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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

美味しかった? ~彼氏と彼女~

2015年03月30日(Mon) 07:00:38

このひとが、吸血鬼?
堀井まどかは大きな瞳で、俺を見つめた。
こちらが照れくさくなるくらいに、まじまじと。
案外と、ふつうの人みたいだね。
だから言っただろ?ふつうのおっさんだって・・・
貴田シンジはそういって、恋人のことを軽くつねった。

わしが怖くないのか?
俺の問いに、まどかはキッパリと答えた。
ウン、シンジがあたしにヘンなやつ紹介するわけがないもん。
気を利かして部屋を出ていくシンジに、バイバイ、って手を振ると。
どこから吸うの?
って、いいながら。
白い首すじを、ピンと伸ばしていた。

数刻―――。
美味しかった?
首すじの傷をさすがに羞ずかしそうに隠しながら、まどかは訊いた。
俺が素直に、美味かった、というと、
よかった。
サバサバとした口調で、そういった。
どうせ血を吸われちゃうのなら、美味しいほうがいいじゃん。
痛い想いしたうえのまずかったなんていわれたら、合わないよー。
そりゃそうだな・・・俺は相槌を打たざるを得なかった。

足許にかがみ込んでくる俺に、
あら、あら。
って、戸惑いながら。
ハイソックスを履いた脚を咬みたがる俺の習性まで彼氏から聞かされているのか、
まどかは紺のハイソックスを履いた脚を、俺が吸いやすいように差し伸べてきた。
しなやかな脚の線に沿って流れるように走る縦縞のリブが、間近に迫った。
唇を吸いつけて、にゅるにゅると這わせてゆくと。
なんか、やらしいな・・・
彼女は本能で、感じ取っていた。

おかえり~。
戻ってきた彼氏を迎えるときも、まどかはさっき彼を送り出した時みたいに、小手をかざして手を振った。
だいじょーぶだよ。ちょっぴり貧血だけど・・・
というのは、明らかに強がり。
彼氏の顔を見ると緊張が解けたのか、ドッと彼のほうへと身を持たせかけていった。
おい、おい、だいじょうぶ・・・?
シンジはいつも、優しい。
そんなシンジの足許にも、俺は唇を吸い寄せていった。
ラインの入った白のハイソックスの脚をすくめながら、
シンジは自分の赤い血がハイソックスにしみ込んでゆくのを見おろしていた。

ハイソックスなら、男のひとでもオッケーなんだね。
まどかは冷静に観察していたけれど。
また逢っても、いいから。
あたしもシンジに負けないように、紺のハイソックス履いてきてあげる。
友達の友達は、友達だからね・・・って、
まどかは俺と強引に指切りげんまんをすると。
じゃあね~♪って。
彼氏と手をつないで部屋を出ていった。
俺のポケットに、密かに走り書きをしたアドレスを残して。

当分は彼氏といっしょに来ます。
ひと言メモの裏読みをするのは、さすがに遠慮をしよう。
人間の生き血を欲しがる俺のために、彼女を紹介してくれたヤツのためにも。
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妻と娘を同伴される。
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仇敵にあらず。

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