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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女のひとの服を着る。

2014年03月31日(Mon) 02:34:38

血を吸われることが、愉しくなってきた。
耳たぶに熱っぽい息遣いを当てながら、小父さんがぼくの首すじに唇を迫らせて来ると、ドキドキするようになっていた。
そのドキドキも、恐怖のドキドキではなくて、ときめくような昂奮に似たようなものだった。
学校に履いていく紺のハイソックスをよだれでびしょびしょにされたり、咬み破られてしまうことにも、抵抗を感じなくなってきた。

小父さんの唇がぼくの素肌を這い、チカリと刺し込まれた牙がずぶりと皮膚に食い込んでくる。
皮膚を破られてじわじわとほとび出る血潮を、くまなく舐め取るようにして。
小父さんはグビリグビリと喉を鳴らして、ぼくの生き血を飲み味わってゆく。
おしっこを洩らしてしまいそうな気持ちよさ!
ぼくはハイソックスの脚を立て膝にして、わきあがる快感をこらえつづける。
咬み破らせてしまうハイソックスのしなやかな締めつけを、ふくらはぎにありありと覚えながら―――

さいしょのうちこそ・・・ハイソックスをよだれにまみれされてしまったり、咬み破られてしまうことに、おなじハイソックスを履いて学校に通っている同級生たちに対するうしろめたさのようなものを感じていたけれど。
むしろそうした行為を許すことで、小父さんが満足してくれることのほうが、より重要になっていた。
ぼくは小父さんの気の済むようにと、自分から望んでハイソックスの脚を差し出して、いたぶりや辱めを嬉々として甘受するようになっていた。

週明けの学校の購買で買った四足のハイソックスは、週末までに一足しか手許に残らなかった。
ほかの三足は、下校途中や登校前にぼくを待ち伏せしていた小父さんに、たっぷりよだれをしみ込まされた挙句、穴だらけにされてしまっていた。
ぼくもまた、小父さんの相手をするときには、制服の一部であるハイソックスを、惜しげもなく噛み破らせてしまっていた。
ときには公然と、授業中に呼び出されて。
「きみは数学は苦手だろう?だから抜け出させてやったんだよ」
などと、恩着せがましいことを口にしながら、ぼくの足許に唇を這わせて来るのだった。

火、水、木、金。と・・・
そんなふうにして、過ぎていった。
そのころにはもう、校内には“吸血病”がまん延していて、クラスでは顔色をわるくしているものがなん人も出て、なかには授業中保健室に行ってしまうものもすくなくなかった。
ぼくたちのあいだでは、半ズボンから剥き出しになった太ももにつけられた咬み痕を、お互い見せ合って自慢し合うのが新しい習慣になっていた。

その太ももの傷も、人目にたたなくなる機会が増えてきた。
半ズボンをやめたからではない。
ぼくの足許が、女子学生用の黒のストッキングに覆われるようになる機会が増えたからだ。
週明け初めて、クラスメイトからもらった黒のストッキングを脚に通したとき。
小父さんは下校途中にぼくをつかまえると、目ざとくぼくの足許の変化に気づいていた。
「ウフフ。やるじゃないか。きみはなかなか、素質があるね」
そんなことをいいながら、連れ込んだ公園のベンチにぼくを腰かけさせると。
小父さんはぼくの足許にかがみ込んで来て、
肌の透けるストッキングのうえから唇を這わせて、
よだれをじわじわと、しみこませてきて。
しまいには、ブチブチと音を立てて、はじけさせていったのだ。
薄手のナイロン生地に走った伝線は、ぼくの足許に縦のストライプもようを描いた。
いびつによじれた伝線から露出したむき出しの脛は、自分自身の目にも、露骨ないやらしさを帯びていた。
「面白かろう?え?」
畳みかけるように訊いてくる小父さんの上目づかいに、ぼくはためらいもなく、強く頷きかえしていた。

