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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

2度目。

2014年03月27日(Thu) 05:21:33

おっ、覚悟決めたの?えらいね!

ぼくの目のまえで、淡いブルーのスカートスーツが揺れた。
副担任の高嶋先生は、見かけのエレガントさからはかけ離れたボーイッシュな声で宝田君を励ますと、背中をどやしつけて、空き教室に送り込んだ。
ひざ丈のスカートのすそから覗いたふくらはぎが、透明なストッキングに包まれている。
高嶋先生は、血色のよい脚をしていた。
先生も、もう血を吸われちゃっているのかな。
そんな想いが一瞬よぎったとき。
お次はどなた?と言いたげな高嶋先生が、ぼくのほうを振り向いた。

おや、秋尾くんも血を吸われちゃったの?

高嶋先生は、意外そうな顔をした。
たむろしていた不良グループのなかに、まじめな子を発見したときみたいな目をしていた。
ぼくは黙ってうなずいて、「宝田君といっしょです」と、こたえた。

そう。

先生は俯いた視線をすぐに戻して、ぼくの腕をつかまえると、「じゃあ親友同士、仲良くねっ!」と、やけに明るかったさっきの調子を持続して、ぼくに親友の後を追わせたのだった。


ここに来る前、宝田君とはほとんど、言葉を交わすことができなかった。
放課後待ち合わせた校舎の裏手に宝田君が現れたのは、高嶋先生との約束の直前だったからだ。
「よう」といつものように低い声をかけてきた宝田君は、遅れてきたことの言い訳も口にせずに、「急ごうぜ」とだけ、ぼくにいった。
ぼくたちはおそろいの紺のハイソックスの脚を、指定された教室へと向けた。

宝田君は、自分の小父さんを、家に連れて行ったのだろうか?
あの日のぼくみたいに、自分の母さんを襲わせて、生き血を吸わせちゃったのだろうか?
それに――宝田君の母さんも、侵入してきた吸血鬼相手に、セックスをしたのだろうか?
―――うちの母さんが、ためらいもなくそうしたみたいに。


あからさまに視たわけではなかったけれど。
そういうことが行われていたのは、ほぼ確実だっただろう。
失血のあまり眠りこけてしまったぼくは、じつは“真相”を知らない。
気がついたときにはもう、小父さんは引き上げた後だったし、
母さんはいつものようにエプロンをつけて、台所で晩御飯の支度をしていた。
薄ぼんやりとなったぼくの耳の奥には、まな板のうえで包丁をトントンさせる単調に落ち着いた音が聞こえてくるだけだった。
帰ってきた父さんともふつうに接している母さんをみて、ぼくは、女は油断ならないな、って、自分がなにをしたのかも棚に上げて、そんなことを思ったりしたのだった。

高嶋先生は、男を識ってるのだろうか?
男を識っている女性が吸血鬼に血を吸われるときは、例外なく犯されるってきいているけど。
高嶋先生も、ぼくたちのことを襲った吸血鬼みたいな年配のおっさんに組み敷かれて・・・犯されちゃったのだろうか?

そんなことを考えながら教室に入ると、小父さんはぼくのことをにんまり笑って迎えてくれた。
小父さんの薄笑いに、ぼくは共犯者の照れ笑いで応えていた。

母さんのことが、目当てだったんだろ?
図星を指したつもりだったけれど、小父さんはゆっくりとかぶりを振る。
もう・・・ぼくのハイソックスの脚に、執着し始めていた。
舌のはぜるときの、ピチャピチャという化け猫みたいな舐め音に、ぼくは身震いしながらも、いつの間にか聞き入ってしまっていた。
左右の脚を、かわるがわる。
内側のふくらはぎを2回、外側から1回咬まれた。
測ったように・・・という感じではなく、見境なくしゃぶりついてくる感じだった。
まるで恋人同士の接吻みたいに、熱っぽかった。

あんたがただの道具なら、ここまでしないぜ?

半ばずり落ちたハイソックスを、ふたたびひざ小僧のあたりまで引っ張り上げながら、ぼくは「わかったよ、納得」とだけ、応えた。
すでに失血で、けだるくなっていた。
隣で肩を並べていた宝田君も、自分の小父さんにハイソックスをしつっこくいたぶられて、やはり失血で肩をはずませていた。

もっと吸っても・・・いいですよ。

宝田君は覚悟を決めたように、自分の小父さんに話しかけた。
ぼくも宝田君と肩を並べたまま、「ぼくも・・・」と、口走っていた。

そんなに済まながることは、ないのさ。

小父さんは、ぼくの心の中を見透かすように、そういった。

でもまあ・・・きみがそう言うなら、遠慮はしないがね。
えっ・・・

小父さんは有無を言わさず、ぼくのふくらはぎに唇を這わせた。

あー・・・

いけない陶酔に頭をくらくらとさせながら、ぼくは喉の奥からかすかな悲鳴を洩らしつづけていた。
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