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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

【NTR注意】 「初夜権」について

2014年08月30日(Sat) 16:15:43

初夜権というものは、ぼくたちの間で決して軽い存在ではありませんでした。
だって、自分のもらうお嫁さんが、自分以外のだれかと最初に契ってしまうということですからね。
けれどもそれがこの村で育った男子が一人前になるための通過儀礼・・・とされている以上、それは避けては通れない道でもあったのです。
どうしてもそういうことを受け容れられない人は、この土地から出ていきました。
そう、まったくの過疎地ですから・・・そうでなくても去っていく人は少なくなかったのです。
けれどもぼくも両親も、生まれ育ったこの村、先祖の墓のあるこの土地を捨てるつもりはまったく、ありませんでした。

「私がだれかほかの男と抱かれるの、あなた視たいんじゃなくて?」
都会育ちの彼女のその唐突な質問に、ぼくが絶句したのはいうまでもありません。
けれども彼女の直感は鋭く、言っていることはまったく、誤っていませんでした。
ぼくはたどたどしい言葉で・・・けれどもすべてを、話してしまいました。
うちの村の人間のだれもが、ぼくのような願望の持ち主というわけではなんだ。
という、矛盾するような事実も、彼女は理解してくれました。
「うん・・・たぶんそれは、違うような気がする。あなたの村の風習とあなたの性癖とは、たぶん無関係」
断言されて傷つかないといえば、嘘になります・・・
けれども彼女はちょっとだけ考えて、呟きました。
「無関係かもしれないけれど・・・関係あるのかもしれないね」
そのうえで彼女は、言ったのでした。
「やっぱりあなたと、結婚する」


しきたりどおり、彼女は結婚前に、両親に挨拶をしにぼくの村に来ることに同意しました。
「両親まで巻き込むわけにはいかないから」という彼女は、単独でやって来ました。
都会のスーツに身を固めた見慣れない妙齢の娘に、村じゅうの視線が集まりました・・・
あのときぼくの身体をかけめぐった、独特なくすぐったさ―――それはいまにいたるまで、ぼくの行動を支配し続けているのです。

自分の許婚の純潔を、同年代の男性に与える例というのは、ぼくの村でもそんなにはない・・・ときかされていました。
たいがいが、村の長老のような人たちのものになることが多い・・・と、母からも聞かされていました。
母自身も・・・おそらくそうだったのでしょう。
ぼく自身も、狒々爺さんみたいな老人に、彼女が犯されてしまう・・・という想像に、折々昂ぶり悩まされていたのですが―――きっとぼくの心の中で、そうした儀礼に対する受け入れ態勢が、着々と作り上げられていったのでしょう―――意外にも彼女の純潔を勝ち得ることになったのは、幼馴染のKでした。

Kは家庭の事情から、一生独身でいることを余儀なくされていました。
そんなにわるいやつではないのに、村から出る前までいっしょにいたころは、「かえって切なくなるから」と、同年代の娘との交際さえ、あきらめきっていたようでした。
「しかたないんだよ。口減らしだから」
母は言いにくそうに、Kのことをそう言いました。
どうしてそんな立ち入ったことに通じているのか―――
Kは一生独身でいるかわり、一種の性的な特権を持っていて、すでに中学を出たころから、村のなかのいろいろな女性と関係を結んでいました。
彼の交際範囲に、母も含まれていた・・・というわけなのです。
とりわけ母は、Kに初めて性の手ほどきをしたという、深い関係だったのでした。

母から、Kさんにぜひ・・・といわれて、ぼくの身体を電気が駆け抜けました。
ぼくはそれまでの妄想をあっさり捨てて、言下に「それがいいね」と、呟いていたのです―――


あらかじめ言い含めていた彼女は、真っ赤なワンピースを着ていました。
場所は村はずれの草むら。
刻限はもう、日暮れどきを迎えたころでした。
気の早い秋の虫の、かしましい鳴き声が、呼び交わすように響いてくるなかで。
「悪いのう」
Kは照れたような顔をしてぼくのことを見、そして彼女には慇懃にお辞儀をしていました。

律儀でぶきっちょそうな人ね・・・だからちょっと安心したかな。
あとで彼女はそういいましたが、彼のそのあとの行動は、びっくりするほどの手際の良さでした。
「手っ取り早く・・・な」
安心しかけた彼女はびっくりして、取られた手首をとっさにかばおうとしましたが、強く羽交い絞めにしてくる力に抗いかねて、そのまま草むらの波間に、真っ赤なワンピース姿を淪(しず)めていったのでした・・・

りぃん、りぃん、りぃん・・・
ギィ。ギィ。ギィ・・・

草むらの穂先の激しい揺れが収まって、
切れ切れな悲鳴が途絶えて、
熱い息のせめぎ合いだけになると。
またぞろ虫の音が、あたりを埋め尽くしていったのでした。

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「奈美絵さん、ええ身体しとるなあ」
Kが草むらから起き上がって来て、ぼくのことを眩しげに羨ましげに見あげたときに。
「手かげんしろよな」
ぼくも案外むぞうさに、そんな受け答えをしていました。

かりにも仲良しの嫁になるひとだし、いい加減にあしらうほうがかえって失礼じゃもの。
Kの言い草は筋が通っているような通っていないような・・・
けれどもふたりがぼくの目のまえで、ぼくのまだ識らない体験に熱い熱情を交わしながら耽り抜いたのは、間違いのない事実でした。
奈美絵さんはちょっと遅れて、草むらから起き上がってきました。
さすがにぼくと目を合わせるのが気まずいのか、おずおずと目線を伏せて、裂けたワンピースをどうにかしてうまく着なおそうと、しきりに気にかけていました。
「じゃ、わし行くから」
言いかけたKに、ぼくは言いました。
「ひと晩ぼくの代わりに、このひとを愛し抜いてくれないか?」
未来の花嫁を、とことん共有したい。
結婚できないKに、ぼくの嫁を嫁代わりの女として、せめて村にいるときだけでも寄り添わせてあげたい。
ぼくは想いのたけを素直に、Kと、それから奈美絵さんとに、言葉にして伝えたのでした。


