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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

和解・・・

2015年03月07日(Sat) 10:50:05

妻の憤慨のしかたは、ハンパじゃなかった。
いや、もちろん親父のやり方が、よくないのだが。
親父とは。
俺が当地に赴任してきて、真っ先に知り合いになった・・・吸血鬼だ。

女房の血を吸わせる約束をしてしまって。
なにも知らない女房を、土地の顔役の息子の結婚式に同伴して。
親父は俺たち夫婦の席のあるテーブルの下に、もぐり込んで。
女房の脚をいきなり、咬んだのだ。

「ちょっとっ!でていらっしゃいッ!」
おろしたてのパンストを破かれた女房のやつ、烈火のごとく怒りまくって。
きまり悪げにテーブルクロスの下から顔を出した親父を罵っていた。
いきなりなんてことをするの?ヘンタイ!ひきょう者!スケベ親父!
ふくらはぎから血を流しながらも、女房は相手を口汚く罵っていた。
そうしているあいだにも親父の咬み入れた牙からしみ込まされた毒液が、身体じゅうにまわっていって・・・
自分がどういうことをされたのが、無言でわかってしまったはずなのに。
それにしても。
テーブルクロスの下から顔だけ出して、自分がいま血を吸った女が毒づくのをぼう然と聞いていた親父の顔は、見ものだった。
ヘンタイでひきょう者でスケベ親父なのは、掛け値なしに正しかったので、反論のしようもない。
親父としてはただ、だまって聞いているしかなかったのだが。
やつだってなかなか、したたかなものだ。
ヘンタイでひきょう者でスケベ親父だと認めてくれたのだから、これからは時で行きゃエエんぢゃな。
翌朝いっしょに風呂を浴びながら、そんなことをのたまわったものだった。


わかった。わかった・・・
わしゃ、わびる。
あんたをここに連れて来てくれただんなのことは、かねがね尊敬している。
喉がカラカラなわしに血を恵んでくれたあんたには、感謝している。
これからもだんなを尊敬するし、あんたには感謝しつづける。
けっして、おろそかには心得ない。
ぢゃから、ぢゃからのお・・・

性懲りもなくにじり寄ってくる親父をまえに、女房は口をへの字に曲げて、悔しそうに睨みつけている。
ふたりのためにしつらえられたこの畳部屋からは、一歩も出ようがないのだ。
なにしろここに連れてこられてから、改めて首すじを咬まれてたっぷりと血を吸われ、
そのうえブラウスを破かれて、俺の前で犯されちまったのだから。

だんなのまえで、というのが、基本らしい。
そうすることで、相手の夫婦は劇的に気分を変えるのだから・・・という。
いや、ここで不覚にも、ゾクゾクと興奮を覚えてしまった俺は・・・
たしかにうちの会社の恥部と言われるこの片田舎の事務所に赴任させられる適性をもっていたのだろうけれど。

あなた、ブラウスとってきて。お願い。
命令口調の女房に、もちろんそうするさ、と答える俺。
けれども、俺がホテルの寝室からブラウスを取ってくるまでに。
お前、なん回射精されちまうんだ?

つぎの日になっても、女房の御機嫌はうるわしくなかった。
見栄っ張りなんだよ。あいつ。結婚式で恥かかされたって、気にしてやがるんだ
いきなりあんたも、ひどいな。
おおぜいの前でスーツ破かれて犯されたりしたら、そりゃあ立ち直れないだろ・・・

俺はいかにもお手上げ、というていで、親父を睨む。

すまん、すまん、以後気を付けるで・・・
親父は片手をあげて降参、といったが、なにどうして、決して参った景色はさらさらない。

しつらえられた畳部屋は、人妻と彼女を狙う吸血鬼の、お見合いの場。
仲良くなるまでここで対面しつづけることになるのだが。
仲良くなってからも密会の場として使用するカップルも、少なくないらしい。
さて、うちの女房殿の場合には、どんなことに相成るやら・・・

千鳥格子のスーツに、肌色のストッキング。
だんなの俺が見てもゾクッとするイデタチに、親父はさっきから魔羅をおっ勃たてているのがありありとわかる。

すまん、すまん。
だんなのことは、尊敬している。これからも、尊敬しつづける。
あんたに対しても、感謝している。これからも、感謝しつづける。
ご夫婦には絶対、恥などかかせない。秘密は厳守する。
ぢゃから、わしの渇きを救うてくれい。わしの恥ずかしい本能を、許してくれい。

ごま塩頭を振り振り、親父は壮絶?な謝罪をくり返す。
いっぽう、身体じゅうに毒の回った女房殿は・・・

ほんとうに、反省してる?
ほんとうに、感謝してる?
ほんとうに、だんなのこと尊敬する?
ほんとうに、秘密守れるの?

ぽつりぽつりと、妙なことを言い出して。
そのうち、おずおずと――
肌色のパンストを穿いた脚を、親父のほうへと伸べていった。

ちゃんと約束できるなら、少しなら咬んでもいい。


ふ、ふ、ふ、ふ・・・


親父がいつもこういう手で人妻を堕とすのを、赴任してからなん度見てきたことだろう?
キュッとしまった足首を抑えつけると。やつはふっくらと柔らかそうな女房のふくらはぎに、そろそろと唇を近寄せて――咬んでしまった。

ちゅうっ。

あ・・・

女房の横顔が、はっとこわばる。
けれどももう、問答無用というものだろう?

ちゅうっ、ちゅうっ、ちゅうっ、ちゅうっ・・・

吸血の音は狭い室内に蔓延して、
気丈に背すじをピンとさせていた千鳥格子のスーツ姿は、じょじょに、ゆっくりと、傾いていった・・・

畳の上に仰向けに倒れたのと。
男がのしかかって、スーツのジャケットの前を拡げるのとが、同時だった。
ぶちぶちっ。
やおらブラウスを剥ぎ取ると。
がぶり。
首すじに咬みついた。
びゅっ。
赤黒い血のりが、あたりにばらばらと散らばった。
男は顔をあげ、血のりにまみれた口許を、女に見せつけた。
それから剥き出しになった肩先に張り詰める、ブラジャーの吊り紐をつかまえて。
ぶちぶちっ。
はじけた吊り紐がムチのように、白い膚を直撃した。
にゅるん。
分厚く赤黒い唇が、妻の乳首を飲み込んでいく。
右、左、右、左、右、左・・・
交互にかわるがわる、熱っぽく吸われる乳首を振り立てながら、
女房はもう、無言になって相手を始めている。

女は発情させちまや、ただの娼婦になり下がるのさ。
なん度も親父が呟いていた呪文。
それがうちの女房の身にも、ふりかかっていった。

伝線の走ったパンストを片方だけ穿いたまま。
女房はなん度も、犯されてゆく。
千鳥格子のスカートのすそを、ぬらぬらとした半透明の粘液に浸しながら。
おなじ粘液を、きちんとセットした黒髪に、なすりつけられながら。
おなじ粘液を、口に突っ込まれた逸物から、びゅうびゅうと注がれながら。

どういうわけか。
女房の喘ぎ声も。
主人のより大きいわあとかいう、叫び声よりも。
さいしょは見ないで見ないでって言っていたのが、あなた視て視てっ!と態度を180度変更したことよりも。
突っ張ったふくらはぎに走るストッキングの伝線のほうが。
俺の記憶にはまざまざと、残っていた。
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