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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

”人妻キラー”

2013年12月20日(Fri) 06:38:53

吸血鬼と人間が仲良くするのは、良いことだ。
好きな人を殺めようとは、だれもが思わないことだから。
人間の側にとっては、自分や家族の生命が危険にさらされないで済むし、
吸血鬼の側からすると、生き血の安定的な供給先を得ることができるのだから―――

吸血鬼の小父さんが夜遊びに来ると、
父さんは笑いながら首すじを吸わせてあげて、
顔色が蒼くなるまで血を吸い取らせてあげていた。
その場にへたり込んだ父さんの目のまえで、つぎに襲われるのは母さんの番だった。
母さんもにこやかに小父さんに接して、父さんとおなじように首すじを吸わせてあげて、
それから三人は、夫婦の寝室に入ってしまう。
独りぼっちで寝るのはつまらないから・・・と、せがんでボクも、仲間に入れてもらえるようになったのは。
も少し年ごろになってからのことだった。

脚を咬みたがる小父さんのために、
母さんは、肌色のパンストを穿いたふくらはぎを差し伸べて、
父さんも、長めのビジネスソックスのうえから、足首を吸わせてあげていた。
紺のハイソックスを履いたふくらはぎから、初めて血を吸われたとき。
ボクは大人の仲間入りをした気分になっていた。

小父さんが母さんと仲良くするの、ケンイチはもっと嫌がるかと思っていたよ。
そんなことないよ。父さんだって、楽しそうだし。
小父さんは”人妻キラー”って呼ばれているんだ。だから母さんのことを、紹介してあげたんだ。
いいね。ボクも結婚するときには、お嫁さんを紹介してあげたいな・・・

そんな親子の会話は、意外に早く実現した。

小父さんは”人妻キラー”なだけじゃなかったね。
やっぱり映画に出てくる吸血鬼みたいに、処女のことが好きなんだね。
セーラー服の襟首を濡らしながら、彼女がウットリとなって生き血を吸い取られてゆくのを見守りながら。
ボクはそんな情景に見とれてしまっていたし、
父さんはボクのことを、でかしたでかしたと言って、背中をバンバンと叩いてくれた。
母さんまでが、小父さんにつけられた咬み痕を撫でながら、若いひとはいいわねえ・・・なんて、羨ましそうに言っていた。

さきに小父さんに、姦(や)らせてあげるんだって?
ウン、そうなんだ。小父さんやっぱり、”処女キラー”だったんだね。
浩美さんの純潔を、さいしょから狙ってたんだってさ。
父さんもそこまでは、してあげられなかったな。
母さんを紹介してあげたのは、ケンイチが生まれたあとのことだったからね。
ダイニングのテーブルの上に組み伏せられた浩美さんが、
宙に浮いた脚をばたばたさせながら、犯されていって。
太ももからひとすじ、血をしたたらせてゆくのを。
ボクたちは目を細めて、見守っている。

きょう―――
”人妻キラー”の小父さんは、
”処女キラー”の本性まで、発揮する。
ボクの婚約者を、お相手に択んで・・・
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