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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

2014年04月14日(Mon) 04:57:57

学校からお家に戻ると。
あたしはママが招(よ)んでいた小父さまに、引き合わされた。
小父さまは学校の制服を着たあたしを引き寄せると、いきなり首すじを咬んで。
ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。
って。
汚らしい音をたてながら、あたしの血を吸い取った。
ママはびっくりして、うろたえて。
さいごは悔しそうな顔をして。
あたしが身体のあちこちを咬まれながら血を吸い尽くされちゃうのを、
どうすることもできないで、見守っていた。


つぎは、ママの番だった。
小父さまは、薄いピンクのカーディガンを着たママのことをつかまえると。
あたしの血をつけたままの牙をむき出して、ママの首すじを咬んでいた。
ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。
さっきあたしの血を吸った時と同じくらい、汚らしい音を立てながら。
ママの血を吸い取ったっていった。
ママが悔しそうに歯噛みをしていたのは。
お気に入りのカーディガンに血のりが跳ねたのが悔しかったのと。
血を吸い取られるときの音が、あまりにも汚らしいことに、腹を立てていたんだって。


あたしのときも。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

ママのときも。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

吸血鬼に血を吸われるのって、もっとロマンチックだと思っていたあたしたちは。
ヒルみたいにうごめく飢えた唇を、身体のあちこちにお行儀悪く吸いつけられて。
豊かに脈打つ生き血を、一滴余さず吸い取られていった。


あたしは真っ白なハイソックスに、赤黒い血をべっとりと撥ねかしていて。
ママは肌色のストッキングに、ビチッと派手な伝線を、つま先まで走らせていた。
スリップ越しにわき腹を咬まれるときに、ひどく嫌そうな顔をしたのは。
新調したばかりの高いスリップを破かれちゃうのに、腹を立てていたからだったんだって。
そんなふうにしてあたしたちは、
身体をめぐる血潮を一滴余さずむざむざと、
献血する羽目になっていた。


ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

血を吸い取られるときの、あの汚らしかった音が、ママはよほど悔しかったらしい。
会社から帰って来たパパの首すじに咬みついたときも。
ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。
あたしたちが吸い取られたときと同じくらい、汚らしい音を立てて。
パパの生き血を、吸い取ってしまっていた。


あれっきり、あの小父さまとは逢っていない。
血のなくなった身体のあたしたちには、もはや用がないのかも。
そう思うのは、ちょっぴり寂しいけれど。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

あんなふうにして吸い取ったあたしたちの血の味を、まだ憶えてくれているといいなって。
時々そんなことを、ふと思う。


ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

お友だちをだまして家に連れて来て。
ママと一緒に生き血を愉しむときも。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

近所のおばさんを家に招(よ)んで、母娘で生き血を分け取りするときも。
あたしたちはいつも、あの汚らしい音を立てて。
一滴余さず吸い取っちゃうのを、マナーだと思い込んでいる。
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