翌朝―――
奈美絵さんは、まだ周囲がうす暗い刻限に、家に戻ってきました。
庭先に回って、ぼくの寝間の障子をひっそりとたたく。
それが彼女と決めた合図でした。
まんじりともできなかったぼくは、すぐに彼女の合図に気がついて、障子をあけました。
何処とも知れぬ場所から戻ってきた彼女は、真っ赤なワンピースを着もせずに抱え込んで、白い裸身を薄闇に浮かび上がらせていました。
彼女は謝罪するように深々とお辞儀をし、
ぼくもやはり謝罪するように彼女の手を取り、掌のなかでいたわるように握りしめていました。
ふたりは無言で近づき合って・・・そのまま布団のうえへと倒れ込んでいきました。

すべてを察していたらしい母は、淡々と「おめでとう」といい、
奈美絵さんはちょっと羞ずかしそうに肩をすくめ、目を伏せていました。

それ以来。
毎年夏のには、ぼくは必ず妻を伴って里帰りをします。
女の身体に飢えているはずの、幼馴染が心待ちにしているのを知りながら。

あとで聞いたところでは、子供の頃からいっしょによく遊んだカッちゃんも、三つ年上でよく面倒を見てくれたはす向かいのお兄さんも、自分の嫁をKに抱かせていました。
村一番の素封家の息子である陽次さえもが、村長の一人娘である嫁に、夜這いをかけることを許していました。
いちばんの晩婚だったぼくの彼女がいちばんさいご―――Kにとっては七人目の初夜権奪取だったということです。
「いいじゃないの」
妻はサバサバと、そういいました。
いつも毎年彼女のほうから、「今年はいつ里帰りする?」と、訊いてくるのです。
やはり最初に肌を許した男には、特別な感情が宿るものなのか―――
Kの家の納屋で転げまわるようにして抱きすくめられて、黒の礼装を藁まみれにさせながら抱かれてゆく妻。
見せつけられて悦ぶだんなに、見せつけて歓ぶ妻。お似合いね。
と、わざととげのあることを言いながら、案外逞しい男との許された情事を愉しんでくれているようなのです。
昨年生まれた娘がKの種らしい・・・ということを、こんどKに話すかどうか。
まだ決めかねているのです。

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【参考】
初夜権という風習は、思ったほどは現存していないらしい。
私の見聞の範囲では、どちらかというと男子の通過儀礼はそこそこ確認されるものの、女子のそれは頻度としては圧倒的に少ないようである。

女子の初夜を獲ることのできる男性は、少なくとも年齢的には女子のそれよりもずっと上であることが多いらしい。
それはやはり、婚姻後にその女子を影響下におくことのできる時間を限られたものにしておかないとならないからかもしれないが、
一方でこうした風習の残存する地域では生まれてくる子供が女の夫の種であることにあまりこだわらない傾向もあることから、果たして本当にそうなのかは疑問である。

このお話のように、同年代の男子に許婚の処女を与えるという風習は、私の聞いた範囲内では存在しない。
したがって、すべてはフィクションであるとして愉しむことをおすすめする。
(あくまで愉しめるようであれば の話です。 ご不快な方は、スルーしてほしいので、あえてタイトルにて注意を喚起した)

なお、上記記述が基づくところの根拠については、諸般の事情からお答えすることができないことを、おことわりしておく。
すべてが創作であると考えていただいても、また差支えない。
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コメント

こちらには初めてお邪魔させていただきます。

公文書やマスメディアにはあからさまに表現されない・・・・
しかしながら、ある土地限定で代々続くしきたり、風習といった物語・・・・

森村誠一氏の「人間の証明」のサイドストーリーのような世界・・・・

大きな違いは登場人物が皆幸せそうに感じる「柏木ワールド」、これかも応援させていただきます。
by s美紀
URL
2014-08-31 日 17:02:13
編集
(誤)これかも応援させて
【正】これからも応援させて

失礼いたしました。
by s美紀
URL
2014-08-31 日 17:06:32
編集
> s美紀さん
コチラでは初めまして。(*^^)v
&ようこそ、柏木ワールドへ☆☆☆

いままでの話題からして、この記事に初投稿を頂けるとは、思いもよりませんでした☆
s美紀さんは、わたしが思っている以上に近いところにいらっしゃるお方なのかも。
(^^)

柏木の狭い見聞のなかでは、いわゆる「田舎の因習」は、必ずしも陰惨さを伴ったものではなく、むしろ伝統的な神事を受け伝えるような敬虔さを伴ったものである場合がかなりあるようです。
もっともこの場は、そうした事柄の真偽や本質を論じるような資格を持つ場ではありませんので・・・
^^;
お話はすべて、フィクションとしてお愉しみくださいませ。
(^^)

ちなみに柏木ワールドは、たいがいが何らかの形で、はっぴぃ・えんどに終わっています。
これはあくまで、私の趣味 ということで。
^^

じつは『人間の証明』未読なのです。
(^^ゞ
柏木世代の人は、たいがい読んでいるような本なのですがね。。。
^^;
by 柏木
URL
2014-08-31 日 20:12:17
編集

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