって、思っちゃった。
さいしょは軽い気持ちで血を上げてたんだけど。
服の上から咬まれて、お洋服汚しながら血を吸い取られているのって、日常を超えちゃうみたいな感じがしてきて。
唇で素肌を舐められながらチュウチュウやられていくうちに、なぜかウットリしてきちゃったんです。
彼氏のキスと、いい勝負だわ。イイエ、真沙雄さんとのキスよりも、ドキドキするかも。
ええ、真沙雄さんも、よき協力者なの。
あたしが血を吸い取られてウットリしちゃうのを、優しく見守ってくれていて。
帰り道も、エスコートしてくれるんです。
だから放課後は、なるべくいっしょに過ごすの。
母が父を裏切るのと訳が違って、あたしは彼といっしょに慈善行為に励んでいるだけなんですから。。


いつもの通学路を大またに闊歩するのは、スカートの下から覗いた白のハイソックスの脚。
胸もとには彼女とおなじ色のリボンが揺れて。
頭のうえを蔽っているウィッグは、頬を心地よく撫でていた。
女子として登校する日は、前日から異装届を出すことになっている。
その日だけは、名前さえも、真沙雄から真沙恵に変更となる。
朝出欠を取るときに。女子の名前でフル・ネームを呼ばれるのが。
いまでもむしょうに、ドキドキする。

女子生徒の制服を着用して通学する男子生徒は、実は決して少なくない。
そうした生徒たちは、授業中に呼び出されて、意中の吸血鬼との献血行為に耽ることになる。
授業は出席したことにされていて。
向学心の強い生徒には、補習の機会まで用意されているという。

真沙雄のような例は、けっして珍しくない。
そのことが。
恋人を日常的に吸血されながら。
おそらくは彼のことを裏切って、浮気さえしているだろう恋人のことを想像して、昂ぶりさえ感じながら。
彼らは女子学生として、通学路を闊歩していく。
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コメント

愛する人を第三者に凌辱されることに昂ぶりを覚えてゆく…
この世界ではもはや日常的な出来事とお察ししますが、近頃では「こちら側」の私の中でもこの感情が首を擡げつつあります。

彼女の制服に身を包まれながら妖しく血を吸い取られるのはどれほど狂おしいことでしょうか。

制服・吸血・恍惚

これらは魔性の三拍子ですね。
異装届のある学校、私だったら毎日届けを出すハメになりそうです…笑


by 麻美
URL
2013-11-23 土 12:19:36
編集
>麻美さま
>魔性の三拍子
なんというツボな表現でしょうか。
このブログをすでに8年以上もやってきたのに、こんなコアな表現に気づいていませんでした。

ここでの”凌辱”は、敬意を帯びつつなされていくようです。
相手の女性と、そのパートナー双方に捧げられた・・・
by 柏木
URL
2013-11-26 火 04:41:54
編集

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