女の子の服を着て、小父さんに血を吸われてみたい。
そんなぼくの願望も、かなえられるときがきた。
土曜日のことだった。
家にやって来た小父さんは、父さんや母さんの血を吸い終えると、ぼくの部屋にも入ってきた。
ぼくは畳のうえに大の字になって、階下から洩れてくる吸血の音を、聞くともなしに聞いていた。
聞こえてきてしまう・・・といったほうが、適当かも知れない。
小父さんが部屋に入ってきたとき、ぼくはデニムの半ズボンに一足だけ残った紺のハイソックスを履いたまま、畳のうえでまだ、大の字になっていた。
「愉しませてもらうよ」
小父さんは臆面もなく畳の上に座り込んできて、ぼくのむき出しの太ももに唇を這わせてきた。
圧しつけられてくる頬ぺたは、吸い取ったばかりの父さんや母さんの血で、べっとりと濡れていた。
両親の血潮を見つめながら、ぼくは「ホラーだね」と、のんきなことを口にした。
おっと、いけない。
小父さんはぼくのTシャツに頬ぺたをこすりつけて、血を拭い取った。
「ひどいなぁ」
ぼくが口をとがらせると、小父さんは身を起こすと、いった。
「ついて来なさい。約束を果たしてやるから」
出がけに父さんと目が合った。
父さんはひとりで、リビングのソファに寝転がっていた。
出勤のときみたいに髪をきちんと分け、ネクタイとワイシャツ姿だった。
そのくせズボンは脱がされていて、ストッキングみたいに薄い長靴下を、片方だけくるぶしまでずり降ろされていた。
きちんとした上半身と、ふしだらにむき出された下半身とのコントラストが、目に灼きついた。
ぼう然となった蒼白い頬に、無感情な視線。
「行くのか?」と訊かれて、「うん」とだけ、応えた。
「そう、じゃあ気をつけて」「サンキュー」
まるっきり、ふだんの親子の会話だった。
半開きになったふすまの向こう、夫婦の寝室には、母さんがいるらしかった。
もの音ひとつ、しなかった。
きっといつものように犯されて、気絶でもしているのだろう。
夫婦ながら血を吸われ、おまけに妻を犯された彼は、息子を女装させるために連れ去ろうとする吸血鬼を、どうすることもできないでいる。
父さんのことを笑う気も、軽蔑する気も、ぼくにはない。
ただ、容認してくれさえすれば、いつものうわべの平穏を演じつづけてくれさえすれば、なんの不満もなかった。



連れていかれたのは、街はずれの洋館だった。
小父さんの家ではなかった。
言われるままにインタホンを押すと、門から数メートル離れた玄関のドアが開いて、女の人が白い顔をのぞかせた。
そして、小父さんと目が合うとゆっくりと丁寧に頭を下げた。
頭の後ろで結わえた長い黒髪が、女の人の肩先に揺れた。
彼女はこの家の主婦らしかった。
母さんよりもすこし若いけれど、落ち着いた物腰が、いかにも主婦然としていた。
子供はいるのだろうか?
洋館の部屋数からするといるようにも思えたし、あまりにも片付き過ぎているリビングのたたずまいをみると、すくなくとも小さい子はいないようにも思えた。
彼女は黒のノースリーブのブラウスに、薄紫のロングスカート、それに濃紺のストッキングという装いだった。
「ようこそ。いらっしゃい」
すこし陽灼けした丸顔は穏やかな目鼻立ちをしていて、ほほ笑むと口許にフレンドリーなえくぼが浮いた。
落ち着いていて口数はすくなく、よけいなことは口にしたくない、という感じだったけれど。
歓迎されてない、というわけでは、ないようだった。
彼女は手拭き用のおしぼりと、煎じたばかりのお茶を用意してくれた。
おしぼりは彼女自身が絞ったものだと、すぐにわかった。

ぼくたちが応接間のソファに並んで座り、彼女は反対側のソファに腰を下ろした。
小父さんはおもむろに口を開いて、あいさつ抜きにこういった。
「あんたの着ている服を、この子に貸してもらいたいんだ」

女の人は、え?と一瞬小首を傾げたが、それでも小父さんの言い草にそれ以上問いかけるそぶりもみせず、「わかりました」とだけ、いった。
そしてぼくと目線を合わせて、「同じくらいの体格、ですね?」といって、クスリ、と笑った。
ぼくはこの家に入って来て、初めて彼女の笑みをみた。
えくぼが素敵だ、と思ったのは、そのときだった。

