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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

理恵子の血を吸わせてあげることができて、よかった。

2015年03月26日(Thu) 08:08:48

幼いころからの悪友が。
吸血鬼に襲われて、吸血鬼になってしまった――
蒼い顔をして、わたしのまえに現れたとき。
わたしは躊躇なく自分の血を吸わせ、そして妻の理恵子を差し出していた・・・

理恵子の血を吸わせてあげることができて、よかった。
わたしはしんそこ、そう感じている。

吸血鬼があふれるようになった、この街で。
生命を落とす危険と裏腹な日常で、暮らしていて。
けれどもやつが独身を通したのは。
ほんとうは、理恵子が好きだったから。
好きな女を吸血相手に選んだのなら。
相手を死なせることは決してするまい・・・そんなふうに考えたのだ。

わたしの姑息なかけ引きは、どうやら間違いではなかったらしい。
やつはわたしの血を全部吸い尽して、わたしを墓場送りにし、
そして理恵子の夫におさまった。
旨そうだな。嬉しそうだな。
窓の外からふたりを覗き込んでいる、わたし――

けれどもそんなわたしも、孤独感は感じていない。
弟が、もらったばかりの嫁を紹介してくれたのは、吸血鬼になって間もなくのことだった。

義妹と元妻とは、かわりばんこにわたしのまえに現れて。
肌色のストッキングに彩った、自慢の脚線美をさらしてゆく――
悪友は、もともとあんたの女房だからと、わたしの夜這いを大目に見るし
弟は兄譲りの性癖まる出しにして、情事に耽る新妻に見とれていた。


あとがき
完全に奪ってしまうお話は、ここではマレなような気がしています。。
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仇敵にあらず。
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赦すけど、忘れない・・・

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