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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

母を侵されたあくる朝。

2013年12月05日(Thu) 07:55:53

迷わずに、通学路を逸れていった。
クラスメイトの勝巳も、もちろんいっしょだった。
はじめて血を吸われた生徒が夢中になって、しばらく学校に来ないということはよくあることなので。
おそらくだれにも、咎められないだろうということだった。

ウン。ウン。きょうも学校、休むから。〇〇先生に、連絡入れといて・・・
受話器の向こうの母親の声が、いつになく他人行儀に聞こえる。
「そう、わかったわ。連絡入れておきますけど、ほどほどになさいね」
きのうはあんなに、夢中になっちゃっていたくせに。
取り澄ました母親の声色が、却って滑稽なお芝居をしているようにさえ思えてしまう。

このあいだ、この家ではじめて血を吸われたときに。
男は背後から、電話が終わるのをうずうずしながら待ちかねていた。
あのときの、恐怖と期待の入り混じった想い―――たぶん一生忘れることはないだろう。
そしてきょうの場合は、男はずっとなれなれしくなっていて。
電話が終わる前から、真澄の足首を掴まえていて、
黒のストッキング地のハイソックスのふくらはぎを、舌を出してチロチロと舐めつづけていたのだった。

さあ、どうぞ。遠慮なく噛んで・・・
困っている人になにかを恵むような、寛大な気持ちになって、足許を見おろすと。
男は上目遣いにこっちを見あげてきて。
も少し、愉しませろ。
そういって、なおも薄手のナイロン生地のうえから、真澄の脛をいたぶりつづけていった。
傍らでは勝巳が首すじを咬まれて、早くもワイシャツにバラ色の飛沫を撥ねあげている。


夕べは愉しかったなあ。
真澄の足許から引き抜いたストッキング地の長靴下を舌で舐めながら。
男は夕べの想いを反芻しているようだった。
薄手の長靴下は、父からもらったものだった。
はじめて血を吸われた日。
母さんが父さんに僕のことを話して聞かせて。
「きちんとお相手を務めてきたそうよ。褒めてやってくださいな」
そう促されると。前もって用意していたらしい、封を切っていないのを一足、渡してくれたっけ。
ところが今朝家を出るときに、制服の上にさりげなく置かれていたのは、すこし履き古したやつだった。
ということは。
今朝咬み破られて、いま目の前で弄ばれている靴下は、父が勤務先に履いて行ったことのあるもののはず。
いまごろ、真面目に会社で執務しているに違いない父さんの足許を包んでいた履きものが、
いま息子の脚にまとわれて嬲りものにされて、ふしだらなあしらいを受けている。
落差がなんともいえないなあ・・・
真澄はなぜか、股間が不覚にも逆立ってくるのを覚えた。

夕べは大活躍だったんだって?
一戦終えたあとのサバサバとした顔をして、勝巳が声をかけてきた。
そーだよ、真澄くんは姉さんを誘ってうちに来て、処女の生き血を吸わせてくれたんだ。
そのあと家にまであげてくれて、二人してお母さんをまわしてきたんだぜえ。
勝巳の叔父は、自分の自慢をするような口ぶりで、真澄の”活躍”ぶりを披露してくれた。
そんな・・・言い過ぎだよ。
真澄は自分がみんなの前で誇らしげに照れ笑いをしているのに気がついて、不思議な気がした。

姉さんを襲われて。処女の生き血を吸い取られて。
それから母さんまでふたりのまえで襲われて、輪姦までされちゃったのに。
ほんとうだったら父さんの代わりに、怒ったり悔しがったりしなくちゃならないはずなのに。
どうしてこんなふうにされちゃったことが、嬉しいんだろう?

けれども実際には、姉さんが勤め帰りのブラウスに血を滴らせながらチュウチュウやられてしまったのを視て、とてもドキドキしてしまったし、
母さんがいつもPTAの会合に来て行くよそ行きのスーツをだらしなく半脱ぎにしながら、男ふたりと仲良くイチャイチャしてしまうのを目の当たりにして、むしょうに誇らしい気分になってしまっていたのは事実だった。
姉さんの生き血の味を、気に入ってくれたのが、すごくうれしかった。
肌色のストッキングを噛み破かれるとき、姉さんはひどく嬉しそうに、きゃーきゃー騒いでいたっけ。
母さんが良い身体をしているって褒められたのが、息子として誇らしかった。
連れてきてよかったと、心から思ってしまった。
母さんに叱られないことにもほっとしたけれど、着くずれした服を身づくろいしながら、「母さんもまんざら、すてたものじゃないわけね」思わず口走ってしまったのを、とてもほほ笑ましく受け止めていた。

その昔、遠い日に。
結婚を控えた父さんと母さんのまえ。
この男は母さんへの心情を吐露して、同情した父さんは、母さんへの想いを遂げることを許してあげたという。
婚約者のまえで着衣を剥ぎ取られ、身体を開かされて。
父さんがプレゼントするままに、母さんは歯噛みをして羞じらいながら、純潔を精液まみれにされていったそうだ。
父さんもきっと、いまの僕と同じ気分だったのだろう。
これから家族を侵蝕される。いや、すでに犯され抜いてしまっている。
歪んだ歓びが、真澄の胸の奥を、どす黒く衝いた。

父さんのこと考えてるだろ?
勝巳の叔父は、図星をいった。
相手のよっちゃあ、女房を寝取られるのは、悪いもんじゃないんだぜ。
真澄の情夫気取りの相棒も、楽しげに言った。
こいつな、夫婦ながら血を吸われたんだ。
奥さん目当てだって知りながら、さいしょに手本を見せて、酔い酔いになっちゃって。
自分のあとに生き血を吸い取られた奥さんが侵されちゃうのを、尻もちついたまま、ヘラヘラ笑いながら見ていたんだってさ。

うー、思い出してきた。たまんないな・・・おい、勝巳、悪いけど相手してくれよ。
彼が背後のふすまの向こうに行った勝巳に声を投げたとき、
真澄は声を呑んでいた。
「オレ、明日から女子生徒として通学するから」
どこで手に入れたものか、勝巳が身に着けているのは、女子の制服だった。
濃紺のブレザーに、赤とグレーのチェック柄のスカートの下。
真っ白なハイソックスがキリリと、足許を引き締めている。
さ、こっちさ来・・・
勝巳の叔父は兄の跡取り息子であるはずの勝巳を、女子生徒として隣室に連れ込んだ。

・・・うらやましいかね?
ひとり残った男が投げた言葉は、半分以上図星だった。
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