では、と、彼女はいすを起って、ぼくたちのことを隣室へと促した。
隣の部屋は、洋間だった。
リビングのような凝った家具調度もなく、木製のクローゼットばかりがめだつ、冷え冷えとした感じの部屋だった。
「お召替え用の部屋だよ」
小父さんはにんまりと笑っていった。
「では、失礼をして・・・」
女のひとはそういうと、目を伏せながら服を脱いでゆく。
思わず目線を逸らそうとしたぼくを、小父さんが咎めるようにいった。
「よく見ておけ。女の服の着かたなんて、初めて見るんだろう?この人が着ていたように着るんだぜ」

女の人の動作はゆっくりとしていたが、それはためらいからではなかった。
ぼくによく見せるためだった。
時折手を止めて、「ここはこんなふうに」と、ボタンの留め方やファスナーのありかを、教えてくれた。
自分の着ている服を、若い男の子に着られてしまうことへの嫌悪感は、ないのだろうか?
彼女の身に着けている服は、ふだん着というには洗練されていて、簡素だけれど気品の漂う装いだった。
その場限りの服にしては着なれている感じがしたし、使い捨てにしてしまうほど愛着のない装いにもみえなかった。
あの・・・ほんとにいいんですか?
なんども訊こうとして、訊けなかった。
女のひとは淡々として服を脱ぐと、下着だけになった。
ぼくがふたたび目をそむけようとするのを、押しとどめたのは彼女のほうだった。
「ここからが肝心。男のひとは、知らないでしょう?」
彼女は前開き(フロントホックというらしい)のブラジャーのまえをはずした。
ぷっくりとした乳房が、あらわになった。
女の息遣いが、そこにあるような気がして、目の前がクラクラとした。
それでも彼女は淡々とブラジャーを取り去り、こんどはショーツを下げてゆく。
股間の淡い茂みから、目を離そうとして、離せなかった。
「正直ね」
彼女はゆったりと笑いかけると、「ではごゆっくり」。
そういって、小父さんを促してリビングへと消えた。
あとに脱ぎ捨てられた彼女の服が、きちんと折りたたまれて、ぼくの前に残されていた。

ふたりはリビングを素通りして、二階にあがっていったらしい。
そこでなにをするのか―――たぶん吸血行為だろう。
そしてそのあとは・・・ぼくは初めて、あの女の人が人妻だということに気がついた。


震える手を伸ばして、彼女の脱ぎ捨てたブラジャーを取り上げる。
ご主人はもちろんのこと、小父さんも見慣れているに違いない下着。
ぼくはそれを上半身に巻きつけるようにして、胸の前でホックを留めた。
男子のぼくには、ブラジャーはぶかぶかしていて、張り合いなさそうに肩から垂れ下がっていた。
それから、ショーツ。
腰回りにこのショーツをさっきまで身に着けていた女(ひと)の体温が、じわっと伝わり、しみ込んできた。

下着を身に着けてしまうと、どういうわけか気持ちが軽くなった。
度胸が据わったのかも知れなかった。

黒のブラウスをつまみあげる。
ノースリーブのブラウスは、思いのほか着やすかった。
小父さんがわざわざ、脱ぎ着のしやすい服を指定したのだろうか?
スカートを腰に巻くと、ロング丈のすそがふわさっと、ぼくの脚にまとわりついた。
ふしぎな感覚だった。
女が、ぼくの身体にまとわりついている。
いや、ぼく自身が、女になってしまった・・・そんな錯覚が甘美に胸をさすのだった。
足許にぴったりと密着した、濃紺のストッキングの影響も深かった。
しんなりと貼りついたナイロンは、ぼくのふくらはぎや太ももをほどよく締めつけて。
しっとりとした感覚が、皮膚の奥深くまでしみ込んできた。

ぼくはブラウス越しに胸をまさぐり、襟首から手を差し入れて、ブラジャー越しになおも乳首をまさぐった。
もう片方の手は、はぐりあげたスカートの奥深くに忍び入り、ショーツの周りから股間を抑えつけていた。
静かにこみ上げる昂ぶりと。失血からくるうっとりとした気の迷いと。
その両方がかわるがわる、ぼくの理性をとろかしていって・・・いつか深い眠りに、堕ちていた。
小父さんがぼくの胸をまさぐりながら、抱きすくめてきて、
ブラウスをびしょびしょにしながら、首すじになん度もかじりついてきて、
濃紺のストッキングをパチパチはじけさせながら、薄手のナイロン生地に裂けめを拡げてゆくのを。
けだるいうめき声を洩らし畳のうえを転がりながら、しきりと顔をしかめつづけていた。
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